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第191話:アサーティブネスとEvaluation

「論評者はアサーティブでなければならない」

スピーチの論評を行ううえで、論評者はつぎの4点を心がける。

  • 対等(スピーカーと、そしてスピーチと対等に向き合う)
  • 誠実(スピーカーに誠実に接する)
  • 率直(スピーカーに対して率直である)
  • 責任(自分の論評には責任をもつ)

この4点こそが、最近巷でよく聞く「アサーティブ」の重要なポイントです。ちなみにこの4点は「アサーティブ」を学ぶ上での4つの柱といわれているそうです。(参考:アサーティブジャパン

12月26日の東京インターナショナルTMCで、小林美枝子さんの論評のワークショップを受ける機会がありました。小林さんは2007年度日本語D76論評コンテストのチャンピオンです。(ご所属は、英語クラブである青山ランチTMCです。)

10分間と言うとても短い時間でしたが、その中で小林さんは御自身のトーストマスター経験と今回の論評コンテストへのチャンレンジと言うストーリーを軸に「Evaluationに必要なDoとBe」ということを深く語られました。Doはどちらかというとスキル、そしてBeはEvaluatorとしてのあり方です。

そしてこのBe(Being)を小林さんはアサーティブという視点を通して語られました。これこそがこの日の小林さんのワークショップの最大の「お持ち帰りバリュー」だと思いました。

これまで私が受けたさまざまなEvaluationや論評のトレーニング、ワークショップで語られたことのないまさにEvaluationの真髄とも呼べる考え方だと思いました。

小林さんの論評者に必要な「アサーティブネス4ポイント」からの私の学びです。

対等(スピーカーと、そしてスピーチと対等に向き合う)

論評者の役割は、そのスピーチの中によい点と改善点を見つけ、それを共有し、相手をさらにやる気にさせることだと思います。そのためには、スピーカー、スピーチが高尚でも自分を卑下する態度で臨む必要もなく、逆にスピーカー、スピーチが(自分より)未熟と思っても相手を見下すこともない。相手がどうあろうと、現在の自分のもつスキル・経験の範囲で対等に向き合う。

誠実(スピーカーに誠実に接する)

対等に向き合った後、スピーカーに対し誠実に向き合うこと。つまりスピーカーが一生懸命創ったスピーチに対し改善点などを言うのは伝えにくい時もあるが、誠実に相手の成長を願いながら伝える。いいところだけ表面的に伝えるのではなく、本当に思った事を伝える。

率直(スピーカーに対して率直である)

ときには言いにくいことも伝える必要がある。Vocal Varietyがそのプロジェクトの狙いであるのに、まったく声や発声の工夫をせずに、すばらしいスピーチでそのプロジェクトを終えたとする。その場合でも、やはり率直に「あなたのスピーチはすばらしかったが」と具体的によかった点を認めた上で、しかしプロジェクトの目的に沿っていなかったという点を、率直に(そして誠実に)伝えるということが肝要である。

責任(自分の論評には責任をもつ)

論評はすべて「選択」に基づいて行われます。そしてその「選択」は自分の責任で行っています。率直に自分の考えを伝えることは大事ですが、そのことに対する責任感を持つことは大事である。

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今回の4ポイントがすばらしいのは、それがセットになって初めて最大の効果を発揮するという点だと思います。逆に気をつけなければならないのは次の点です。

  • 対等だけが強くなりすぎて、誠実さ、あるいは年長者、ベテランに対する敬意が欠落してはならないと思います。
  • 誠実だけがいびつな形で(逆方向に)強くなって、「今日のあなたのスピーチには改善点はひとつもありませんでした。」となっては、すでにトーストマスターズの論評ではありません。
  • 率直だけが強くなりすぎて相手をやり込めてしまうのは、これもトーストマスターズの論評ではありません。対等、誠実、責任の観点が欠落しています。
  • 責任だけ強くなりすぎて、逆に怖くなって何もいえなくなってしまうのもおかしな話です。

この4つをバランスよく生かしていく心の持ち方が大事だと思いました。

もうひとつ大事な点は、上の4点は「現在の自分のスキル・経験の範囲で行ってかまわない。そのレベルでベストを尽くす。」ことです。そう考えると、トーストマスターズの論評の考え方と合致します。

逆に、論評を受けるスピーカーもアサーティブな態度で聞くことが大事だと、いまこの記事を書きながら思いましたが、それはもっと深く考えてからまた別の機会に譲ることにします。

2007年の最後に「アサーティブネスとEvaluation」について小林さんに教えていただいたことは、私の中では年末ジャンボ級の学びでした。小林さん、ありがとうございました。

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