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第58話:スピーチの神様とステージの魔物

5月13日のディスリクト76日本語スピーチコンテストで優勝しました。「ロボットたちの反乱」というタイトルのスピーチです。今回は3月25日のクラブ内コンテストに出たときから、全国大会での優勝を狙っていましたから夢がかなって素直に嬉しく、またほっとしております。

今日は私が信じている「スピーチの神様とステージの魔物」についての話です。今回の優勝でますますスピーチの神様の存在を確信しました。そしてステージの魔物の存在も確信しました。

スピーチの神様は、スピーチ作り、スピーチしているときに、困った時にちょっとだけ出てきて助けてくれる超越した存在です。スピーチのねたに困っているとき、あきらめずにがんばっているとちょっと出てきて、ちらっとヒントを出してまた消えていきます。反対にステージの魔物は、ステージで油断するとあっという間に捕まってしまい、スピーチを失敗させようとする存在です。

スピーチの神様との邂逅
今回のスピーチの最初のバージョンは、3月25日のクラブ内コンテスト向けでしたが、タイトルで苦しんでおりました。そのとき神様が降りてきて「チームNIPPON」にしたらと教えてくれました。おかげでクラブ内コンテストで1位になりました。
次に4月23日のディビジョンB向けに最初のバージョンの後半を書き直したのですが、このときにはあまり神様の助けを借りずに自力でできたような気がします。(スピーチの神様、もし忘れていたらすみません。) ディビジョンBは2位で通過しました。(スピーチの神様ありがとうございました。)ディビジョンBバージョンに対していろいろな方からアドバイスをいただき、変更することにしました。
しかし、何度書き直しても納得行くものになりませんでした。時間はどんどん過ぎていきコンテストのある5月8日の週になっても昼間はもちろん仕事ですが、夜も会議やPTAの仕事で全く何もできず、ようやく木曜日の夜から書き始めましたが、なかなかひらめきません。フレームワークは出来上がっているので、そこにストーリーを当てはめるだけなのです。結局の不快な気持ちのまま床につき翌日の新幹線での移動に賭けることにしました。新横浜から乗って、アイデアが出てこずに苦しみまくっていました。名古屋を過ぎたあたりで「ロボット」という言葉がひらめきました。スピーチの神様がそっと教えてくれたのです。それを機に順調にスピーチを書き上げることができました。

ステージの魔物の登場
ステージには魔物が住んでいます。その魔物は本番が始まるといろいろな形で現れます。「ぎしぎし」と気になる床の音や聴衆の予想外のリアクションで受ける動揺など。準備がきちんとできていないと、つまり魔物に対する耐性が弱いと一気にやられてしまいます。過去、本番のスピーチの途中で忘れてしまう人を何人か見ましたが、魔物にやられたのです。
今回、魔物は私のスピーチの3行目のフレーズに登場しました。思ってもいなかった言葉を勝手に口が喋ってしまい、魔物がチャンス到来と私をどんどん違う流れに引っ張り込もうとします。焦ります。懸命にリカバリーします。
で、私の執念が勝ちスピーチを元に戻すことができました。
ところが、まだ話がかなり残っているところで7分経過を示す「赤」が点灯しました。魔物が再び、しかも最悪のタイミングで現れました。まだ諦めていなかったのです。こうなれば逃げ道はありません。タイムオーバー覚悟で正攻法でこれまでやってきた物をやるだけです。

スピーチの神様の再登場

さて、結果発表です。審査委員長から実行委員長に結果が渡されます。通常、ここでタイムオーバーによる失格者があれば発表されるのですが、この日はありませんでした。油断はできないので、3位の発表、2位の発表のときも「次は俺!」とは思わないようにしました。実は私は最後までタイムオーバーと思っていましたから。
そして優勝発表の直前の長い静寂。
実行委員長から「2006年度スピーチコンテスト日本語の部優勝者は、「ロボットたちの反乱」 東 公成さんです」と発表されました。私は、「ロボット」の「ロ」の字が聞こえた瞬間にスピーチの神様の存在を感じました。

神様と魔物
スピーチの神様は、あきらめずに努力していると、しかもうんうん苦しんでいると最後の最後にちょっとだけ来て、ヒントをチラッと教えてくれます。しかし油断していると、本番でステージの魔物に捕まりやられてしまいます。魔物にやられないようにするには、魔物に対する耐性を高めていくしかありません。そのためには、ひたすら練習するしかありません。そして、さらに「勝ちに対する執念」が強ければ、スピーチの神様は助けてくれるようだと言う事を学びました。

今後も神様に助けていただきながら、魔物に負けないよう、挑戦していきたいです。

ただでさえ、宗教っぽくやっている私のトーストマスター活動に、また「神様」と「魔物」という言葉が加わり、ますます怪しくなっていく今日この頃です。

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Comments

コンテスト優勝おめでとうございます。結局1位になる人とならない人の差は「努力」するかしないかだと改めて思いました。私は努力するのが苦手でいつもひらめき、土壇場力でやっているようなものですので、彼我の差を感じます。ただこれが私のスタイルでもあるので、今後もアイディア勝負で面白いスピーチを披露できたらな、と思っています。いつも示唆に富んだ書き込みありがとうございます。

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小原さん、いつもありがとうございます。今回は、「努力」はともかく「勝つこと」への執念はいままで参加したどのコンテストよりもありました。インハウスのときから、一緒にインハウスにでた同じクラブの方に「勝つ気でいるでしょう」といわれたくらい気合がこもっていました。スピーチコンテストで優勝するのは2001年のAll Japanで井上さんのBonji Tetteiを見てからの夢でしたが、今年どうしても勝ちたかったのは、好きなテーマのスピーチに恵まれたのでこのチャンスを逃したくなかったというのがいちばん大きいです。来年、こんなにノリノリで挑戦できるスピーチに恵まれるかどうかわかりませんから。今は、秋のHumorous Speech Contestのことを考えています。これまで挑戦したことのないテーマに取り組もうかどうか、たのしくあれこれ悩んでいます。またコンテストのステージでお会いしましょう。

Posted by: h.ohara | May 16, 2006 at 12:52 PM

Congratulations!会場で聴かせていただきました。ストーリー性もさることながら素晴らしいお声をお持ちなので、始終心地よく聞くことができました。

しかし何といってもやはりスピーチは内容:最初は、「Humorous Speech?」と思いつつ聴いておりましたが、一見作られたようなお話のなかで鋭く現在の問題を突いておられる辺りさすがだなと思いました。私は英語クラブ所属で、周りに日本語クラブがないのですが、改めて『母国語でのスピーチ』の難しさと、それを学ぶ必要性を感じたコンテストでした。

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AGKF@FTMC様

コメントをありがとうございました。今回の「ロボットたちの反乱」は、実は私がここ3年ほどスピーチでやっている「日本を憂う、がんばれ日本」シリーズの最新作です。「Fuel Cell Technology
」「Be ambitious, Japan」「70年間の空席」「チームNIPPON」「リセット」と英語と日本語でいろいろな話をしてきました。今後も手を変え品を変えこのシリーズを追及していきたいと思います。今後もぜひ一緒にがんばりましょう。

Posted by: AGKF@FTMC | May 16, 2006 at 08:24 PM

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