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May 2007

第103話:刑務所の中のトーストマスターズクラブ

何年か前のToastmasterマガジンでToastmasters in prison(刑務所の中のトーストマスターズクラブ)について読んだことがあります。興味をそそられたので、さらなる情報を求めてWebで検索したところ全米で60の刑務所にクラブがあるとの記事を見つけたことがあります。(本日同じ記事を探したのですが、見つけることはできませんでした)

いずれも受刑者の出所後の更正のための教育活動の一環として、近隣のクラブが刑務所を訪問して中にあるクラブのサポートをしているのだそうです。

さて、5月号のToastmasterマガジンに再び刑務所のクラブの話が出ていますね。

  • 5ページにある「Live and Learn」
  • 17ページにある「Speech Craft Participants Thrive in County Jail」

受刑者たちを恐れてサポートに行かないメンバーもいる中、「Many of our foks housed in this building are good people that made bad choices.」と受刑者を人間として真っ直ぐ向き合ってサポートしている人の存在には胸を打たれました。

罪を憎んで人を憎まず。

刑務所内のトーストマスターズクラブ例会で、自分の話をして、人の話を聞いて、初めて真剣に聞いてもらえて、そして何よりも生まれて初めて他人に認めてもらって泣き出す受刑者もいるという記事を過去に読みました。そこから心を開いて立ち直っていく人が多いのだそうです。

日本にはまだ存在しない刑務所内のクラブですが、いつか機会があれば貢献してみたいです。

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第102話:Subsidiary Motionの誘惑

久しぶりに、Parliamentary Procedureの話です。

よく、クラブの例会やディストリクトの総会で、Motion(Main Motion)があがります。それに対して別のメンバーがそのMotionの文言を変更する「Amend」というMotion(Subsidiary Motion)をあげたときの処理の仕方ですが、慣れていないとよく罠にはまってしまいます。

このAmendというMotionはあくまでMain Motionの中の語句の変更を提案するものであるため、Amendmentが承認されたとしても、もともとのMain Motionが承認されたことにはなりません。

この仕組みが、「絵」として頭の中に描けていないと、Amendmentが承認された段階で、「やれやれ」とまるでMain Motionが承認されたような気持ちになってしまいます。Parliamentary Procedureが良くわかっている人がその場にいれば、すかさず「Point of Order(議事進行規則違反)!」が飛びます。

実際の例で見てみましょう。

  1. President : "Is there any new business to come before this meeting?"
  2. Member #1 : Raises his hand to seek recognition.
  3. President :  Recognizes member
  4. Member #1 : "I move that our club buys lunch boxes for all club officers."
  5. Member #2 : "Second."
  6. President : "A motion has been made and seconded that our club buys lunch boxes for all club officers. Is there any discussion?"
  7. Member #3 : "I move to amend by striking out lunch boxes and inserting biscuits ."
    Member #4 : "Second"
  8. President : "It is moved and seconded to strike out the words lunch boxes and insert the word biscuits. If the motion is adopted, it will read that we buy biscuits for all club officers. The question is on the amendment to strike out lunch boxes and insert biscuits. Is there any discussion?" (No answer.) “If not, are you ready for the question?” (Still no answer.) “All those in favor of the amendment, say aye.” (Pause) All opposed say no.” (pause) The ayes have it, the motion carries. 
  9. President : Now the main motion is amended, and the motion is now that we buy biscuits for all club officers."
  10. President : "Is there any discussion?"
  11. President : "Is there any further discussion? (No answer.) If not, are you ready for the question?” (Still no answer.) The motion is that we buy biscuits for all club officers. All those in favor say aye. (Pause) All opposed say no. (pause) The ayes have it, the motion carries. We will that we buy biscuits for all club officers.

いかがでしょうか?赤い字の7,8の部分がMain Motionに対するAmendmentの提案です。Main Motion(主動議)に対してSubsidiary Motion(付帯動議)と呼ばれるものです。

Motionの流れを要約しますと次のようになります。

  • Main Motion:I move that our club buys lunch boxes for all club officers. (私達のクラブの負担でクラブ役員にお弁当を買うことを提案いたします。)
  • Amendment Motion : I move to amend by striking out lunch boxes and inserting biscuits . (お弁当を削除して、その代わりにビスケットとする変更を提案します)==>あくまでMain Motionの語句の変更です。しかしSecondとVoteが必要です。
  • 訂正後のMain Motion : we buy biscuits for all club officers. (私達のクラブの負担でクラブ役員にビスケットを提案いたします)

Strike Outというのは文字の上に線を引いて取り消すことだそうです。で、その削除された部分にBiscuitsをInsertするイメージが描ければわかりやすいですね。

AmendmentのMotionはあくまでSubsidiary Motion。これが承認されたからといって、Main Motionまで承認されたわけではありません。Subsidiary Motionの誘惑にうっかり乗ってこの罠に陥らないように、頭の中で絵を描きながら議論の行方を見守ってみましょう。

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第101話:うれしい! うれしい! うれしい!

  • パーキンスさん:原稿を何度も見て文法チェック、良い言い回しの提案をしてくれてありがとうございます。with her eyes piercing into my soul!  最高の表現です。
  • CBさん:いつもプロの視点での建設的な提案をありがとうございました。つい勝ちを意識して変更したスピーチに対して「説教臭い!」というストレートなコメントをいただいたことも改善につながりました。ぜひまたディベートも教えて下さい。
  • ふくちゃん:東京インターナショナルクラブでの論評をありがとう。だらしない左手について言及してくれたのはふくちゃんだけでした。Body Movementの改善のヒントになりました。
  • あみちゃん:東京インターナショナルクラブでのスピーチの機会、そして超多忙な中約束どおりフィードバックをありがとう。昨年11月3日のやまのての例会で私が遊び半分でやった「養老の滝映画祭~~」のスピーチに対してあみちゃんがくれたフィードバックで、スピーチの作り方ではずしてはならないポイントについてようやくわかりました。目からうろこが落ちた思いでした。
  • いずみさん:長年のライバルですが、いつもイロイロな事を教えてくださいます。「もっとユーモアを!」「今日のスピーチは自己採点で何点だった?」「ハヘホナウ」。今回のスピーチは、ユーモアも、ハヘホナウもいっぱい入れました。
  • やながわさん:東京インターナショナルクラブでの私のスピーチの中のOver the rainbowに拍手を下さってありがとうございます。
  • Peter(上海People's Square TMC):5月15日の貴クラブの例会でスピーチをやらせてくれてありがとうございました。
  • Lucy(上海People's Square TMC):5月15日の貴クラブの例会で私のEvaluationをありがとうございました。「メッセージがぶれる」という指摘のおかげでスピーチの中のメッセージの一貫性が増しました。
  • John Warwik (上海People's Square TMC):5月15日の貴クラブの例会で私のスピーチへのフィードバックをありがとうございました。「メッセージがわからない」という正直な指摘のおかげで私の迷いが覚めました。
  • アンサドホンジョさん:4月22日のDivisionCコンテストで、スピーチの流れがわかりにくい、終わりがうるさく聞こえるとのコメントをありがとうございます。このコメントがなければ目覚める事がなかったと思います。
  • ジェイソン・ヤンさん:4月22日のDivisionCコンテストでメッセージをもっと重いものにしたほうが良いとアドバイスをしてくれました。ジェイソンのスピーチもすばらしい内容でした。
  • あさいさん:コンテスト直前にハグの練習をしようと、2002年の大阪でのスピーチコンテストのビデオを引っ張り出してあさいさんのハグスピーチを研究しました。途中で研究も忘れてスピーチに見入ってしまいました。いつも示唆に富むアドバイスをありがとうございます。
  • エリア33・ディビジョンCスピーチコンテストで私にフィードバックを下さった皆さん:皆さんの小さな一言一言が励みになり改善につながりました。
  • リンダ・ウィティッグさん:4月22日のDivision Cコンテストでのあなたの大笑いは本当に励まされました。2001年秋の横浜でのEvaluation Contestで、私のTest Speechを本当に楽しんで効いてくれてありがとう。あなたがあそこにいなければ一年程度でトーストマスターズを辞めていました。
  • 末安さん:胃の手術のあとの大変な中での応援をありがとうございました。リハビリ中の末安さんに、日本語二位のパーキンスさんともども吉報を届ける事ができまして親孝行をしたような気持ちです。
  • 和田さん、白井さん、小野さん、渡辺さん、中村さん、牛島さん、横本さん:ご多忙中に代々木まで応援に来てくださりありがとうございました。皆さんと一緒にコンテストのステージで記念写真が撮影できて最高に嬉しかったです。
  • 大和バイリンガルのメンバーの皆さん:クラブ内での練習でいろいろなコメントを下さりありがとうございました。5月12日の例会で、本当に良いコメントを頂きました。おかげさまで「A Drop of Water」スピーチをやめることにしオリジナル路線に戻す意思決定につながりました。
  • お母さん:スピーチに勝手に登場していただきました。私のことをいかに愛してくれていたか、35年以上の月日を越えた今になってようやくわかりました。今日のスピーチの最中に思い出して一瞬うるうるしてしまいました。
  • 息子達:スピーチのネタで登場してくれました。いつもネタの提供をありがとう。
  • あきちゃん:この7年間、土日の家族の行事よりもトーストマスターズを優先してごめんね。そしてわがままな夫のトーストマスターズをサポートしてくれてありがとう。

井上さんのBonji Tetteiを聞いて「こんなスピーチで聴衆を笑わせて全国大会で優勝したい。」と思ったのが2001年5月のAll Japan Speech Contest。それから6年かかって私も優勝できました。

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第100話:スピーチ健康法

どうやら「スピーチ健康法」というものがありそうです。ありそうといっても、別に本屋にそういう本があるわけでもなく、私がこれまでのトーストマスターズの経験の中で感じたことを、健康をキーワードに眺めなおしてみると、スピーチの中にはいくつも健康を増進させる要素が含まれているようです。

要素その1「笑いは良薬」
スピーチ健康法の要素その1は、楽しいスピーチをやってまず自分自身が思い切り楽しい気持ちになる事です。そうすればその楽しさは聞き手にも伝染します。笑いがとれればしめたもので、さらに自分が楽しい気持ちになる事ができます。どうせやるなら、大笑いを誘うスピーチをしたいです。

今年の春のコンテストの私の目標は「どれだけ自分が楽しめるスピーチを作れるか」にあります。スピーチを作りながら、「自分で楽しいかどうか」を常に問いかけています。楽しいスピーチは練習していても本当に楽しいです。

要素その2「大きな声でストレス解消」
楽しいスピーチができれば、自然に気持ちが前向きになり、声も出てきます。自分のスピーチを聞き手が喜んでくれているのをみれば、さらに楽しい気持ちになりサービス精神もわいてきて、良く通る声で自分のスピーチを届けたいという気持ちになります。
練習のときも、そこそこ大きな声でスピーチをし終わったときも、爽快感があります。ステージで楽しく大きな声でスピーチをし終わると、爽快感、達成感、満足感と心地よい疲労感があります。いやな気持ちがどこかに行ってしまいますね。

要素その3「身振り手振りで軽い運動
司会者から名前を呼ばれたら走っていく、スピーチの最中は手も足も顔も、体のすべてを使って楽しく表現すると、軽い運動になります。もちろん5分から7分間体を動かしっぱなしのスピーチは見ていてうっとうしいかもしれませんが、動かすときは意識的に大きな動きをするといいですね。World Championship of Public Speaking 2003 (国際大会)決勝のビデオを見ていると、コンテスタントの皆さんは実によくステージで動いています。David BrooksさんのMagic Momentsの中で、あるコンテスタントの方がステージのうえのハシゴを登って好きな女の子に愛の告白をしたときのことを表現していました。

要素その4「血液の循環」
楽しい気持ちになって、大きな声をだし、体を動かし、呼吸を活発にすると、血液の循環も活発になると思います。これはきっと健康の増進に役立つ事でしょう。

要素その5「脳の活性化」
楽しいスピーチを作る。脳が活性化します。スピーチを覚える。脳を使いますね。楽しいスピーチを演じる(話す、声を出す、体を動かす)ことも脳を活性化します。

この記事を書くにあたって「カラオケ健康法」について調べてみました。医療に携わる人たちが書かれたカラオケ健康法は根拠としてつぎのことをあげられています。

  • 好きな歌手になりきって好きな歌を歌うことで日頃のストレスを吐き出し心を浄化できる。
  • 理想的な呼吸(腹式呼吸)ができ、自律神経が調整され全身がリラクゼーション状態になる。

参考:ストレス発散だけじゃない!知って得する若返りカラオケ健康法


今年のエリア33、ディビジョンCコンテストで私は自分が楽しめるスピーチをしました。カラオケにたとえれば「あんたが大将」のように歌っていて自分も楽しめる、そんなスピーチです。

コンテストの最中、自分の番を待っている間まったく緊張がないばかりか、早くステージに上がって楽しい時間を共有したいというわくわくした気持ちでした。もちろんステージではいままでにないくらい楽しい時間を過ごす事ができました。過去のコンテストで「勝つこと」にフォーカスしていたときは、こんな気持ちになった事はありませんでした。

自分が楽しめるスピーチというのはこんな効用があるのかと本当にビックリしました。

「なぜ、スピーチをするのか?」 

「それは健康になるためです。」

こういう答えがあってもよさそうですね。

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