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第200話:18年

その日私はANAのシンガポール行きに乗っていました。翌日はシンガポールにある姉妹会社のマネージメントチームに対して、新しいシステムについて説明するプレゼンテーションをする必要がありましたので、とにかく焦って必死になって原稿に書いた英語を暗記していました。となりの席の先輩はアルコールが回って寝ています。

そして、翌日。会議室で先輩のプレゼンテーションの間も私はひたすら自分の原稿とにらめっこ。心臓はどきどき、手のひらは汗でべっとり。極度の緊張状態。そして自分の名前が呼ばれて前に出ます。

搾り出すような声で暗記した内容をひたすら吐き出して、むろんアイコンタクトなどできる余裕もなく、英語で質問されてもシンガポール英語はまったく聞き取れません。上司が何度も助け舟を出してくれました。ポイントポイントで、「Any Questions?」と問いかけても、異常な沈黙と極度の緊張感が会議室を支配。空調のゴーっという音が普段よりも大きく聞こえました。

やっと終わって自席に戻ったときの解放感。

それから18年の月日が流れました。

2008年1月9日朝9時15分。シンガポールにある同じ姉妹会社でシステム入れ替えのためのプレゼンテーションを行いました。18年のうちの直近7年はトーストマスターズでのトレーニングを積んでいます。当時と違い今回はアメリカ本社の上級副社長、副社長も参加していますのでプレゼンでのへまは私の給料に響くかもしれません。しかし、シンガポール英語での質問に対しても、こちらもシンガポール英語もどきで返す余裕がありました。アイコンタクトも楽勝。緊張もとくに気にならず、ジョークも交え一段落してQ&Aタイムを迎えました。

「Any questions?」

自分でそういった瞬間に18年前の光景がフラッシュバックしてきました。当時の悪夢も、今となってはとても懐かしく思え、思わず会場の参加者たちに18年前の自分の経験を話してしまいました。会場にいた40名近い参加者の中で、私の18年前のプレゼンを見たのは一人だけ。その彼と目があって「にやっ」としてしまいました。

そして質問がないのを見計らって、また自分のプレゼンに戻りました。

1月9日のプレゼンは、それほど準備したわけでもなく、またパワーポイントに頼ったプレゼンでしたので、ベストなプレゼンではありませんでした。

18年の歳月の中で、私はそれなりの業務経験もつみ、英語も苦労しました。(いまでも苦労しています。) しかし直近の7年のトーストマスターズ経験で学んだものは大きかったと思います。今回のプレゼンがそれなりにできたのも本当にトーストマスターズで培った聞く、考える、話すためのスキルのおかげだと思いました。

休憩に入って、上級副社長が通りすがりに「Good Job」と肩を叩いてくれ私のプレゼンの内容にいくつか質問をしてくれました。

18年。思えば遠くに来たもんだ。

余談:18年前人生で初めての英語の散々なプレゼンをやった私は、実は英語もできず業務知識も乏しい状態。プレゼンの翌日シンガポールのITチームから質問をいくつか受けましたが、すべて答えられませんでした。すると連中はあきれて笑って「それじゃぁ、何しに来たんだ?」と突っ込んできます。答えに詰まっての一瞬の緊張感のある間のあと、「Just for sightseeing.」とジョークで返したら、大爆笑されました。不思議なものでそれから彼らと仲良くなりました。仲良くなると意思疎通もだんだん取れるようになりました。私のビジネス英語の原点はここにあります。今でもシンガポールに出張してSinglishを話すと気持ちが楽になります。

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