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第317話:理想的なコンテスト運営について考える

コンテストシーズンが始まりました。

先月ある方からコンテスト運営に関して質問を受けました。

「東様にとって特にContestantとして「こういうContestが準備されているととても気分よく話せます」という点を再度ブログにのせてはいただけないでしょうか?例え小さなクラブ、初めてArea Contestなどを主催するクラブにとっても「少ないStaff、少ない準備時間、少ない予算、そして少ない経験」でも「これなら私たちでも準備できる!」というようなアドバイスがこの時期伺えたらと思います。」

私の過去8年のトーストマスターズ経験で、印象的なコンテストは次のものです。

★2002年秋Division B Humorous Speech Contest

横浜クラブ主催で場所は開港記念会館。Humorous Speech Contestとは、ということを徹底的に考えられた運営だと思いました。コンテストのFlyerに「笑いすぎて健康を害しても(注:記憶があいまいです)当クラブは責任をもちません。」(原文は英文)とまで書かれていて実行委員会がとにかく楽しい雰囲気を出そうとしていたことを鮮明に覚えています。私はコンテスタントでしたが、コンテスタントブリーフィングは、とてもしっかりと几帳面にされていました。時間管理にもしっかり気を配っていらっしゃったコンテストでした。

2005年春D76日本語スピーチコンテスト

江戸クラブ主催で場所は代々木の国立オリンピック記念青少年総合センター。施設もすばらしかったのですが、運営がとても段取りよくしっかりしていました。司会は、この2年後に春のD76日本語コンテストで優勝された高橋南海子さん。彼女の司会がすばらしく、コンテスト終了後司会者用の原稿をいただき、その年の秋のD76日本語ほら話コンテストを大和バイリンガルクラブでやったときにその原稿を使いました。今でもこの「高橋バージョン」の原稿が使われているコンテストをよく見かけます。この「高橋バージョン」の原稿は完成度が高く、英語コンテストで使われている司会者用原稿よりも国際大会のやり方に近いと思います。というか高橋バージョンは国際大会のやり方とほぼ同一です。 (逆に、英語コンテストでは、今でもコンテストルールの説明をチーフジャッジが丁寧にやっている例を見かけますが、これはルール上必要とされていません。)==>原稿について:ご参考  第73話:スピーチコンテスト司会者用原稿

★2008年D76春季大会

広島クラブのリーダーシップのもとに運営されたすばらしいイベントでした。コンテストマニュアル、ルールブックという基本を踏まえたうえで高いホスピタリティで運営された最高のイベントでした。

==>ご参考:第248話:2008年春季大会からの学び

★番外編:東京大学ESS主催第三回安田講堂杯争奪英語弁論大会

東大ESS(1年生、2年生)スピーチセクションの総力を挙げての大会運営。コンテスタント一人ひとりに専任の世話役がつきました。(ジャッジ一人ひとりにも専任の世話役がついたのだそうです)。トーストマスターズのコンテストで言うところの「会場係」がものすごくたくさんいて見事にコンテストを作り上げていました。

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さて、結局印象に残っているのは大きな大会ばかりになってしまいました。大きな大会は準備にもものすごく時間をかけますから、やはり印象的になります。反面、こちらにはあげませんが、がんばったのに必ずしもうまく行ったとはいえない大きなコンテストがあったのも事実です。

コンテストのベストプラクティス

トーストマスターズのコンテストのベストプラクティスは、

の2点に集約されており、実行委員会の要となる人はこの二つとジャッジの採点表、集計表、タイマーの記録表を熟読、熟知していることが成功の絶対条件であると思います。

これなしに、パーティーに凝ったりワークショップに凝ったり司会の挨拶に凝るのはポイントが外れていると思います。逆にSpeech Contest ManualとRuleをはずさなければ、「少ないStaff、少ない準備時間、少ない予算、そして少ない経験」でも、基本を押さえたよいコンテストになりえます。

もちろん、このマニュアルに書かれていないことはたくさんあります。たとえば受付の手順。お金の受け渡し、領収書の取り扱いなど、毎度悩ましいものがあります。受付は、会場によって設置スペースが変わるためどうもベストプラクティス化しにくいように思います。(コンテストの受付に関してはまた別の機会に譲りましょう。)

コンテスタントがうれしいコンテスト

本題に戻って、ご質問のあった「特にContestantとして「こういうContestが準備されているととても気分よく話せます」という点」について考えて見ますが、これはもうコンテスタントに敬意を払いコンテスタントが最高のパフォーマンスを発揮できる配慮がされているとうれしいですね。

コンテスタントが、本番でレクターンを使うかどうか?いすを使うか?ホワイトボードを使うか?など細かく聞いてくださり正確に実現してくれるコンテストが多いのはとてもうれしいです。ステージにカラーのビニールテープで椅子を置く位置を正確にマーキングして下さったコンテストもありました。ステージ係の方がしっかりしていると、コンテスタントとして安心してスピーチができます。

たしか、2002年秋の横浜TMC主催のDivision B Humorous Speech Contestは、出場前のコンテスタントのケアまで配慮されていました。感動した私は2005年秋のD76日本語ほら話で、出場直前のコンテスタントのケアをする係を設けました。ステージに出て行く直前のコンテスタントの、マイクを一緒に確認し、手鏡を渡してコンテスタントに髪の毛の乱れ、服装の乱れの最終チェックを促す係です。(それ以前のコンテストで、寝癖のついた髪の毛でステージに上がった女性コンテスタントがいらっしゃいました) この係は2006年春武蔵小杉クラブ主催のDivision Bスピーチコンテストに引き継がれていました。

コンテスタントにどこまで配慮できるかは、実行委員に投入できる人数にもよりますので、できる範囲は限定されるかもしれません。しかし、そういう係を置くかどうか別にしてもちょっとした心遣いでコンテストの印象、コンテストに対する印象はずいぶん変わってきますので、結局コンテストに携わる方一人ひとりの心遣いにも左右されるといえます。

さて、こんな話をひとつ。

昨年10月でしたか、国際本部から封書をいただきました。「Inter-District Aコンテストに出場してくださってありがとうございました。今年のコンテスト、世界大会はおかげさまですばらしいものになりました。」 そういえば、おととしの10月にも国際本部から「Inter-District Bコンテスト」出場へのお礼状をいただいていました。

コンテスタント一人ひとりにこうした礼状を書いている国際本部はすごいな!と改めて敬意を持ちました。

コンテスト運営はクラブにとっても成長の機会

最後に、コンテストはクラブにとっても成長のチャンスです。コンテストというイベントを通して、クラブがさらに団結し組織として成長できるのがいちばんよいです。コンテストが終わって実行委員長と実行委員が打ち上げでおいしいお酒を飲みながら労をたたえあうことができれば最高だと思います。大人になってから、こういう感動ができるのも、トーストマスターズの醍醐味のひとつであるといえます。 

参考:第72話:スピーチコンテストの企画と実行

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