« 第419話:KUEL主催Golden Cup (2009/12/6) | Main | 第421話:やまのてトーストマスターズクラブでのある「挑戦」 »

第420話:外国人を「さん」付けで呼ぶこと。自分の名前を外国人に「San」付けで呼んでもらうこと。

私は、米国企業2社で合計で24年仕事をしてきましたが、海外の人たちにはAzuma-sanと呼んでもらっていました。

こちらからお願いしたわけではなく、みな先方が自発的にそう呼んでくれています。もちろん、日本人を-San付けで呼ぶのが日本の文化を尊重すると理解してくれているからです。

ただ、どうも自分の気持ちの中では、日本の文化を押し付けているような気がしたので、10月1日の組織変更で新しい人たちと仕事をするのを機に、「-San」付けをやめてもらうことにしました。

ところがこれが思わぬ混乱を引き起こし、なんかとっても愚かなことを始めてしまったようで、後悔しています。

今週もチームの会議でベルギーのケセロ(ブリュッセルから北西に1時間くらいのところの田舎町)に来ていましたが、会議の中で、だれかが「Azuma-san」というと、別の人が「Azumaだぞ」と訂正したり、自発的に気がついた人は言い直したり、早く慣れようと過剰に「Azuma, Azuma」を連発したりで、余計なリクエストをした身としてはたいへんに申し訳ない気分です。

あまりに申し訳ないので、「正直とってもよけいなことをお願いして申し訳ないと思っている。やめようか?」と提案したら、「いやいや、Azuma-sanの、じゃなかった、Azumaの希望通りがいちばんいいんだよ。」と答えてくれる、そんなナイスな環境で仕事をしています。

私の組織のトップはRon Vanceといいます。私の初めてのアメリカ人の上司はMike Galbraith. この二人をRonとかMikeとか「呼び捨て」にするのはものすごく勇気が要りました。メールでは、やっぱりRon-sanとかMike-sanとか書いてしまうし。

2004年にMike Galbraithの組織に入って初めてアメリカに出張したときにペンシルバニア州のハリスバーグという小さなアメリカ社会で二週間生活して、アメリカ人にとって、日本的な敬意を払うのはかなり居心地が悪く、むしろFriendlyに接することが最高の人間関係なのだということを実感しました。

レストランに行っても、Hi, Mikeとウェイトレスが気軽に声をかけてくる。Mr. GalbriathやMike-sanではなく、Mikeと呼ぶことで相手の親密ゾーンに入り込む。これがアメリカ人にとって最高にうれしいことなんだと。逆にMr. GalbraithとかMike-sanというのは、Friendly度がかなり足りなくて、親密ゾーンの外にいるようで非常に居心地が悪いのだと。

もうひとつ、アメリカ社会はここ40年くらいでFirst Nameの社会にかなり変容したのだそうです。アメリカ本社に出張したときに、Dan Wiestという人の家に呼ばれて家族にあったときに天地がひっくり返るくらいびっくりしたのは、3歳と5歳のお嬢さんたちがお父さんのことを「Dan」と呼び捨てにしていたのです。Danに、たとえば友達のお父さんはなんて呼んでるんだ?と聞いたら、First Nameだよ。という答えが返ってきました。

お父さんをMr. Wiestとか、Mr. Pattersonとか呼んで敬意を表さないのか?と聞いたら、30年位前はそうだった。なんだそうです。そういえば、オーストラリアにいる私の部下も、娘さんからStevenと呼ばれていてびっくりしました。子供が父親を名前で呼び捨てで呼んでいる! でも、それでいいのかと。。。。

それがわかってから、アメリカ系企業での身の処し方がちょっと楽になりました。RonとかRichとかMikeとか気軽に呼べるようになったし。私の会社の人で、イギリス人だったか、アメリカ人を「-San」付けで呼んだら明確に拒否された経験を聞きました。

先日のKUEL(関東の大学ESS連盟)の新人戦であるGolden Cupで一緒になったあるアメリカ人ジャッジさんは、日本語版ニューズウィークに連載記事を書いている人でした。

その記事では、「San」付けをやめてほしいと訴えていました。と同時に日本人の悩みも理解していました。たとえば、日本支社の支社長である佐藤社長と米国本社のディレクターのPaulと日本人の部下の3人で食事に言った際に、日本人の部下は、支社長はMr. SatoとかSato-sanと呼びつつ、米国本社のディレクターをPaulと呼ぶのは相当抵抗があると。これはとっても理解できますね。

私だったら、両方ともMr. Sato、 Mr. (Paulの)Last Nameで呼ぶでしょうね。(これはつまり日本社会の流儀に引きずられているってことですね)

「アメリカは、ファーストネームの社会だから親しくなったらファーストネームで呼び合うんだよ。」

NHKのラジオ英会話講座や、英語学習の本なんかではそのように書いていますが、はいそうですか、とその瞬間から、-Sanなしで相手を呼ぶなんて、普通はなかなか出来ないでしょう。

ここら辺を相当悩みながら、がんばってアメリカ人をFirst Nameで呼び、アメリカ人が「Azuma-san、おっとAzuma」といいなおしているのを見て申し訳ない気持ちなる今日この頃です。

ルールって、やはり文化的な背景を理解できると少しだけ楽になります。

あと40分でベルギーを離れていったんオランダに出て、そこから日本へ行く飛行機に乗ります。

ベルギーの最後を、おいしいベルギービールで締めくくりながら、ややこしい「-San」呼び捨て問題を考えてみました。

どうしましょう?

|

« 第419話:KUEL主催Golden Cup (2009/12/6) | Main | 第421話:やまのてトーストマスターズクラブでのある「挑戦」 »

Comments

私の場合には、YAKO-sanか、Koichiですね。
つまり、
1)苗字+san
2)下の名前呼び捨て。

たまーに、Koichi-sanという方がいますが、
基本的に1か2です。

Yakoと苗字を呼び捨てにする人は見たことが無いです。
なので、Azuma-sanか、下の名前呼び捨てが良いのではないでしょうか。

Posted by: YAKO | December 13, 2009 at 02:27 AM

日本語で話すときは日本流、英語で話すときは英語(米語)流で良いのではないでしょうか。私の場合は、日本語の時は「さん」で統一、英語の時はファーストネーム(但し外国人のみ)です。基本的には話している相手が慣れている表現が良いと思います。

Posted by: H2O | December 14, 2009 at 02:31 AM

私の職場(学校)だと、AETの先生と仲良くなった場合、同じような悩みがありますね。

個人的な会話では英語で話すので、AETの先生をFirst nameで呼びますが、生徒の前では日本語で話す(私は国語教師なので)ので、日本語の文脈だとFamily name+先生で呼ぶことになり、よそよそしい感じがします。

逆に、自分のことはAETの先生からFirst nameで呼んでもらいたいというふうに思います(その方が英語としては自然)が、日本社会の中ではFirst nameで呼ぶことは軽く扱われているような印象を与えるので、Family name+先生という呼び方になってしまいますね。

長くなって恐縮ですが、アメリカの大学では、First nameで呼びかけてくる学生たちにFamily nameに「Mr.」や「Ms.」を付けて呼ぶように言っていた教授たちが、その後、博士号をとって同業に就いた元学生に学会とかで会うと"Call me ****(First name)."と言っていたのはおもしろいと思いました。

自分の感覚で言うと、First nameで呼び捨ては自然でも、Family nameで呼び捨てというのは、かなり違和感があります。

Posted by: かんちゃん | December 18, 2009 at 04:22 PM

Yakoさん、H2Oさん、かんちゃん。ありがとうございます。そういえば、思い出したのですが、アメリカ人社会で次の経験をしました。

私の前の上司(アメリカ人)が自分の部下を集めたStaff Meetingを月に一度やるのですが、そこで権威を振るいたいときは部下をフルネームで呼んでいましたね。で、ちょっとユーモラスに大仰に呼ぶときにMr. Last Name(苗字)で呼んでいました。

それから本人がいない陰口的な会話のときは、HackerとかGalbraithとかNevinsとかそこにいない本人のことをLast Nameで呼びます。でも、みんなから超人気の人は、絶対にLast Nameで呼ばれるのを聞いたことがありません。

私の最初のアメリカ人の上司が一年に一度の業績評価のときに、Kiminariと呼んでいいか?といってくれました。当時、彼からの組織に入ったばかりで彼から最高の評価をいただきましたが、やがて馬脚を現し、彼の私の評価はひゅーんと落ちていきました。懐かしい思い出です。

Posted by: azuma | December 18, 2009 at 11:52 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




« 第419話:KUEL主催Golden Cup (2009/12/6) | Main | 第421話:やまのてトーストマスターズクラブでのある「挑戦」 »