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第400話:終わりと始まり (8月16日)

  「ん、携帯の目覚ましが鳴ってる。」
「何時かな?」
「げ、4時58分!空港行きのバスの発車まであと2分。」

世界大会から日本へ帰国する8月16日はこうして始まりました。コネチカットのハートフォード国際空港から会場のMGMグランド@フォックスウッズまで大変不便なので、国際本部があらかじめ往復のバスを用意してくれていて私はそれに申し込んでいました。(往復で50ドル)

帰りのバスは朝5時出発。これに乗って6時30分に空港について、7時35分のシカゴ行きに乗るという算段でした。

しかし、目が覚めたのは4時58分。なんと4時にセットした目覚ましは58分も鳴り続けていたようです。

あきらめて120ドル払ってタクシーで行こうか?と弱気になりましたが、できるだけがんばってみようと気を取り直し、「火災の通報を受けてから30秒で出動する消防士」をイメージしながら着替えてスーツケースのふたをし、忘れ物がないかトリプルチェックをし、部屋を後にしました。

エレベーターを降りて二つのスーツケースを引っ張りながらロビーまで走ると、名簿らしきものを持った人がこちらを見ています。聞くと、空港行きのバスの客を待っている人で、旨にはトーストマスターズのバッジが。助かった。まだ5時のバスが待ってくれている。

「あなたのような寝坊する人がきっといるだろうと思って待っていた。」

すばらしい。 トーストマスターズってすばらしい。(あんまりコミュニケーションとリーダーシップとは関係ないだろうけど)

バスに乗って落ち着くと斜め前に前インターナショナルプレジデントのジョン・グライナーさんご夫妻と、年次総会で17年連続パーラメンタリアンを勤めたハーブさんがなにやら談笑していました。

車窓からは、霧のかかったコネチカットの森がずっと続いています。そういえば、Mashuhantuketは朝起きるといつも霧がかかっていました。バスの前方も霧です。路面のセンターラインが頼りです。

昨晩は、荷造りをしてベッドに入ったのは12時30分。寝不足です。頭がぼやーっとしています。回らない頭でこの一週間のことをランダムにふり返っています。「英語が通じなかったなー。」とか。

後ろの席では、アメリカのどこかのディストリクトガバナーさんでしょうか?LGM、LGETという言葉が何度も聞こえてきます。この空港行きのバスの中もまだトーストマスターズの世界なんです。

2007年も2008年も世界大会が終わって空港に向かうときはこんな気持ちでした。余韻を感じつつ、現実世界に戻っていく感じ。

祭りが終わった後の、さびしくも晴れ晴れとした感じ。

この気持ちを人生で初めて感じたときのことは、今でも鮮明に覚えています。

小学校4年生の秋の運動会が終わった後でした。運動会が終わって、学校を後にすると、田んぼの稲がきれいに刈り取られそれは明るく青い秋の夕暮れ前の空。

どんなことにも終わりがある。しかし、この終わりはまた始まりである。

では、これは何の始まりなんだろうか?

空港に着きます。皆さんとお別れして、先を急ぎます。私はずいぶん遠いターミナル1。アメリカンエアラインズのチェックインカウンターで、「預け入れスーツケースが重量オーバーだから50ドル払うか、袋に入れて機内に持ち込むか」と聞かれ、後者を選択。

作業をしに待合の椅子のところにいくとメキシコ(D34)からInter-District Bに出場したOscarがいました。彼はメキシコで空手をやっている人です。空手の話をしながら作業を続け、スーツケースの重量検査に。また不合格。Oscarのところにもどり、空手の話を続けながら作業を続け、再び重量検査へ。今回はパスし、Oscarと別れ、シカゴ行きの飛行機に乗りました。

機内にはどうもトーストマスターはいないようでした。

そしてシカゴから成田行きのJAL009便に。

トーストマスターは乗っていなさそうです。これから14時間かけて現実の世界に戻るわけです。

今回の収穫は何だったのだろうか?

久松さんの応援。Jack Tsaiさんの選挙。年次総会。Bo BennettのFTHのワークショップ。役員と新会長就任式。合間のいろいろな出会い、D76の仲間との語らい。

楽しいことだけではありませんでした。District76の地位の相対的な低下を感じました。DNARミーティングでRegion13の構成ディストリクトの発表があったとき、D76は発表されませんでした。インドのDistrict Governorが「日本はどこのRegionだ?」と質問して、「あ、Region13だった。」とあわてて追加されるくらいの位置づけ。さびしかったです。しかし同時に、「今に見ていろ。」という気持ちが沸き起こりました。

私は、貫禄だけはそれなりにあるので、たくさんの人からInternational Director選挙に立候補しないのか?と聞かれました。「私はまだDivisionガバナーもやっていないのですよ。」と苦笑いしながら答えました。

今後、どうして行けばよいのだろうか?来年はスピーチコンテストに出ないし。

いろいろな思いが錯綜します。

5年前の3月だったかD76の推薦委員会から電話をいただきDivisionガバナーの打診を受けましたが、そのときに「子供の手がかからなくなったら。日本語・英語コンテストで優勝したら、お受けする。」と答えてお断りしました。

しかし、今、そのときあげた、お受けする条件はそろっています。しかも来年はスピーチコンテストには出ない。

飛行機の座席についているテレビの画面にはこの飛行機がどこから出発して、どこを飛んでいて、どこへ向かうかという地図が出ています。もうすぐ日付変更線を越えます。行く先は母国日本。私を育ててくれたDistrict76のある国です。

もし来年Division ガバナーに声がかかったら、ありがたくお受けして自分にここまでのチャンスをくれたディストリクト76に貢献しよう。そして声がかかってもかからなくてもDistrict76のスピーカー達をサポートしていこう。

こんな結論を出すとは思いもよりませんでしたが、この気持ちがあればまた明日からがんばっていける。世界大会が終わり、また新しい毎日が始まりました。

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Comments

Kiminariさん、お疲れさまでした。現地からのレポート、毎日楽しく読ましていただきました。インターディストリクトで南アのクルーガーさんを破るスピーカーが現れるなんで、すごい方がいるものですね。また、久松さんの頑張りは、近い将来、D76からも精進次第で優勝、そして本選へコマを進められる可能性を示唆してくれたように思いました。あなたの献身的なサポートがあればこそです。ところで、メーンイベントの世界選手権の観戦記は?首を長くして待っています。

Posted by: Taka | August 21, 2009 at 10:35 AM

Takaさま。今回学んだことです。スピーチが100%理解できなくても優勝する人は何かが違うと思いました。フィリピンのHermiのスピーチは正直100%わかりませんでした。(英語はわかりやすかったです)それでもDouglas Krugerのスピーチを超えていることははっきりとわかりました。これはTakaさんのおっしゃるようにヒントです。来年のD76のチャンピオンに期待しましょう。

Posted by: azuma | August 23, 2009 at 12:36 PM

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