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第169話:私のロールモデル

トーストマスターズにどっぷりはまり込んで7年になります。なぜそうなったか?

それはやはり2000年から2005年まで厚木座間トーストマスターズクラブにいたことが大きかったと思います。

入会したときはまだ米海軍厚木基地の将校クラブのパーティールーム(たしかMidwayという名前でした)を会場にしていたので、かなり雰囲気はアメリカンだったのですが、それに加えてすばらしいメンバーの存在は圧倒的でした。こんな田舎にこんな素晴らしい人材(英語の達人、スピーチの達人、リーダーシップの達人、人生の達人)がそろっていたのかと本当にびっくりしました。当時の厚木座間にはDistrict Officerが3人(District Governor, Lt Governor Marketing, Secretary)もいましたからやはり勢いがあったのでしょう。

その中でもとくにその後の私のトーストマスターとしての方向を決めるくらい影響を与えてくださったのは2000-2001初代D76Pガバナーの稲垣さんでした。D76Pガバナーですから本当に忙しくされており、例会に来るのもだいたい月に一回くらいでしたが、例会にこられたときのパフォーマンスは突出というか傑出というかとにかくすばらしかったです。

当時の稲垣さんはリーダーとして、またスピーカーとしてものすごいオーラを発揮しておられました。トーストマスターズに入ったばかりで右も左もわからぬ私にとってただでさえ会員の皆さんがすごく思えたのに、稲垣さんのオーラはまた別格のすごさがありました。

  • 初めて見た稲垣さんのジョークマスターも、確か分子と原子に引っ掛けたテーマが一貫したジョークで、「すごい!」と思いました。
  • また、テーブルトピックであたったときも、まるでPrepared Speechのようにすらすらときっちりとしたスピーチをされていたのもまたびっくりでした。
  • General Evaluationは、ボールペンを耳に挟んで手に持ったクリップボードを見ながらされるというスタイルで、当時は「ほめ殺しか?」と思いましたが、今思えばとても見るところをきちんとご覧になっていてしかもMotivationalで、「これがトーストマスターズか」と感心しました。(いまでもこのスタイルですね)
  • そもそも非常にしっかりした英語をお話になるのがすごいと思いました。
  • Prepared Speechも、部屋全体を稲垣さんの声が埋め尽くすような圧倒的なスピーチで、その迫力には参りました。
  • 2001年春のDistrict ConferenceParliamentary Procedureにのっとってきちんと仕切っておられたのにはしびれ、一緒に参加した別の会員と「Perliementary Procedureの勉強会をしよう!」ととても発奮しました。私のParliamentary Procedureの勉強のきっかけとなった出来事でした。
  • そもそもトーストマスターズに対する知識がものすごかったです。Constitution and By-Lawsに精通されていましたし、教育プログラム、マニュアルに対する知識も正確で膨大でした。質問すれば何でも答えてくれましたし、本当に生き字引でした。
  • 私のアイスブレーキングのEvaluationをしてくださったのは実はあまり覚えていませんが、Basic Manualをみると稲垣さんの暖かいコメントが残っています。

こうしたスキルのすごさを並べると稲垣さんはスキルの人のように見えてしまうのですが、私が稲垣さんを尊敬しているのは、稲垣さんが約束を守る人だからなのです。

私は両親から子供のころから約束を守るように言われいましたが、だんだん大人になるにつれて「約束は守らなくてもよい」と思う人間になっていました。そんなときに、いちど口にした約束は絶対にまもる稲垣さんの登場は、自分が恥ずかしく思えるものでした。

ある厚木座間の例会の二次会(将校クラブのレストランでステーキと決まっていました)のとき、All Japan Speech Contestというものに興味があると稲垣さんに言ったら、「今度ビデオを送ってあげましょう。」とおっしゃいました。翌日会社から帰宅するとなんとビデオが届いていました。宅急便の受付時刻を見ると、稲垣さんは厚木座間の二次会のあと帰宅されてその日のうちにビデオをダビングして宅急便で送ってくださったのです。そんなに早く送っていただけるなんて思ってもいなかったし、そもそもダビングまでしていただけるなどと思っていなかっただけに感激しました。

武蔵小杉クラブの立ち上げもそうでした。チャーターセレモニーでの「僕は必ずチャーターさせると言った。トーストマスターは約束を守る」との言葉に感動して思わず目頭が熱くなりました。

稲垣さんは、District GovernorImmediate Past District Governorの任期が終わってからは、しばらく隠遁されてい(たように見え)ましたが、武蔵小杉クラブ立ち上げ、輝クラブの立ち上げにも参画され、またいろいろなイベントで再会するようになりました。

若いメンバー達にはああしろ、こうしろと指図せずに、静かに見守っていらっしゃると聞きます。

しかし稲垣さんの心の中には熱い明るいトーストマスターズの灯が輝き続けていることを知っています。

最近、自分のトーストマスターとしての原点、そしてリーダーシップについて考える機会があり、ふと、稲垣さんのことを思い出しました。

「引き受けた約束は必ず守る」

稲垣さんほどにはできていませんが、私の行動規範です。

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