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第419話:KUEL主催Golden Cup (2009/12/6)

関東の大学のESS連盟が主催するGolden Cupスピーチコンテストで、クエスチョナー(質問係)を勤めてまいりました。場所は、11月7日に引き続き創価大学。

Golden Cupは簡単に言うとESSの一年生大会。新人戦の全国大会決勝です。

全国から69人の応募があり、11月14日に上智大学で行われた予選を勝ち抜いた10人のファイナリストたちによるコンテストです。

当日までの準備のプロセスでいろいろと面白い発見をしました。

★発見1:ESSスピーチのパターン

①オープニングのストーリー
②「自分は何を話したいか?」という短く明確なステートメント(Today, I am standing here to tell you xxxx.)
③問題提起(必ず事実の裏づけが入る)
④ソリューションの提示(必ず事実の裏づけが入る)
⑤クロージング

一見PREPのようですが、冒頭でPointが明確に提示される例は、昨年12月の安田講堂杯以降見てきた、3つのスピーチコンテスト(Sophia Cup(上智大学)、池田杯(創価大学)、大隈杯(早稲田大学))をあわせても、あまりありませんでした。ですから、「言いたいこと」を早く聞きたいと思っても待つ必要はあります。

今回のスピーチコンテストは一年生大会ですから、コンテスタントたちは先輩から教わったパターンを忠実に踏まえていました。

さて、ESSパターンの大事なことを最後に言う。料理で言えばいわばコース料理の最後にいちばんよいものが出てくる。というパターンは理解できます。

ただ、社会に出ると、結論を真っ先に言わなければならない、結論を真っ先に言うことを求められることが多く、このESSパターンでのパブリックスピーキングの練習が何を目的としているかは、実は私も良くわかっておりません。

ESSの皆さんは、非常に勉強熱心で、何人ものESSメンバーがブログなどに自分の考えを発表しています。いつか、この辺を彼ら、彼女たちと話が出来たらと思います。

★ 発見2:良いスピーチは原稿が良い(再確認)

11月28日の大隈杯のときもそうでしたが、1週間前にいただいた原稿を読んでいて「あ、この人は優勝するな。」と思った人が今回も勝ちました。
今回の優勝者の方のスピーチ原稿も、メッセージが原稿のあちこちからビンビン飛んできます。こういうスピーチは、たとえデリバリーが弱くても、結局は強い。やはりスピーチですから、言葉がすべてです。その言葉が原稿になっているのであればが原稿がすべてです。そこにメッセージをきっちりサポートするデリバリーが加われば最強のスピーチになると思います。

★ 発見3:ジャッジとの面接は良い学びの仕掛けである

これまで参加したコンテストではすべて終了後に、ジャッジとスピーカーが一対一で面接する場がありました。コンテストが終わってすぐに自分のスピーチに対するフィードバックをもらえる場、あるいはジャッジ・クエスチョナーに質問が出来る場です。今回のGolden Cupは3人のジャッジと1人のクエスチョナーがいましたから、コンテスタントは4回フィードバックが聞けるし、質問もできます。

今回のスピーチを次回のコンテストでやる人は、後ろにクラブの仲間がずらっと並んで、ジャッジのフィードバックを一言も漏らさないようにいっせいにメモを取ります。

トーストマスターズは、ジャッジがだれかは非公表ですので、こうした場がもてないのですが、有効性はあると思いました。

もうひとつ、今回のGolden Cupでは時間管理を一手に引き受けている人がいて、彼女が残り時間、終了の合図をいっせいに送っていましたので、非常にスムーズでした。

★ 発見4:パワーポイントの有効利用

今回は、会の進行にパワーポイントをとてもうまく使っていました。プログラムのどの部分をやっているかを会場のスクリーンに映し出しますので、聴衆の意識と進行のずれが生まれません。今年のD76秋季大会もパワーポイントをうまく使っていましたが、やはりこうした大きなイベントの進行にはパワーポイントは欠かせなくなってきていると思いました。

★ 発見5:トーストマスターズの知名度は低い(涙)

ESSのメンバーは、早い学校では2年生の12月ころにESSを引退、3年生が終わると引退という早いサイクルで世代交代しています。引退すると、余生はいろいろなのでしょうけれども、スピーチから離れてしまう人も多いそうです。

もったいない! あれだけ、熱くスピーチを語り、練習し、あるいはスピーチコンテストの企画、運営に携わり、一つのイベントをやり遂げて、感動の涙を流す若者たち。
彼ら、そして彼女たちが情熱をかけたスピーチを大学卒業と同時にやめてしまうのは、ある意味、国家的な損失です。ステージでスポットライトを浴びながら現代社会の問題点と鋭くえぐりだし、それに対するソリューションを縦横無尽に語った優秀なスピーカーが引き続きトレーニングを積まないのは、国益から考えても非常にもったいないです。

私は、2007&2008のD76チャンピオンのタイトルを使って、自分のトーストマスター名刺を持って、ESSの皆さんにトーストマスターズをアピールしております。「引退したら、卒業したら、ぜひトーストマスターズにおいで。そこでまたスピーチの技量を磨いてください。」とリクルーティングしております。

経緯はわかりませんが、Tokyo Universities Toastmasters Clubという東京の大学(東大に限定しない)の学生が集まるトーストマスターズクラブも結成されました。

しかし、まだまだトーストマスターズの知名度は低い、あるいは無いに等しいです。日本で55年もトーストマスターズクラブが活動しているのにです。

がんばります。そしてがんばりましょう!

★ 発見5:感謝の心・Recognition

Non Profitな組織では感謝の心がすごく大事です。今回も、コンテストの最後に短いビデオが流れ、そこに69人の全コンテスタント、実行委員の名前が流れ謝意がきっちりと表明されていいました。

さて、今回のGolden Cupのクエスチョナーのお仕事で今年度のESSコンテストのジャッジ、クエスチョナーとしての「社会貢献」は終わりました。

今回のクエスチョナーの機会を下さった、上智大学ESSの森さんに感謝したいとおもいます。そして、ジャッジケアの結城さん、横山さんにも感謝の気持ちです。

また、すっかり挨拶が遅れましたが、2009年は

早稲田大学ESSの天野さん、
創価大学ESSの岩本君、
上智大学ESSの高木さん、

が、私の貢献の場を作ってくださいました。そのことに感謝の気持ちをあらわしたいと思います。

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Comments

スピーチを通しての社会貢献・・・素晴らしいことですね。

そうした活動の中で、敬意や謝意や謙虚に学ぶ心などが人生においての美徳であることを実感をもって学ばれているAzumaさんが素直にうらやましいです。

そしてそれをこうした形で社会に対して還元されているのは意味があることだと思いますし、本当にありがたいことだと思います。

敬意や謝意を相互に持ち合いそれを自然に表し合えるよう、美徳として大事にしていこうということを社会の中での共通認識としていけるかどうかに、社会の成熟度というか完成度を見ることができるのだと思います。そういう意味でAzumaさんが実践されていることはとても意味あることだと思います。

今回の話題については、

>★発見1
「彼ら、彼女たちと」…私もこの書き方のように「彼ら」でひとくくりにしないようにしています。

>★発見5
私も大学時代、ESSのスピセクに所属していましたが、寡聞にして、トーストマスターズを知ったのははAzumaさんの存在を知った今年です。


>★発見2
東大杯スピコン出場用に作ったスピーチ・・・このまま日の目を見ることなく終わってしまうなら、せめてAzumaさんに原稿だけでも見ていただけないかしら?(お忙しい中こんな図々しいことを申し出るのは心苦しいのでただの戯言とスルーしてください。) 

なんてことをつらつらと考えました。

Posted by: かんちゃん | December 18, 2009 at 03:52 PM

かんちゃん、いつもありがとうございます。

社会貢献でいつも思うのは明治、大正期の企業家たちですね。設けたお金を常に社会に還元していましたね。奨学金を作ったり、学校を建てたり。

貧しくも才能のある若者たちにチャンスを与えていました。今は何でも政府に要求していますが、篤志家と呼ばれる人たちがいなくなってしまったように思い、ご先祖様たちにすこし申し訳ないです。

Posted by: azuma | December 19, 2009 at 12:02 AM

欧米で言うところのノーブレス・オブリージュの精神ですね。

以前ネパールの人と友達になって、家に食事に来てもらったことがあるのですが、彼はアメリカでDr.を取って日本で働いていました。とてもチープな腕時計や服を着ていて、どうしてかなと思っていましたら、贅沢する分のお金をプールしてネパールの自分の出身小学校に奨学金を作っているということでした。学年に一人ずつだけど、成績トップの子を経済的に支援する、そういうことにお金を使っているというのです。感動しました。

子供の小さい(3歳と7歳)今は無理ですが、自分も将来そうした貢献ができたらいいな、と思います。

Posted by: かんちゃん | December 21, 2009 at 01:37 PM

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