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第48話:「Evaluation」の落とし穴、「論評」の罠

Evaluationの際に、よくスピーチの内容に立ち入ってスピーカーの意見に対して、「私は賛成だ」「私はこう思う」と自分の見解を述べるEvaluationを聞くことがあります。あるいは、Evaluationの際に、スピーチの内容を繰り返す人によく出くわします。

なんて実は私もTMに入って2年くらいは、Evaluationのやり方が良くわからなくて、上であげたようなことを毎回やっておりまして、ほぼ毎回タイムオーバーを食らっておりました。

スピーチの内容を繰り返していたのは、「私はあなたのスピーチをちゃんと聞いていましたよ。あなたはこう言ったでしょう?」と、きちんと話を聞いていたからこそEvaluationができるという姿勢を見せたかったように思います。逆に、これを言わずにEvaluationをすることに自信がなかったのです。スピーカーのSpeechがわからないこともあります。でもそれを見せたくなかったのです。でも、今は話がわからなかったらなぜわからなかったかを考えて、そこから出発してEvaluationを組み立てることもあります。(こちらを参照ください)

それからもうひとつ、以前の私は「論評」という言葉に惑わされていたせいもあると思います。「論評」という言葉を、勝手に「評論」と解釈して、その内容に対して自分の意見を述べることが主だと考えていました。論評という言葉のもつ罠に引っかかっていたのです。(と思っていた)

Toastmastersに入会するとTMIからもらえる「Effective Speech Evaluation」というブックレットによると、Evaluationとは、
①話し手の発表に対しての自分自身の反応を述べるだけ、
②あくまでEvaluator自信の意見であること。
③その意見は、話し手の発表がどのように効果的であったか?話し手はどう良かったのか?どの部分が改善の余地があったのか?具体的にどうすれば改善できるのか?
を述べることだとあります。

逆に言えば、この3つを満たしていればEvaluationとしての合格ラインの最低線はクリアしているわけで、別にスピーカーの意見を再度繰り返したり、追認したりしなくても良いのです。

その昔、Evaluationについて迷いに迷っていた私が良くやっていたEvaluationですが、(あくまで例です。)

「○○さん、すばらしいスピーチをありがとうございました。私も子供のころ母にそのような話を聞いたことがあります。まだ子供だった私はそんな話を聞いてもあまりわからなかったのですが、成長するにつれて次第に理解できるようになって来ました。私も○○さんと同じような環境にいたため、おっしゃることが大変よくわかります。スピーチの途中で、「千里の道も一歩より」とのことわざを披露されましたが私もまったく同感で、私の結婚式に来てくださった学生時代の恩師がそのスピーチで教えてくださいました。」

こんな風に長々と構成感もない前口上で始めると、まず100%タイムオーバーでした。何よりも、スピーカーがすでに行った話をただ繰り返すのでは、なんら価値を生みません。上で述べた「Evaluationに必要な3つの基本項目」を網羅することもできず、結果としてスピーカーの成長に貢献できませんでした。

また、時にはスピーカーの意見に賛成できないこともあります。しかし、Evaluationは議論の場でもなく、また賛否を唱える場でもありません。たとえば、スピーカーが「首相の靖国神社参拝賛成」の話をして、Evaluatorが「政治的に靖国神社反対」であっても、その内容には決して立ち入る必要はありません。その意見に対して賛成・反対を唱える必要もありません。Evaluationは、そのようなことを議論する場ではないからです。相手と意見を異にしても、あくまでプロフェッショナルに、どうすればスピーカーがスピーカーとして上達できるかについての意見を建設的に述べるのがトーストマスターズでのEvaluationだと思います。

Evaluationについて、わからなくなってきた際には、次の二つのことをお勧めいたします。

①Toastmastersに入会するとTMIからもらえる「Effective Speech Evaluation」を再度読むこと。
②Basic ManualのProject 1から10までのEvaluation Guide全部に目を通すこと。それぞれのProjectで何を求められているかを考えること。

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