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第166話:セックスと政治と宗教と

質問です。

「トーストマスターズインターナショナルは、セックス、政治、宗教をスピーチのトピックとして取り上げるのを禁止している。」

YESでしょうか? NOでしょうか?

答えはNOです。トーストマスターズインターナショナルは、セックス、政治、宗教をスピーチのトピックとして取り上げるのを禁止していません。

★上海での問題提起

上海のトーストマスターズクラブに行くと、例会の冒頭、TMODに引き継ぐ直前に会長が必ず「最後に、セックス、政治、宗教の話はタブーですのでご注意下さい」と注意を喚起していました。

初めてそれを聞いたとき「そうかな?」と違和感を覚えました。あるとき例会が終わってメンバーとお昼ご飯を食べていたら、アジア系アメリカ人のメンバーが「セックス、政治、宗教の話はタブーではない」という話をされ、私も「建設的に話せばセックス、政治、宗教の話をしてもよいはず」と応援しました。

そうはいったものの、トーストマスターズ原理主義者の私としては、国際本部発行の文書でそれを確認したことはなく、ぜひ自分の目で確認したいと常々思っていました。

★Tips SEPTEMBER / OCTOBER 2006

国際本部発行のクラブ役員向けのTipsというニュースレターの「SEPTEMBER / OCTOBER 2006」号にこうあります。

Members often tell us that other Toastmasters have told them that speeches concerning politics, religion and sex are forbidden by Toastmasters International because “such controversial subjects are not appropriate.” This is not true. Toastmasters International does not prohibit any speech topic, content or language.
政治、宗教、セックスに関するスピーチは、非常に論議を呼ぶためにふさわしくないという理由でトーストマスターズインターナショナルは禁止していると聞いた、という声をよく聞きます。これは本当ではありません。トーストマスターズインターナショナルは、いかなる話題、内容、あるいは言語をも禁止はしていません。


こちらが基本的なスタンスです。しかし同じ記事で同時にマナーとして、クラブ、例会での話として取り上げようとするトピックがふさわしいかどうかについても考えましょうと呼びかけています。

It also recognizes that a club is a diverse group of people and recommends members be sensitive to this diversity and use good taste and responsibility when selecting speech topics, content, and language. While Toastmasters International has no restrictions, a club may guide its members on how to observe good taste and sensitivity in the context of that particular club.

トーストマスターズインターナショナルはクラブにはさまざまな人がいる場でもあると認識しております。また、メンバーはそのことに注意を払い、スピーチのトピック、内容、言語を選ぶ際には品位のある責任の持てるものとすることを推奨しています。トーストマスターズインターナショナルは制限を設けていない一方、クラブはクラブの中でどのように品位と注意深さを保つかについてメンバーを導いていくこともよいと考えます。

★ 再び上海のクラブについて考える

現在の中国において、「最後に、セックス、政治、宗教の話はタブーですのでご注意下さい」とわざわざ断らないとどんなリスクがあるでしょうか?私の推測ですが、最悪当局から反体制、反政府的な集会、グループとして目をつけられ解散させられるリスクがあるかもしれません。

District85Pとしていよいよ中国も台頭してきています。つまり中国国内でのトーストマスターズのプレゼンスが高まってきているわけです。政府の目もその動きに向けられることでしょう。もしかしたら、すでに公安関係者が普通のメンバーのような顔をして例会に出席しているかもしれません。

上海のトーストマスターたちの真意はわかりませんが、「最後に、セックス、政治、宗教の話はタブーですのでご注意下さい」とあえて宣言することは、彼らなりにクラブを長く楽しみ続ける生活の知恵なのかと思いました。

そこまで考えのめぐった私は、今後上海のトーストマスターたちに「建設的に話せばセックス、政治、宗教の話をしてもよいはず」などとしたり顔で言うのは控えることにしました。

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Comments

政治、宗教ネタ禁止は昔からよく言われてますが、根拠はなさそうですね。誰かが言い始めたことが広く流布されているのが現状のようです。要はマナー、モラルの問題ですね。ところで中国は共産圏ですから、ロバートルールは批准されていないのでしょうか。その辺も今度お聞きしたいです。

Posted by: h2O'hara | October 21, 2007 at 10:51 AM

h2O'hara様。上海の複数のクラブを何度か訪問しましたがBusiness Portionを例会の冒頭、あるいは終わりに持っているクラブはありませんでした。Parliamentary Procedureも(Robert's Ruleにせよ、中国式にせよ)見たことはありません。

District85のECミーティングではやっているかもしれません。

今度聞いてみますね。

Posted by: Azuma | October 23, 2007 at 11:04 PM

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