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第65話:Vocal Variey(声を豊かに)

井上さんのVoice Trainingの話を以前に書きましたが、このトレーニングを受けて、自分のクラブで真似してやってみたりするうちに、じわじわとスピーチの声が改善されてきました。それとともに、聴衆とのアイコンタクト(視線を合わせる)も怖くなくなったり、レクターン(演壇)を離れることも怖くなくなったりと、人前で話すことに対する恐怖心もなくなってきました。

声の改善が先だったのか、それとも他の事が先だったのかは、今となっては良く覚えていませんが、色々な恐怖心がなくなると、声に対する注意力も更に増し、「こうやって表現してみよう」という具合にいろいろな表現を加えて遊んだり楽しんだりすることもできるようになって来ました。行ってみればスキルアップの好循環が起こったのです。(まだEvaluationやTable Topicsではできないので、そこは今後の課題です。)

Basic Manualで、Vocal Varietyに取り組んでいる人のスピーチでよく聞くのが、スピーチのオープニングで、積極的に会話を入れて、一人二役をやったりと声に対する工夫のある展開です。これはとてもよいと思います。しかし、スピーチが進んで結論あたりになってくると、声も一本調子になってきて原稿を読んでいるかのようになってきて明らかに失速するパターンをよく見かけます。かく言う私もVocal Varieryに取り組んだときは、Vocal Varietyっていったいどういうことなのか良く分からずに、同じように失速してEvaluatorの方に「ちょっと単調だった」といわれ後味の悪い思いをしたものでした。

ところで、Vocal Varietyになると、決まって思い出す話があります。

学生時代にクラシックギターをやっていた私は、あるとき別の大学のギタークラブのコンサートを聴きに行きましたが、そのクラブのバッハの合奏にびっくりしました。ピアニシモの静かな音が客席まできちんと豊かな表現力をもって飛んできたのです。そしてフォルテの大きな音は実に力強くしかし繊細に。

「ピアニシモ=弱い音、フォルティシモ=強い音」と単純に考えていた私は、このギタークラブの「力強い豊かなピアニシモ、繊細なフォルティシモ」に本当に目から鱗が落ちる思いでした。さらに、最初から最後まで音の強さ、弱さだけでなく、音色、間、スピードなど変幻自在に、単調になることなく気配りのある演奏でした。

スピーチは、音楽同様Performing Artですから、同じことが言えると思います。Vocal Varieryの目指すところは、スピーチ全編に対して内容にあわせて声を使い分けるということなのです。声も、顔の表情や身振り手振りのようにスピーチの表現力を増すために使えるツールなのですから。

私が2001年に初めてBasic ManualのVocal Varieryに挑戦したときは、後半一番大事な結論の部分にまったくVocal Varirtyが使えていませんでした。これは多くのBasic Manual挑戦中の仲間にいえると思います。

最初よりもむしろメッセージを伝える大事な部分に話が移ったときにこそVocal Varieryを最大限使って彩りのある話をすることで、より効果的にスピーチが伝わるのだと思います。

今回、全日本のコンテストで優勝して、ひとまず日本語スピーチでのVocal Varietyにはあるところまでたどり着いた気持ちを持っています。もちろんまだ山登りの途中で、やることは多いです。しかし、ひとまず私の中間試験の答案として、5月13日のAll Japanでやった「ロボットたちの反乱」をVocal Varietyからみつめなおしたスピーチの設計書をここに上梓いたしました。ぜひ拝見され、いろいろと意見を交換できればと思います。

よろしくお願いいたします。

「ロボットたちの反乱スピーチ設計書:robot_vocal_Variety.pdf(PDF形式、294KB)」を開く

 

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Comments

始めまして、ムライナと言います。

スピーチ設計書、拝見しました。コンテスト優勝レベルの人はこんなに細かく声に気を遣っているのですね。非常に参考になりました。ぜひ、自分でも取り入れさせてもらおうと思います。

見せていただきありがとうございました。

Posted by: ムライナ | September 21, 2013 at 07:10 AM

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