« June 2006 | Main | September 2006 »

July 2006

第75話:テーブルトピックセッションとタブー

第74話:魔法のキーワード:Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic questionで、自分を失わずに落ち着いてTTの質問に対する対処法について話をしました。その中の例として「内閣総理大臣の靖国神社参拝についてあなたはどう思いますか?」というとても極端な質問を取り上げましたが、こういう質問に対する私の考え方を述べます。

「内閣総理大臣の靖国神社参拝についてあなたはどう思いますか?」のような質問は、上級クラブ(Advanced Club)や普段から政治、宗教、性について非常にオープンに語っているクラブならともかく、そうでないクラブでは避けたほうがよいと思います。(以前と考え方がちょっと変わりました。)

そう思う理由は二つです。

理由その1:The Mission of the Club(クラブの使命)にあうか非常に微妙である。
テーブルトピックセッションの目的は、①当日役割(Assignment)のないメンバーにも話す機会を与える。②その場で考えその場で話す能力を高める。ことにあります。しかしそれ以前にThe Mission of the Club(クラブの使命)と照らし合わせて考えると、おのずと聞いても良い質問の範囲は限られてくると思います。

理由その2:傍聴しているトーストマスターズ経験の少ないメンバーあるいはゲストを震え上がらせる可能性がある
政治・宗教・性に関する質問に対して、あくまでトーストマスターらしく建設的に答えることができるのであればこの質問を例会で行うことは可能とは思いますが、経験の少ないメンバー、あるいはゲストがそういう質問が飛び交っているテーブルトピックセッションを目の当たりにすると、その質問を指名されたメンバーがいかに上手に建設的に回答しようとも、「こんな質問をするクラブにはいたくない」と思って辞めてしまったり、入会をためらったりするかもしれません。もちろん逆に、「自分もこんなすごいスピーカーになりたいからもっとがんばろう」と思う人がいるかもしれませんが、そこは十分慎重になってよいと思います。

あえてこんなきわどい質問をしなくても、テーブルトピックセッションの二つの目的は達成できます。もちろん、クラブの例会を一歩出てしまうと世の中このような質問に満ち満ちておりますが、テーブルトピックセッションで様々に経験を積んでいくときっとこのような質問も上手にさばけるようになるでしょう。(なりたいものです)
(私個人としては、このようなきわどい質問だけを練習する特別な場を作って、そこでこういう質問をあえて経験してメンタルタフネスを鍛え強くなりたいとひそかに思っております。)

本当の「タブー」とは?
私は多くの例会で、TTマスターがTTセッションを開始するにあたり「さぁ、恐怖の時間がやってまいりました」とか「I am lucky because I do not need to be a table topics participant which I really hate to do.」と冗談めかして言うのを見て来ました。しかし私はTTマスターという「リーダー」がそんなことをいってみなを怖がらせてはいけないと思うのです。そしてこれこそが本当の「タブー」だと思うのです。

私がこれまで見た最高のTTマスターは、DTM稲垣さんでした。稲垣さんは、いかにTTセッションが我々のMental Flexibility(頭の柔らかさ)を向上することに役に立つか、なぜTTセッションがトーストマスターズの例会にあるのかをPositiveに語って出席者が楽しく参加できる雰囲気を作られておりました。これぞまさに「TTマスター経験を通して学べるリーダーシップ術」というものでしょう。

一緒に目指しましょう「笑いにあふれたTTセッション」
先日、ある小さな飲み会で私も含めて3人のトーストマスターが集まりました。宴もたけなわのときに小さなテーブルトピックセッションをやりました。お酒が入っていたせいもあるかもしれませんが、とても楽しかったのです。翌日、その中の一人からメールをもらいました。「昨日のテーブルトピックは本当に楽しかったです。またやりましょう。」と。

TTセッションは、本当は楽しいセッションなのですよね。魔法の言葉を効果的に使いトラップをうまく避けて、楽しく笑いながら黒帯コミュニケーターになりましょう。

| | Comments (0)

第74話:魔法のキーワード:Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.

テーブルトピックスの質問にもっと上手に答えるにはどうしたらよいかいろいろと考えておりますが、ふとしたきっかけからテーブルトピックマスター(以下TTマスター)に指名されて、立ち上がったらまず笑顔で「Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.」とお礼をゆっくりとはっきりということが心理的にプラスに作用するキーワードになっているのではないかと思うようになりました。

このキーワードがとくに有効なのは、自分にとって超苦手な質問に答えるときだと思うのです。(逆に簡単な質問であればこのキーワードがあってもなくても大丈夫でしょう。)

「内閣総理大臣の靖国神社参拝についてあなたはどう思いますか?」
大変極端な例ですが、こんな質問をTTセッションで仮にされたらどうでしょう?(政治・宗教・性に関する質問がタブーかどうかの議論はひとまず置いておきます。)
回答のイメージとしてはこんな感じになるのではないでしょうか?

白帯(初心者):沈黙。内心相当動揺。なんとか真面目に答えるが、動揺がそのままスピーチに出て、それが聴衆にも伝染し会場内は気まずく静まり返る。
黒帯(ベテラン):笑顔でTTマスターにお礼をいい、質問に答える。多少のユーモアも交えしかし建設的にスピーチを行う。聴衆はベテランの回答に感動、感心し拍手喝采。

私も、TTセッションでこんな質問をもらったらまず面食らい相当動揺します。おそらく白帯君的な回答をしてしまうと思います。

なぜなのか?
この質問は、政治と宗教という二つの「タブー」が絡んだトピックだからです。つまり「内閣総理大臣」と「靖国神社参拝」という二つのキーワードが回答者の心を縛り付けてしまう心理的なトラップ(罠)の役目を果たしていると思います。ですから、この質問をまともに受け止めてしまうと、確実にこのトラップに引っかかり、心が冷えてしまい頭の回転も停止してしまいます。あるいは無限ループに入ってしまうかでしょう。

トラップに引っかからない方法
そこで出てくるのが、先ほどのキーワードです。
①まず、にっこりと笑顔をうかべ
②「Thank you, Table Topics master, for giving me a fantastic question.」といいます。

笑顔を浮かべることでまず緊張がほぐれます。お礼を言うことで余裕が生まれ、追い詰められてしまった心理的な窮地から出ることができます。(私自身、仕事上の会議で追い詰められた際にとりあえず笑ってみることでピンチを脱した経験があります。笑いは有効です。) そしてここで一呼吸おいて、心に思ったことを述べていきます。

ここから先は、通常の、つまりトラップのない質問と同じように答えていけばよいと思います。テーブルトピックの答え方については、PREPですとかブレークダウン法とかさまざまな技法があるようですので、そちらに任せますが、あくまでここではトラップに引っかからないようにどのように心を持っていくかについて述べてみました。

自分自身の心理的な癖を知る
場数を踏んで、メンタルタフネスを高めていきつつ、自分を失った際に自身をよく見つめなおしてみると、自分がどんなときにトラップに引っかかり自分を失っているか、癖がわかってきます。持っている癖に気づくと、そのことを意識するようになり、少なくとも意識している間は案外トラップに引っかからないということも可能になります。

なぜ、この「魔法の言葉」に気づいたか?
実は、会社でメールに返事をしているうちに、読んだ瞬間に落ち着きをなくし感情的に返事をしてしまうメールがあることに気がついたのです。どんなメールかはここでは述べませんが、このように感情的に返事をしてしまうことは決してよい結果を招かないことも体験的に知っていました。ですから、まず一呼吸おこうと思ったときに、TTセッションの魔法の言葉に気がついたのです。「そうか!いらいらしているときに、腹の立つ相手にあえてThank you for your kind comments.と言おう」と。そうすることで、一呼吸おくことができ、かつ感情をポジティブな方向に持っていくことができることに気がつきました。

黒帯のテーブルトピックスピーカーになるために
私は、いつか黒帯のテーブルトピックスピーカーになれたらと思っています。そのために、いろいろな壁にぶつかりながらTTを練習していきたいと思っています。幸いなことに、ToastmastersのTTセッションは、知識の正しさを披露する場でも、自分の意見を主張する場でもありません。What to SayよりもHow to sayに注力できる場です。もちろん、上級者になればWhat to sayもHow to sayの両方も満足させなければならないでしょう。それまではせいぜいトラップに引っかからないように魔法の言葉を操っていきたいです。

| | Comments (1)

第73話:スピーチコンテスト司会者用原稿

2005年秋のDistrict76日本語ほら吹きコンテストを主催するに当たっては、その年の春の全国大会で日本語スピーチコンテストディストリクト決勝(東京代々木)を主催した江戸クラブのやり方をかなり勉強させていただきました。その中でも「司会」については、江戸クラブの高橋さんが完璧な仕事をされましたので真似をさせていただこうと原稿の提供を申し込み快諾されました。

今回の資料は、江戸クラブバージョンをベースにした大和バイリンガルバージョンのほら吹きコンテスト司会者用原稿です。「200520051116az.doc」をダウンロード

私が、江戸クラブがお使いになった原稿にほれ込んだのは、日本語コンテストではありますが、国際コンテストの標準にきちんと準拠しているところでした。

とくにほれたのは、次のくだりです。

-------------------------------
司会:それでは、審査委員長の報告事項に参ります。本コンテストの審査委員長は、◎◎トーストマスターズクラブの○○○○さんです。○○○○さん、前へ御願いします。では、報告事項を御願いたします。

審査委員長:すべてのコンテスタントの経歴書及び独自性の証明書を受け取り、チェックし、すべての要件を満たしていることを確認済みです。またすべての審査員に必要な事柄を説明済みです。

司会:では、コンテストを開始してよろしいですね。

審査委員長:すべて準備完了です。

司会:ありがとうございます。それでは、みなさま。コンテストを開始致します!

-------------------------------

Internationalの決勝のビデオを見ても、だいたい上のとおりにシンプルに進めております。審査委員長(Chief Judge)が、審査基準について「Contents, Organization, Deliveryについて云々」と説明もしておりません。

この司会者用原稿をいただいたあと、大和バイリンガルクラブ内でさらにほら吹きコンテストの内容にあうようにいくつかマイナーな変更を加え本番に臨みました。

おかげでコンテストは非常にスムーズに進行し、予定の15分前に終了することができました。

コンテストというのは、他のトーストマスターズのイベント同様、知恵とノウハウの発展的な継承の場でもあります。よいものはどんどん真似して自分たちのものとしてさらに次の担い手に継承していき、全体でレベルを上げていくのが良いやり方であると思います。

この秋、この原稿をぜひご活用いただき皆様のコンテストを成功させ、さらにつぎの主催クラブに継承してトーストマスターズの発展に寄与していきましょう。

| | Comments (0)

第72話:スピーチコンテストの企画と実行

11月のD76 Humorous Speech Cotestに向けて、各コンテストを主催するクラブの方々、District, Division, Areaのガバナーの皆様もそろそろ準備、あるいは心の準備を始められていると思います。

私はこれまで、Area32 Evaluation Speech Contest(英語、2001年秋)とDistrict76 ほら吹きスピーチコンテスト(日本語、2005年秋)の主催という経験を通して、コンテストの企画立案、実行、決算までのフルサイクルというものを実地で学ぶことができました。今日は、そこで学んだ事を共有したいと思います。

全体像がわかれば怖くない
コンテストの企画から実施、そして決算までは、実は決まりきった作業の塊であり、全体像が分かってしまえば、それほど難しくはありません。(全体像はこの記事に添付の図をクリックしてくださいPhoto

コンテストと例会は基本的には同じ
そもそもコンテストというのは、その基本的な構成に関しては、「例会(Regula Meeting)」と大差はありません。私たちトーストマスターは、年間12回から24回も例会を実施しています。これは、イベントの企画と実施を実践的に学んでいるということなのです。ですからコンテストといってもそれほど恐れることではありません。

コンテスト実施の7つのステップ
私は、過去2回のコンテストは次の7つのステップで実現してきました。

ステップ0:コンテストルールの理解
ステップ1:ゴールイメージの明確化
ステップ2:人、モノ、金の整理
ステップ3:キックオフ
ステップ4:実行
ステップ5:コンテスト当日
ステップ6:収支決算

段取りがすべて!
どのステップも大事ですが、やはり段取りがすべてでしょう。その意味で、ステップ0の「ルールの理解」から、ステップ2の「人、モノ、金の整理」を早めに決めておくと後が非常にラクです。

「ステップ1:ゴールイメージの明確化」と「ステップ2:人、モノ、金の整理」を集約したのが、添付のエクセルです。(こちらをクリックしてください)

これは、2005年秋のDistrict76ほら吹きスピーチコンテストを主催した際に作成したものです。

このエクセルの中には「Contest Time Table」、「役割」、「備品準備」、「Reception」という4つのシートがあります。それぞれのシートについて説明をします。

★Contest Time Table
これこそが、「ステップ1:ゴールイメージの明確化」でいうところのゴールイメージです。私たちは、何ヶ月かかけて準備するのはコンテストというゴールを目指すからです。ですから、このコンテストというゴールを、ありったけの想像力を働かして出来るだけ詳細に具体的にイメージします。それぞれの時間も分単位で細かく計算していくのが私のやり方です。人の動き、必要なもの、場所についても詳しく書いていきます。

なお、このシートは所要時間は自分で入れますが、2,3の例外を除いて基本的に開始時間+所要時間=終了時間の計算をするような計算式が入っています。(セルC4,C5は計算式が入っていませんが、C6、D6からそれ以降すべて計算式が入っていますので、所要時間を増やしたり減らしたりすれば、あとは開始時間と終了時間を自動計算します。もっと良いやり方を知っている人は教えて下さい)

これが出来たら、次の「役割」シートの作成と「備品準備」シートの作成に進みます。

★役割
Contest Time Tableが具体的かつ詳細に描くことができれば、ここからどんな役割の「人」が何人くらい必要なのかが割り出せます。それがこのシートに集約されています。

★備品準備
Contest Time Tableが具体的かつ詳細に描くことができれば、ここからどんな備品、物品の種類、数量が割り出せます。この備品の表をさらに展開すれば、予算計画の一部となりますが、それはこのエクセルには入れていません。

★Reception
これは先ほどの3つの表とことなり、当日の受付の配置を計画するために作成したものです。繰り返しになりますが、これは2005年秋のD76ほら吹きスピーチコンテスト用に作成したもので、全国大会の受付をスムーズに行うためのものです。120人の来客のチェックイン処理を30分で行うために作成しました。

さて、この基本設計書からさらに様々な詳細設計、日程計画が立案できるのですが、とりあえず本日はここまでです。

| | Comments (0)

第71話:おしらせ:SkypeでImpromptu Speechの練習

Skypeという無料のIP電話があります。PCにインストールして、マイクとスピーカー(あるいはマイク付のヘッドセット)があれば、他のSkypeユーザーと非常によい音質での通話が無料で楽しめるものです。(国際通話ももちろん無料です)
(詳細、ダウンロードは、こちら

このSkypeの機能の一つに、「5人までの電話会議」があります。これを使ってImpromptu Speechの練習ができたらいいなとかねがね思っておりました。

やってみたい方は、こちらの「Comments」にて御連絡ください。メールを下さってもかまいません。

台湾の皆さんも大歓迎です。

私の、Skype名は「pxp05102」(半角)です。

こっそりライバルに差をつけよう!(というキャッチコピーを見ながら中学、高校時代をすごした私でした)

| | Comments (2)

第70話:台湾の演説会(Toastmasters Club)

「東さん、新高の山のふもとの民草も茂りまさるときくぞ嬉しき という明治天皇の御製の句を知っていますか?」
「東さん、海ゆかばを歌えますか?」

台湾の日本語演説会のメンバーの葉さんと、台北の林語堂記念館(故居)へ向かう途中、こんな質問をされましたが、満足に答えられませんでした。「海ゆかば」はかろうじてメロディーは知っていましたが、歌詞もつけて歌うなど私にとっては至難の業。台湾に来て、日本統治時代に教育を受けた台湾人の大先輩に会うと、「自分はなに人なのか?」「自分の日本語に外来語を混ぜて話しても良いのだろうか」という強烈な疑問が心の中に沸き起こり一瞬くらっときます。(今も、本当はアイデンティティ・クライシスという言葉を使いたかったのですが、思わず控えてしまいました。)

大和バイリンガルトーストマスターズクラブを創立した際も、一緒に創立したメンバーと一緒に、Prepared Speechって日本語でなんていうんでしょうね?Impromptu Speechって日本語でなんていうんでしょうね?Business Portionってなんて日本語で言うんでしょうね?と悩みながら作っていったのですが、台湾の日本語クラブに来たら、あっさりとすばらしい訳文の数々に出会うことができました。

- Prepared Speechは、指定演説
- Impromptu Speechは、即席演説
- Business Portionは、お知らせ

それぞれが簡潔にあっさりとしかし的確に訳されていました。英語にとらわれてしまっていた私は、まるでコロンブスの卵的に感心しました。

台湾には、日本のトーストマスターズクラブに負けることのない言語のクオリティをもつクラブが存在する。うわさには聞いておりましたが、目の当たりにするとやはり素直に感動せざるをえません。

その感動からまた学んだ私でした。

| | Comments (0)

第69話:台湾のトーストマスターズの皆様

大和バイリンガルトーストマスターズの東です。

今晩は、皆様と楽しい時間を持つことができましたことを改めて感謝いたします。
そして、トーストマスターズに入っていたからこそ、こんなにすばらしい皆さんと知り合うことができたのだと感激いたしました。

私が何よりも感激したのが、台湾に私の母国語である日本語をこんなにも大切にしてくださっている人たちがこんなにたくさんいるということです。皆さんが、日本語を本当に大切にしてくださっていることが大変よくわかったので、今日はちょっと緊張してしまいました。

ご自身の文化のみならず、他国の文化をも大切にされる皆さんの度量の大きさに感服いたしました。

日本には「同じ釜の飯を食べた間柄(あいだがら)」という言葉があります。食事を共にすることでいっそう親しくなる間柄です。初めてあった方が多いのに、初対面のような気がせずに、すぐに打ち解けることができた皆さんには、まるで旧友のような、そして家族のような親しさを心から感じました。

今後とも、教え教えられ本当に家族のように末永くお付き合いをさせてください。

改めまして、今晩はお付き合いくださいましてありがとうございました。

2006年7月11日 大和バイリンガルクラブ 東 公成Img_0378

District67のWebサイトに載った夕食会の記事(国語)
District67のWebサイトに載った夕食会の記事(英語)

| | Comments (0)

第68話:FAQ(よくある質問と回答)とBasic Manual

私が、トーストマスターズに入った当初はすべてが新しく珍しく、ただただついていくのに、慣れるのに精一杯でした。これは多くの方にとっても同じだろうと思います。やがて、だんだんと慣れてきて落ち着いてくるとちょっと余裕が出てきて、いろいろな疑問がわいてきます。わからないことがあればメンターに質問する、VPEに質問する、Presidentに質問するなど答えを得る方法もたくさんあります。質問するのもコミュニケーションのトレーニングだからです。

さて、よくある質問(FAQ: Frequently Asked Questions)としてこんなものがあります。

- トーストマスターズの教育体系全体像を知りたい。
- 各Award(CC,AC-B, AC-S, AC-G1, CL, AL, DTM)の要件を知りたい。
- Prepared Speaker(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- Evaluator(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- Timer(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- Table Topic Master(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- General Evaluator(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- TMODあるいはToastmaster(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- Grammarian(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- Ah-Counter(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
- クラブ役員(Club Officer)の役割について知りたい。VPEは何をやればよいのか?
- Prepared Speakerなどの役割を失敗なく果たすにはどうすればよいか?
- スピーチの題材として何を選んだらよいのかわからない。
- テーーブルトピックにうまくこたえるにはどうしたらよいのか?
- TMODとしてスピーカー(Prepared)を紹介するよいやり方が知りたい。
- TMODとしてスピーカー(Prepared)がスピーチを終えた後で何を言えばよいのか知りたい。
- Basic Manual(基本マニュアル)が終わった後の、Advanced Manual(上級マニュアル)にどんなものがあるか知りたい。

さぁ、こうした質問にはどう答えればよいでしょうか?どこに答えが載っているのでしょうか?

答えは、すべて「誰でも持っている」Basic Manual(Communication and Leadership Program, あるいはCompetent Communicator, あるいは基本マニュアル)に出ています。実は、上の質問はすべてCommunication and Leadership Program(2003年版)から拾いました。つまり逆に言うとそこに実に詳細に記されています。
今回、もう一回読み直してみましたが、ここまで詳細に書かれていたのかと改めてその価値を再認識しました。(注:本原稿はCommunication and Leadership Programの2003年版を元にしています。同じBasic Manualでも最新版のCompetent Communicatorとはページ数でずれがあるかもしれません。)

トーストマスターズの教育体系全体像を知りたい。
58ページをご覧ください。

各Award(CC,AC-B, AC-S, AC-G1, CL, AL, DTM)の要件を知りたい。
59ページをご覧ください。(2003年度版は、まだCTM, ATM-B, ATM-S, ATM-Gとなっています。)

Prepared Speaker(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
63ページをご覧ください。ところで読んでいて新たな発見をしました。ここにスピーチが終わってから自席に戻るまでのお作法が書かれています。へー知らなかった。読んでみるもんだ。"When finishing your speech, wait for the Toastmaster(TMOD) to return to the lectern, then return to your seat."

Evaluator(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?63ページをご覧ください。

Timer(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
64ページをご覧ください。

Table Topic Master(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
65ページをご覧ください。ここには、Table Topics セッションの目的、やるべきこと、やってはいけないこと、テーブルトピックセッションのアイデアについての説明があります。

General Evaluator(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
65ページをご覧ください。ここでおもしろいことが書かれていることを見つけました。You are responsible for the evaluation team, which consists of timer, grammarian, ah-counter, Table Topics evaluator if your club has one. つまりGeneral Evaluatorは、Evaluation teamを率いているのです。さらに読むと、TMODとGEの役割分担についても明確に書かれています。なるほど、この通りにやればTMODの負担は減るのかと感心しました。そういえば、上海のPuDong Toastmasters Clubを訪問した際に彼らはEvaluation teamとして動いていたな。Timer, Grammarian, Ah-counterの紹介はTMODではなくGEが行っていたことを思い出しました。彼らは、ここを根拠としてやっていたわけです。えらいぞ!PuDong TMC!! 基本に忠実!!!

TMODあるいはToastmaster(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
66ページをご覧ください。

Grammarian(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?
67ページをご覧ください。

Ah-Counter(どのように準備するか、どのように演じるか)について知りたい。どんな本を読めばよいか?68ページをご覧ください。

クラブ役員(Club Officer)の役割について知りたい。President, VPE, VPM, VPPR, Secretary, Treasurer, SAA, Immediate Past Presidentは何をやればよいのか?
68から70ページをご覧ください。ただ、Toastmaster経験が浅いと、ここに書かれている文字情報が具体的なイメージを伴って思い起こすことは難しいと思いますので、さらなる詳細はクラブの経験者に聞いたほうが良いでしょう。

Prepared Speakerなどの役割を失敗なく果たすにはどうすればよいか?
71ページをご覧ください。www.toastmasters.orgにもある重要なTIPSですね。これは、Basic Manualだろうと、Advanced Manualだろうと、どんなスピーチをやる場合でも有効な基本中の基本です。

スピーチの題材として何を選んだらよいのかわからない。
72ページをご覧ください。参考になります。

テーブルトピックにうまくこたえるにはどうしたらよいのか?
72ページをご覧ください。これを読んだからと言って即うまくなるわけではありませんが、日々何に気をつけていけばよいかがわかります。

TMODとしてスピーカー(Prepared)を紹介するよいやり方が知りたい。
73ページをご覧ください。ここには、スピーカーを紹介する悪い例とすばらしい例があります。こんなすばらしい紹介が毎回の例会で聞けたら、そのクラブの例会のクオリティは恐ろしく高いと思いました。

TMODとしてスピーカー(Prepared)がスピーチを終えた後で何を言えばよいのか知りたい。
73ページをご覧ください。大事なことです。

Basic Manual(基本マニュアル)が終わった後の、Advanced Manual(上級マニュアル)にどんなものがあるか知りたい。
75ページをご覧ください。これは本当によくある質問です。そして答えはこんな身近なところにあるのです。

Basic Manualは、Prepared Speechをやるためだけのマニュアルではなく、このマニュアルを終了するまでに身につけておくべき知識がきちんと無駄なく記されています。
ですから、このマニュアルをしっかり読みこなして正しい知識をつけるということは、それぞれのスピーチプロジェクトに取り組むのと同じくらい大事なのです。

今回、Basic Manualのあまり読まれない「付録」の部分を読み直して、このマニュアルの価値、そして基本の大切さを改めて痛感いたしました。

| | Comments (1)

第67話:台湾のトーストマスターたちに会ってきます(7月11日)

明日7月11日からから15日まで台湾出張です。明日の18時から台北市内のレストランで台湾のトーストマスターメンバーとの夕食を共にすることになりました。
昨年3月に訪台してから一年ぶりの台湾ですが、前回はトーストマスター色のまったくなく、有名な台湾のトーストマスターズの方々にあえずでちょっと心残りでした。
今年はちょっと学習しまして、事前に私の訪台を伝えて食事を一緒にすることになりました。もともと、それほど親しい人が台湾にいるわけではありませんので、District67のWebサイトから、日本語クラブを見つけて、私の出張スケジュールにあいそうな太平洋国際日本語演説会平和国際日本語演説会を見つけ、会長さんにメールを書いたというわけです。
両方とも例会が土曜日なので、15日土曜日15時の便で帰国する私のスケジュールでは例会出席は無理です。そこで会食を提案したら快諾されたわけです。
Webサイトをみると、台湾の日本語クラブは特別例会で詩吟練成会という非常に高度で洗練された活動をされているとのこと。(上のクラブ名をクリックしてぜひすばらしいWebサイトをご覧ください)どんな出会いが待っているか?

折りしも台湾は気象的にも嵐の予報。昨年マレーシアのD'Utama Advanced Club(Kuala Lumpur)を訪問したときも雷雨でしたので、今回も何かが起こる予感がします!
待ちきれない。

| | Comments (1)

第66話:大爆笑のボイストレーニング

大和バイリンガルトーストマスターズクラブでボイストレーニングを行いました。爆笑に次ぐ爆笑でとても楽しいトレーニングとなりましたので、報告いたします。皆さんが、ご自身のクラブでトレーニングを計画される際の参考になれば幸いです。

日時:2006年7月8日(土)14:00-14:30(30分間、通常例会の一部として実施)
場所:大和市生涯学習センター
講師:不肖 わたくしめでございます。
資料:「VoiceTrainingMaterial.pdf」をダウンロード
トレーニングの形式は、参加者からボランティアを募ってステージに来てもらい例文を様々に声を効かせて読み上げてもらうという形式を取りました。

下記は私がトレーニング中に使った資料の解説です。この資料はパソコンにあり、プロジェクターを使って投影して行いました。

以下、スライドごとにどのようにプレゼン、トレーニングをしたかの説明です。上のリンクから資料をダウンロードしてあわせてご覧ください。

Voice Training (声を豊かに) (スライド1)
楽しくトレーニングのタイトルを読み上げました。「楽しい」トレーニングを心がけましたので、すべてにおいて「楽しさ」を表現しました。

本日のトレーニングを受けると、、、 (スライド2)
トレーニングの効果を明確に宣言します。ここは楽しく大きく言うことが大事です。
「一ヵ月後に声が出ます。」よりも、「二ヵ月後にもっと声が出ます。」を大きな楽しい声で。
「一年後にもっともっと声が出ます。」はさらに大きく楽しい声でいいました。つまりだんだんクレッシェンドしていくのです。大げさに言ったので参加者にちょっとウケました。(ウケると嬉しい)

約束 (スライド3)
参加者に「小学生になること」を約束してもらいました。これでいっそうトレーニングが和やかな雰囲気になりました。「小学生になる」ということで、参加者の心のバリヤーがなくなったように思いました。

トレーニングの構成 (スライド4)
最初に全体を見せることは大事ですからね。

なぜ声が大事なのか? (スライド5)
アルバート・メラビアンが1971年に発表した論文からの引用です。私から参加者へのメッセージは、「スピーチを構成する①身振り手振り(55%)、②そして声(38%)が、③メッセージ(何を言うか?7%)とうまくシンクロしないと、自分が期待したようには聴衆にいいたいことが伝わらない。だから自分の声をコントロールすることは重要である」というものでした。更に追加で、この論文は「派手な身振りや声」を推奨しているものではないことも述べました。

練習:自分の声を知る (スライド6)
いよいよ練習が始まる開始宣言です。

1.つまらなさそうに話す (スライド7)
「さぁ、みんな!はじめるよ。だれか前に来てやってくれる人!」と小学校の先生の真似をすると、小学生になりきった参加者がいっせいに手を上げてくれました。これは嬉しかったです。「小学生になること」という約束を守ってくれたからです。ここからは、前に出て実演してくれる人を小学生のように「○○ちゃん」「○○くん」と呼んだのも楽しいムード作りに拍車がかかったと思います。さて、いちばんバッターは、じつにつまらなさそうに読み上げてくれました。参加者は大爆笑。

2.真ん中の床を向いて話す (スライド8)
これは視線を床におとして話すというものです。次にやってくれたメンバーは床を見ながらうまくこの英文を読み上げてくれました。いい感じです。

3.口を小さく開けて話す (スライド9)
次にやってくれたメンバーも、小さな口でぼそぼそと、「私たちはトーストマスターズの、、、」と元気なくやってくれました。そうそう、私の期待したとおり!

4.早口で話す (スライド10)
次は、アメリカ人のメンバーが前に来てくれて、ものすごいスピードで読んでくれました。拍手喝さいでした。

5.うつむいて原稿を読みながら話す (スライド11)
次は、日本人メンバーによるタイマーズレポート例ですが、私が狙ったとおり自信が無さそうにつっかえながら読んでくれました。グッドジョブ!

6.難しい文章を話す (スライド12)
スピーチコンテストルールの日本語訳です。かなり硬い訳文になっているので声に出して読むのにはなじみません。つぎの発表者もつっかえつっかえ私の狙ったとおりにやってくれました!ファンタスティック!

声を貧弱にする方法 (スライド13)
さて、ここで種明かしです。すでにここまでしつこく見てくると参加者も気がついているのですが、わざと声を貧弱にする方法をやってみたことをあらためて種明かしし、「こういう方法でやれば、スピーチでは豊かな声が出ない事」を自分自身の体験と照らし合わせて理解していただきました。

さまざまな技法 (スライド14)
ここでの私のメッセージは、「声を貧弱にする逆の方法をやれば声は出るようになる」というものです。ですから貧弱にする方法と対比させながら声を豊かにする方法を理由と共に提示しました。

1.楽しそうに話す (スライド15)
ここから、もういちどさっき出てきた発表者に同じ題材を、さっきとは逆のやり方でやってもらいました。さっきはわざとつまらなさそうでしたが、今度は実に生き生きとやってくださいました。この文章はThe Mission of the Club(クラブの使命)ですが、とかく無味乾燥になりがちな文章を情景が目に浮かぶような素晴らしい読み上げで参加者からも拍手喝さい。私もおもわず「皆さん、これがボーカルバラエティです」と叫んでしまいました。

2.聴衆の目を見て話す (スライド16)
さっきよりちょっと良い感じとなりました。ここでの私のメッセージは、「聴衆は皆さんの敵ではない。聴衆一人一人の目を見てスマイルを送れば必ずスマイルが返ってくる。だからスマイルを浮かべる事を恐れないでどんどんスマイルしてください。」です。これはトーストマスターズでの過去6年の私の経験からのメッセージです。

3.口を大きく開けて話す (スライド17)
これをやってくださった方もすばらしい声のコントロールで、文章の中にうたわれた「大樹が育っていき、さらにその下に人々が集う様」が目に浮かぶかのように読み上げてくださいました。発声法をちょっと変えるだけでこれほど変わるのかという良い例でした。

4.ゆっくり話す (スライド18)
ゆっくりと話すことで、この文章の構成がよりはっきりし生き生きとよみがえってきました。

5.顔をあげて原稿から離れる (スライド19)
タイマーズレポートは、原稿(メモ)を読み上げるため、喉を圧迫し詰まった声になりがちなのですが、この発表者は顔を上げることで声がよりよく通る事をうまく証明してくれました。ナイス!さらに、日本人が英語の数字を読み上げる際に間違いやすい、13と30、14と40、15と50、16と60、17と70、18と80、19と90についてもフォーカスしました。ここも自信がつくまできっちりと練習しておけば堂々と発声することができます。

6.簡単な文章を話す (スライド20)
スピーチコンテストルール日本語訳を、より口語に近い形で書き直しました。面白かったのは、この発表者はさっきよりも軽がると読んでいたことです。文章が難しいと、どうしても脳がその文、その単語を解析するためそちらに気を取られて声に対するエネルギーが失われます。
「スピーチの原稿を書き上げたら、なんともなんども実際に声に出して読んでみて、声に乗りにくい言葉はどんどん簡単な言葉に置き換えていく。簡単な言葉は発音しやすい。発音しやすいと、声をコントロールする余裕が生まれ、豊かな声でメッセージを届けることができる」という私が体験的に学んだ事を説明いたしました。

まとめ (スライド21)
ここは、これまでの総括です。声が出ない、声に幅がない人にとってのメッセージです。

「チャレンジ!」 (スライド22)と「答え」 (スライド23)
この意図はTMODになった際に発表者を呼び出す際のせりふを明るくはっきりと行うための練習です。
Please join me in welcoming ABC to the lectern.をきちんと覚えていない人は、「Please join me....... あれinだったかな? toだったかな?」と悩んでしまい自信がないためついぼそぼそとなってしまいます。このせりふをきちんと覚え、楽しそうに、急がず、はっきりと元気よくやるための例題です。

Monotonous?/無味乾燥? (スライド24)
私の持論は、「トーストマスターの例会は、どこをとってもトレーニングである」です。
ですから
- Secretary's Reportであっても、
- Treasurer's Reportであっても、
- Business Portionであっても
- Grammarian's Reportも
- さらにはTimer's Reportであっても
Vocal Varietyをフルに使って楽しくやる事を課題にすれば、自分の声の技術を向上させ、ひいては例会を楽しくすることができるということをメッセージとして伝えました。

------------------------------------------
★企画の意図

最初は、「井上さんに学んだVoice Training」をやろうと思ったのですが、30分しかありません。「井上さんに学んだVoice Training」は、あえて恥ずかしい事をバカになってやることで、私たちのマインドセットの変革を起こし声を出なくしている障害を精神的にも物理的にも取り除く事を目的としています。ですから時間がかかります。30分でこれをやってもマインドセットの変革が起こらず不消化のまま終わってしまい、参加者には欲求不満だけが残ってしまいます。

30分という制約の中で行うには、参加者がすでに体験的に知っていることに焦点を当てそれを極端に誇張して見せることで、参加者自身に気づいてもらうしかないと思いました。そこで、わざと「声を貧弱にする方法」を最初にやってみて、共感していただいたところで、あらためて、その逆こそが「声を豊かにする方法」であることを見せることにしたのです。

いきなりスキルのトレーニングに入る前に、私たちの心の中にあるものが、障害になっている事にまず自分自身が気づくことが大事かと思い、このようなトレーニングとしました。滑舌の練習などはその後でも良いと思います。

同じことはテーブルトピックのトレーニングにも言えます。まずスキルではなく、「テーブルトピックスは知識を披露する場ではない」「テーブルトピックに失敗してもすぐに忘れよう。」というメンタルな部分に光をあてて参加者の武装解除することが大事と思っています。その後、「時系列展開」や「PREP」といったスキルトレーニングに移っても遅くはありません。

なにはともあれ、「健康的な笑い」に包まれて実に楽しいトレーニングでした。

なお、今回のワークショップの企画にあたりプロのコミュニケーショントレーニングのスペシャリストである「Breathtaking Beauty」小林さん(青山ランチTMCのVPE、2006年7月現在)に、大変お世話になりました。ありがとうございました。

| | Comments (0)

第65話:Vocal Variey(声を豊かに)

井上さんのVoice Trainingの話を以前に書きましたが、このトレーニングを受けて、自分のクラブで真似してやってみたりするうちに、じわじわとスピーチの声が改善されてきました。それとともに、聴衆とのアイコンタクト(視線を合わせる)も怖くなくなったり、レクターン(演壇)を離れることも怖くなくなったりと、人前で話すことに対する恐怖心もなくなってきました。

声の改善が先だったのか、それとも他の事が先だったのかは、今となっては良く覚えていませんが、色々な恐怖心がなくなると、声に対する注意力も更に増し、「こうやって表現してみよう」という具合にいろいろな表現を加えて遊んだり楽しんだりすることもできるようになって来ました。行ってみればスキルアップの好循環が起こったのです。(まだEvaluationやTable Topicsではできないので、そこは今後の課題です。)

Basic Manualで、Vocal Varietyに取り組んでいる人のスピーチでよく聞くのが、スピーチのオープニングで、積極的に会話を入れて、一人二役をやったりと声に対する工夫のある展開です。これはとてもよいと思います。しかし、スピーチが進んで結論あたりになってくると、声も一本調子になってきて原稿を読んでいるかのようになってきて明らかに失速するパターンをよく見かけます。かく言う私もVocal Varieryに取り組んだときは、Vocal Varietyっていったいどういうことなのか良く分からずに、同じように失速してEvaluatorの方に「ちょっと単調だった」といわれ後味の悪い思いをしたものでした。

ところで、Vocal Varietyになると、決まって思い出す話があります。

学生時代にクラシックギターをやっていた私は、あるとき別の大学のギタークラブのコンサートを聴きに行きましたが、そのクラブのバッハの合奏にびっくりしました。ピアニシモの静かな音が客席まできちんと豊かな表現力をもって飛んできたのです。そしてフォルテの大きな音は実に力強くしかし繊細に。

「ピアニシモ=弱い音、フォルティシモ=強い音」と単純に考えていた私は、このギタークラブの「力強い豊かなピアニシモ、繊細なフォルティシモ」に本当に目から鱗が落ちる思いでした。さらに、最初から最後まで音の強さ、弱さだけでなく、音色、間、スピードなど変幻自在に、単調になることなく気配りのある演奏でした。

スピーチは、音楽同様Performing Artですから、同じことが言えると思います。Vocal Varieryの目指すところは、スピーチ全編に対して内容にあわせて声を使い分けるということなのです。声も、顔の表情や身振り手振りのようにスピーチの表現力を増すために使えるツールなのですから。

私が2001年に初めてBasic ManualのVocal Varieryに挑戦したときは、後半一番大事な結論の部分にまったくVocal Varirtyが使えていませんでした。これは多くのBasic Manual挑戦中の仲間にいえると思います。

最初よりもむしろメッセージを伝える大事な部分に話が移ったときにこそVocal Varieryを最大限使って彩りのある話をすることで、より効果的にスピーチが伝わるのだと思います。

今回、全日本のコンテストで優勝して、ひとまず日本語スピーチでのVocal Varietyにはあるところまでたどり着いた気持ちを持っています。もちろんまだ山登りの途中で、やることは多いです。しかし、ひとまず私の中間試験の答案として、5月13日のAll Japanでやった「ロボットたちの反乱」をVocal Varietyからみつめなおしたスピーチの設計書をここに上梓いたしました。ぜひ拝見され、いろいろと意見を交換できればと思います。

よろしくお願いいたします。

「ロボットたちの反乱スピーチ設計書:robot_vocal_Variety.pdf(PDF形式、294KB)」を開く

 

| | Comments (1)

« June 2006 | Main | September 2006 »