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第145話:Simply Amazing! (敗者のいない世界)

サンフランシスコから成田へ向かう飛行機の中でいろいろなことを振り返っています。

Annual Conventionに参加するまでは、「もしInter-District Bコンテストで優勝できなかったら、さぞかし帰国便は惨めな思いでいっぱいだろう。負けたくない。」と考えていました。

しかし、8月14日の夜にInter-District Bで「タイムオーバーによる失格」というスピーチコンテストの失敗の中でも最悪の部類に入る大失敗をした直後から、たくさんのトーストマスターたちと話をしていろいろな考えがあることを学び、さらに8月15日から19日までグランドオープニング、キーノートスピーチ、ゴールデンギャベルランチオン、ワークショップ、インターナショナルディレクターの選挙、年次総会、Hall of Fame, World Championship of Public Speaking, President's Dinner Danceというさまざまな催し物と、そこに参加しているトーストマスターたち、さらにこのコンベンションを支えた裏方のDistrict 3の人たち、WHQの人たちと実際に話をして、今はまったく生まれ変わったようなもっとスピーチをやりたい、自分が得たものを皆さんと共有したいすばらしい気持ちです。

8月12日にフェニックスのJW Marriottホテルに到着したときにロビーで大町さんと滝本さんがD80(Singapore, Thailand, Hong Kong, Macau)の前DGと今期DGと話をしているところに偶然通りかかりました。大町さんがD80のガバナーさんたちに私を「Inter-Districtのコンテスタントだ」と紹介してくれました。D80とはInter-Districtでぶつかる運命です。

しかしそれを聞いて彼はにっこり「Never Mind, we are a family.」といってくれました。ここでちょっとInter-Districtに対する見方が変わりました。

Inter-District Bに参加するまでのスピーチの練習の中で、自分自身が驚くほどPositiveに変わったことに気がついていました。「災い転じて福となす」ように何でも前向きに捉えられるようになったのです。

コンベンションでトーストマスターズの真髄に触れてさらにすごいことを発見しました。トーストマスターズはWin-Loseという組織ではない。本当にWin-Winの組織なのだということです。それを感じたのが、Hall of FameでのChris Fordの言葉です。「2006-2007はDistinguished Districtが51も誕生した。 2007-2008は全部のDistrictがすべてDistinguished Districtを取れるようにがんばろう!」 これを聞いて「これか!」と思いました。トーストマスターズのDistinguished Club, Area, Division, Districtのプログラムは競争ではないのです。競争にはWinLoseがあります。しかし、このプログラムは競争ではない。みんなでがんばってWinしていい気持ちを味わおう!それだけなのです。5点取ったらよかったね! 7点取ったら更によかったね。9点取ったらすごいね。他のクラブとの競争ではなく、一年間がんばった自分たちがいい気持ちになる。そしてがんばったほかのClub, Area, Division, Districtと達成感を味わう。世界にある51のDistrictDistinguished Districtをとった2006-2007ってすごいね。トーストマスターズってすごいね。それを味わって幸せになる。それだけです。Loserのいないポイントシステム。

International Directorの選挙で、大差をつけられて当選できなかった候補者がいました。あとからこの候補者が所属するDistrict Governorに聞いたら、非常に落胆していたそうですが、すぐに気持ちを切り替えて立ち直ったとのことでした。さらに当選した候補者が就任演説でこの候補者のところに来てお礼をいっていたことに感動しました。

そもそもAnnual Conventionというのは世界の中でももっともPositiveな人たちが集まっていますからあちこちにスーパーポジティブな気持ちが充満しています。世界中のDistrict Governorたちと、さらにインターナショナルディレクターたち、その候補者たちと話をして、話を聞いているうちに、自分もいつかそのポジションで貢献したいという気持ちが心のそこからわいてきました。(今の私の優先順位はスピーチコンテストですから、その後にかならずやりたいです。得たものをお返しする。)

Inter-District Bの準備の中で、「自分が最高のスピーチをしても、一緒に闘った人がさらによいスピーチをすれば勝てない」ということはわかっていました。今回の私のスピーチは2ヶ月悩んだり楽しんだり試行錯誤して作り上げたものです。さらにプレゼンとしては初めてのインターナショナルな聴衆を相手にやったものとして、まちがいなく自己ベストだったでしょう。タイムオーバーで失格したけれども、自分の気持ちとしては負けたという惨めな気持ちはまったくありません。ここにもWinはあるけどLoseはない。

一緒にInter-District Bに出場したRoyston FernandesD70, Australia)と18日の夜に一緒に夕食を食べました。彼はInter-District出場3回目のD70で最強のスピーカーです。彼からいろいろな話を共有してもらいました。私のヒーローの一人であるJ.A. GamacheWorld Championship of Public Speakingの常連)は昨年Areaのコンテストでタイムオーバーで失格だったそうです。Inter-Districtコンテストが終わって、失意の中でロビーを歩いているとあるおじさんと目が会いました。そのおじさんが「いいスピーチだった。」と誉めてくれました。目の前にいるそのおじさんと2日前にDVDで見たあるコンテスタントのイメージが重なりました。その瞬間私は思わず「J.A.Gamache!」と叫んでしまいました。私のヒーローが目の前にいる。そのヒーローに誉められた。そこでおそらく失意から立ち直れたのだと思います。 

タイムオーバーで失格したすばらしいスピーカーは何人もいる。J.A. Gamacheもその一人です。しかし彼らはそこから学んでそれを乗り越えて、Regional Contestを突破し、あるいはInter-Districtを突破し、Finalに来ている。

Roystonは「東はここで学んだからさらに強くなるよ。」といってくれました。そしてさまざまなことを共有してくれました。そう言うRoyston自身もさらに強くなるでしょう。

Inter-District Bの今年の優勝者である南アフリカのDouglas Krugerは、Finalでものすごくよいスピーチをしました。彼は3番目のスピーカーでしたが、3人聞いた後の感触で私は、彼は絶対にベスト3に入ると思いました。しかし結果、彼は入賞しませんでした。終わってからDouglasのところに行きました。私を見て微笑んでくれましたが、今まで見たことのない弱弱しい微笑みでした。その彼を見ながら「俺も来年戻ってくるから、Dougも戻って来いよ。」と言葉をかけました。彼はおそらく来年さらにパワーアップして戻ってくるでしょう。彼も決してLoserではない。正々堂々とすばらしいスピーチをしました。

2006年にWorld ChampionになったEd Hearnは弁護士になるための試験を6回失敗して7回目に合格したのだそうです。明るい気持ちを持ち続けて決してあきらめなかった。これを最終日8月19日の最後のWorkshopEd Hearn自身から直接聞けたのは本当によかった。

10時間の飛行を終えて成田に着きました。今成田エクスプレスの中にいます。

今回ある方のご好意で名刺を280枚作っていただきました。残りが70枚ですから、210枚配ったことになります。今、手元に67枚の世界中のトーストマスターたちの名刺があります。ドバイ、クウェート、ナイジェリア、チェコのメンバーの名刺もある。一枚一枚に思い出があります。名刺交換した状況がくっきりよみがえってきます。

再びコンテストの話です。(私はしつこい性格なので)

自分は勝てなかったが負けたのではない。だからしつこく続けよう。コンベンションの常連から「また来た!」とあきれられるくらい。このPositiveWin-Winなトーストマスターズの中でもっと勉強して研鑽して技量をたかめていきたい。それをあきらめたとき、学ぶことをあきらめたとき、そのときが負けなのだ。

5日間で自分がこんなに変わるなんてまさにSimply Amazing!な経験です。

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