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第107話:The Moments of Truth

昨日、夏物の会社用のシャツにスラックスを買いに紳士服のAOYAMAに行きました。いつも思うのですが、ここは店員さんたちの接客態度が抜群によいのです。まず元気。笑顔。そして礼儀正しい。採寸してもらおうと声をかけたら、元気に「かしこまりました!」と笑顔で走ってきてくれます。「これと同じでこのサイズはないですか?」と聞いたら、「少しお待ちくださいませ。今、在庫を確認してまいります。」と言うが早いか二階への階段をダッシュで駆け上がっていってくれ、そんなに待たせず「お客様、こちらはいかがでしょう?」と玉のような汗としかしさわやかな笑顔で戻ってきました。ここまでされたら、「ここで買おう!」と思いますよ。まさにそのときに、The Moments of Truthという言葉を思い出しました。

The Successful Club Seriesというリーダーシップ養成のワークショップシリーズの中にThe Moments of Truthというモジュールがあります。ゲストがクラブを見学に来て「このクラブに決めた!」と入会を決断する際にクラブのどこをみて入会の意思決定をしているのかという観点で、今の自分達のクラブの健康状態を司会者と一緒に考えていくワークショップです。じっくりやれば1~1.5時間かかるワークショップですので、通常例会ではなかなかじっくりと取り組めていないのが実情かもしれません。あるいは思い切り短縮してやっているかでしょう。

6年ほど前、厚木座間クラブPresidentになってクラブのライブラリーの中にこのThe Moments of Truthを見たときには、「なるほど、趣旨はわかったけど、何でThe Moments of Truthというのかな?そもそも真実の瞬間の、真実ってなんだ?」と不思議に思っていました。

その後も何度かこのワークショップを受講する機会がありましたが、The Moments of Truthという言葉に引っかかってしまって、ちょっとした学習障害を起こしていましたが、3年ほど前に横浜クラブの安部さんが日本語でこのワークショップをしてくださった際に、なぞが解けました。

この言葉の原点は、1989年に出版された「The Moments of Truth(邦題:真実の瞬間)なのだそうです。1980年代に経営危機に陥っていたスカンジナビア航空(SAS)を社長として救ったヤン・カールソン氏の著書で、いわく「顧客にサービスを提供する現場の従業員の最初の15秒間の接客態度が、企業の成功を左右する」。

ね?まさにToastmastersThe Moments of Truthワークショップの言わんとすることとぴったり一致してくるでしょう? Toastmastersについての理解もVisionMission Statementという原点をきちんと押さえられた安部さんを尊敬しておりましたが、こちらのワークショップに取り組む際もここまでさかのぼられたことにますます尊敬の念を深く持ちました。)

さて、話をもどしますが、このThe Moments of Truthという言葉を先日会社のアメリカ人と話している際に使ってみたら、彼はあたかも日常語の様に理解しましたのでアメリカでは、The Moments of Truthは顧客がサービスを受けようと決める決定的瞬間と普通に理解されているのかもしれませんが、日本ではまだこの言葉が常識になっていないため、トーストマスターズでも「???」のままのワークショップが始まり、終わってみて「で、結局なぜThe Moments of Truthなの?」という疑問が残ったままとなっているのかもしれません。

実は今回のこの記事を書く動機になったのも私のクラブのある会員さんからの「The Moments of Truthって何?」という質問からでした。

ですから、もしクラブであるいはトーストマスターズのイベントでこのThe Moments of Truthをやる際に、スカンジナビア航空の話から入ると「なるほど!」と聞き手の皆さんも腑に落ちていただいて理解も深まるかもしれません。

最後に、このワークショップのやり方の工夫として3~4年前に面白い話を聞きました。湘南トーストマスターズクラブでは、新・旧のOfficerの引継ぎの際にこのワークショップを使ってじっくりと現在のクラブの健康状態を確認し、さらに健康になる方法を新・旧Officerで引き継ぎながら知恵を絞っているそうです。さすがにDSPで毎年高位にランキングされているクラブは違うなと感心しました。(湘南トーストマスターズクラブは、クラブ運営に関しては知恵の宝庫ともいえるくらいすばらしい、しかし理にかなった運営を毎年行っています。これについてはまた別の機会に譲ることにいたします。)

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Comments

私はディスカッションリーダーの中でこのワークショップをしたことがありますが、その時論評者の方が、この「真実の瞬間」の本を引用されて論評されていて、ここからこの言葉が来ているのか、と知らされたことがあります。ビジネスマンにとっては必読なのでしょうね。奥が深いです。

Posted by: H2O'hara | June 21, 2007 at 01:16 AM

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