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第409話:クエスチョナーという仕事

大学ESSのスピーチコンテストには、ジャッジ以外にクエスチョナーという仕事があります。スピーチが終わった直後に、3分から4分のQ&Aタイムがありますが、そこでスピーカーに対してスピーチの内容について質問をする係です。

昨年12月の東京大学ESS主催の第三回安田講堂杯に出場して、そこでクエスチョナーからの質問の洗礼を受けるという体験をしたのが、私とこのクエスチョナーの仕事との遭遇です。

さる11月7日に、今度は私がクエスチョナーになる機会がありました。

創価大学ESS主催池田杯スピーチコンテストにクエスチョナーとして招かれました。私は創価学会の会員ではないので、正直一瞬迷いがありましたが、コンテスト自体宗教には関係がなく、全国の大学ESSのスピーカーたちが参加するもので、「学生スピーチを支援する」私の方針に合致するので応諾するまでそれほどの時間はかかりませんでした。

安田講堂杯で学生スピーチを見てからずっと思っていたのは、社会経験が少ない学生たちが社会変革を訴えるメッセージを送るときの「なぜあなたはそのメッセージを送るのか?」「経験の少ないあなたが提案するソリューションは本当に実現可能なのか?」の2点です。

今回、学生のコンテストのクエスチョナーを引き受けるにあたっての方針は、「育てる」です。壇上で衆人環視の中、私の質問は使い方によっては未来ある学生をつぶしてしまう刃になりかねません。ですから、どうやったら学生が「育つ」質問になるかに腐心しました。

6月の上智大学ソフィアカップでクエスチョナーを勤めた方や現役のESSの学生さんたちに、どのような質問がよいのか?どのように質問を準備するか前もって教えてもらいプロセスを頭に入れました。

学生のスピーチコンテストでは、事前にコンテスタントの原稿がジャッジとクエスチョナーに配られます。一週間前にいただいた12人の原稿を3回通読し、質問リストを作りました。

11月7日、他の3人のジャッジの方々と創価大学の学生さんたちと八王子駅で待ち合わせ、大学に向かいます。控え室で、和やかに話をした後、会場へ向かいます。

DJ風の男女の司会の掛け合いでコンテストの幕があき、やがてコンテスト本選が始まりました。私もはじめてのクエスチョナーとして緊張しますが、質問が進むにつれてお互いリラックスしてきたように思いました。

正直、うまくいった質問もあり、またそうでなかった質問もありました。皆さんからはおおむね良いフィードバックをいただきました。

コンテストが終わって、あるESSのメンバーに私の質問はどうだったか質問してみたところ、彼女は率直に「質問のスピードがちょっとゆっくり過ぎて、質問を受ける側としては、質問の全体像が見えにくかったかもしれない。また、もっと突っ込んだ質問でもよかったと思う。」と答えてくれました。

いいですねー。とても参考になります。年齢的には、私の息子の年齢に近い方ですが、同じスピーチの道、コミュニケーションの道を高めあう目的を持っているもの同士、こうやって学べる。

初めてのクエスチョナー経験も、私よりはるかに年齢の下の「先輩」たちの力を借りて無事に勤めることが出来ました。

トーストマスターズのスピーチコンテストとは、また違った趣向で勉強になります。

創価大学ESSの皆さん、ありがとう!

送信者 Kiminari
送信者 Kiminari

追記その1:今回のスピーチコンテストの優勝者は、創価大学の学生さんでした。優勝の瞬間、この学生さんは喜びの涙を流していましたが、それ以上にびっくりしたのは創価大学のESSの後輩たちが男女を問わず感動に大泣きしていたことです。仲間の優勝をここまで喜ぶのか?私は正直驚きながらも創価大学ESSというチームの熱さをうらやましくも思いました。今回クエスチョナーとして声をかけられてから創価大学のESSのメンバーの礼儀正しさはすばらしいと思っていました。創価大キャンパスに足を踏み入れてからも、メンバーの礼儀正しさに感心していました。礼儀正しくまた仲間の勝利を泣いて喜ぶ。こんな世界がまだ日本にあることをうれしく思いました。

追伸その2:今回、ジャッジが3人いらっしゃいましたが、その一人が、大学ESS界の三大大会といわれる福澤杯(慶応大学)、大隈杯(早稲田大学)、天野杯(獨協大学)の3タイトルを総なめにした中桐兵衛さんというかたです。大学を卒業して年月がたっているにもかかわらずいまだに大学ESS界では相当有名な方だそうです。お話してみると、実にバランスの取れた知識も経験も見識もある紳士でした。たまたま彼がスピーチについて書いたものを目にする機会があったのですがそこにこうあります。

「人間には想像力という高等な力があるから、全てが現場での自分の体験(実社会で問題を扱う立場として感じた事、という文脈)である必要はない」

2005年度東京大学スピーチセクションチーフさんのブログThe Gif Of Loveより

なるほど。この発言は日本の知見ですね。

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