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第74話:魔法のキーワード:Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.

テーブルトピックスの質問にもっと上手に答えるにはどうしたらよいかいろいろと考えておりますが、ふとしたきっかけからテーブルトピックマスター(以下TTマスター)に指名されて、立ち上がったらまず笑顔で「Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.」とお礼をゆっくりとはっきりということが心理的にプラスに作用するキーワードになっているのではないかと思うようになりました。

このキーワードがとくに有効なのは、自分にとって超苦手な質問に答えるときだと思うのです。(逆に簡単な質問であればこのキーワードがあってもなくても大丈夫でしょう。)

「内閣総理大臣の靖国神社参拝についてあなたはどう思いますか?」
大変極端な例ですが、こんな質問をTTセッションで仮にされたらどうでしょう?(政治・宗教・性に関する質問がタブーかどうかの議論はひとまず置いておきます。)
回答のイメージとしてはこんな感じになるのではないでしょうか?

白帯(初心者):沈黙。内心相当動揺。なんとか真面目に答えるが、動揺がそのままスピーチに出て、それが聴衆にも伝染し会場内は気まずく静まり返る。
黒帯(ベテラン):笑顔でTTマスターにお礼をいい、質問に答える。多少のユーモアも交えしかし建設的にスピーチを行う。聴衆はベテランの回答に感動、感心し拍手喝采。

私も、TTセッションでこんな質問をもらったらまず面食らい相当動揺します。おそらく白帯君的な回答をしてしまうと思います。

なぜなのか?
この質問は、政治と宗教という二つの「タブー」が絡んだトピックだからです。つまり「内閣総理大臣」と「靖国神社参拝」という二つのキーワードが回答者の心を縛り付けてしまう心理的なトラップ(罠)の役目を果たしていると思います。ですから、この質問をまともに受け止めてしまうと、確実にこのトラップに引っかかり、心が冷えてしまい頭の回転も停止してしまいます。あるいは無限ループに入ってしまうかでしょう。

トラップに引っかからない方法
そこで出てくるのが、先ほどのキーワードです。
①まず、にっこりと笑顔をうかべ
②「Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.」といいます。

笑顔を浮かべることでまず緊張がほぐれます。お礼を言うことで余裕が生まれ、追い詰められてしまった心理的な窮地から出ることができます。(私自身、仕事上の会議で追い詰められた際にとりあえず笑ってみることでピンチを脱した経験があります。笑いは有効です。) そしてここで一呼吸おいて、心に思ったことを述べていきます。

ここから先は、通常の、つまりトラップのない質問と同じように答えていけばよいと思います。テーブルトピックの答え方については、PREPですとかブレークダウン法とかさまざまな技法があるようですので、そちらに任せますが、あくまでここではトラップに引っかからないようにどのように心を持っていくかについて述べてみました。

自分自身の心理的な癖を知る
場数を踏んで、メンタルタフネスを高めていきつつ、自分を失った際に自身をよく見つめなおしてみると、自分がどんなときにトラップに引っかかり自分を失っているか、癖がわかってきます。持っている癖に気づくと、そのことを意識するようになり、少なくとも意識している間は案外トラップに引っかからないということも可能になります。

なぜ、この「魔法の言葉」に気づいたか?
実は、会社でメールに返事をしているうちに、読んだ瞬間に落ち着きをなくし感情的に返事をしてしまうメールがあることに気がついたのです。どんなメールかはここでは述べませんが、このように感情的に返事をしてしまうことは決してよい結果を招かないことも体験的に知っていました。ですから、まず一呼吸おこうと思ったときに、TTセッションの魔法の言葉に気がついたのです。「そうか!いらいらしているときに、腹の立つ相手にあえてThank you for your kind comments.と言おう」と。そうすることで、一呼吸おくことができ、かつ感情をポジティブな方向に持っていくことができることに気がつきました。

黒帯のテーブルトピックスピーカーになるために
私は、いつか黒帯のテーブルトピックスピーカーになれたらと思っています。そのために、いろいろな壁にぶつかりながらTTを練習していきたいと思っています。幸いなことに、ToastmastersのTTセッションは、知識の正しさを披露する場でも、自分の意見を主張する場でもありません。What to SayよりもHow to sayに注力できる場です。もちろん、上級者になればWhat to sayもHow to sayの両方も満足させなければならないでしょう。それまではせいぜいトラップに引っかからないように魔法の言葉を操っていきたいです。

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Comments

こんにちは。大変興味深く読ませていただきました。

月刊 Toastmaster で、今年4月号の"Conquer Table Topics Phobia"にもまさに同じようなことが書かれていましたね。出された問題の内容に舞い上がってしまうと、何と答えようかと黙り込んで考えたり、そのことに集中するあまりに最初の挨拶"Thank you ---." をつい忘れてしまいがちです。その『挨拶』をしながら時間を稼ぎ、同時に言いたいことを即座に頭の中で整理する…という技がこなせるようになると黒帯レベルなんだろうなぁと思います。何年経ってもTTSではいつも緊張してしまいますが、これをマスターすることこそがTMs の目標でもあります。今後共毎回の機会を前向きに捉えてスキルを磨いてゆきたいものです。

Posted by: TMKF@FTMC | July 31, 2006 at 10:52 PM

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