第447話:CLプログラムをクラブ全体で起動する一方法

先日のディビジョンB役員研修会であがったクラブ運営の問題点の一つに「CLマニュアルがうまく活用されていない」というのがありました。


良く聞くクラブの悩みです。もちろん悩んでいないクラブ、すでにどんどんやっているクラブもたくさんあります。

私もCL誕生から昨年6月までクラブでどう使って良いかわからずにいましたが、昨年川崎TMCを訪問したこと、さらにFacebookのリーダーシップ勉強会でCLマニュアルを眺めたことでひらめくものがあり、現在はTokyo ESS Toastmasters ClubのVPEとして下記の方法で進めています。

ただこの方法は正直言ってVPEに負荷がかかるやり方です。しかしこの負荷はあるものを軌道に乗せるための初期エネルギーあるいは対価だと割り切ってやっています。

★Tokyo ESS Toastmasters Clubでのやり方

以下のやり方です。

① CLの進捗管理はすべてVPEが一元的にやる。メンバー任せにしない。
② 例会の前に何度も「例会にはCLマニュアルを持ってくるように」と連呼する。
③ 例会開始五分前に役割を持った人はCL論評者にCLマニュアルを渡します。

以上この三つを徹底的にやります。

★① CLの進捗管理はすべてVPEが一元的にやる。メンバー任せにしない。

最初にやることは、VPEは各メンバーのCLマニュアルの進捗を正確に把握することです。どのプロジェクトが終わってどのプロジェクトで何が残っているかの一覧表を作ります。国際本部でもチャートを売っていますが、正確に把握できるのであればそれはExcelでもGoogleスプレッドシートでもeasy-speak.orgでも何でもかまいません。

さて、現状把握ができたら、役割のアサインです。VPEは、役割を決めるときにその人のCLの進捗を見て、たとえば「あと一つでCL3が終了するからGrammarianをやって貰おう」のように役割を決めていきます。ただ、それはいつも思っているようにいくとは限りませんから、役割を見ながらプロジェクトに当て込んでいくこともやります。

同時にCLの論評者も事前に決定して発表します。CL論評者のアサインの仕方は現在試行錯誤中で、こんなこともやっています。

  • TMODのCL論評は、総合論評者に。
  • 総合論評のCL論評は、TMODに。
  • 個人論評者のCL論評は、スピーカーに(あるいは別の個人論評者に)
  • 以下割愛。

★② 例会の前に何度も「例会にはCLマニュアルを持ってくるように」と連呼する

例会にCLマニュアルを持ってこないと話になりませんので、とにかくもってこいと口が酸っぱくなるまで連呼します。

忘れた人には、次回必ず持ってきてね。と念を押します。

★③ 例会開始五分前に役割を持った人はCL論評者にCLマニュアルを渡します。

そしてこれが大事です。例会が始まってからバタバタしたくありませんので、VPEは例会開始五分前にCLマニュアルがCL論評者の手に渡ったかの確認をします。繰り返しになりますが、CL論評者は予めVPEが決めてあります。

昨年1月に川崎トーストマスターズに行ったときに彼らのプログラムの中にCLプログラムの交換という時間がわざわざもうけてあり感心しました。そこにヒントを得てのことです。

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さて、CLを進めるチャンスはクラブ例会だけではありません。VPEはクラブで予定されているイベントをメンバーがCLをすすめる機会だと目を光らせた方が良いと思います。

たとえば、クラブで、○周年記念パーティーをやるとき、クリスマス会、合宿をやるときもチャンスですから、そういう企画が決まったらCLプロジェクトのどこにクレジットするかも前もって考えます。

スピーチコンテストもそうです。クラブコンテスト、エリア、ディビジョン、ディストリクトコンテストもチャンスです。(HPLのチャンスでもあります)

VPEは、メンバーの進捗に目を光らせて早めにプランします。

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このやり方は、メンバーがCLプログラムが何たるものなのか理解していようがいまいが強制的に進めてしまうやり方です。それだけに賛否両論はあることは承知しています。

過去に、CLのプログラムをどう進めていいかわからないという声を聴きました。ワークショップもありましたしやりました。でも経験の少ないメンバーにとっては、説明よりも実際にやってみることで考える機会を持ってほしいと思っています。

クラブによっては積極的に取り組んでいるクラブもあるでしょうしCLプログラムの進め方を理解したメンバーはどんどん進めていっているでしょう。それで進めているのであれば、それで進めていくのが理想的です。

しかし、あまり利用が進んでいなければ、これ以上CLプログラムのワークショップをやるのではなく、VPEがちょっとがんばってCLマニュアルを読んで、上の①,②,③のプロセスで、ちょっと強制的ですが、プロジェクト5、あるいは最後までVPE主導で進めて、とにかくCLを達成させる。

今は割り切ってこう進めることにしています。CLもCCも何度達成しても構いません。Where leaders are madeとはいっても、多くの人はスピーチに魅力を感じてトーストマスターズに入会していると思います。そんな中でLeadershipへのフォーカスはスピーチに比べて弱くなってしまいます。そこでCLプログラムを動かそうとするわけですから何らかの仕掛けが必要になると思います。わからなくても良いからとにかく動かすというのが今回のこの記事の主旨です。

よくわからないけれどもVPEに言われるままにCLが達成できた。第一ラウンドはそれでもよいと思います。

CLを達成しても、クラブではEvaluator, Grammarian, GE,TMODなどの役はきますから、すかさず第二ラウンドが開始できます。その時こそ、CLマニュアルで語られているリーダーシップ論をしっかり読んで、身に付く進め方でやっていけばよいと思います。

もちろん第一ラウンドからCLのリーダーシップ論をしっかり読むのが理想的ですが、それで敷居の高さを感じるのであれば第一ラウンドは「とにかくやってみる」で、よいと思います!

このやり方で始めてから、CLの達成が見えてきたメンバーがいます。彼の意識も高まってきたように思います。彼には、今度は自分の経験を後輩たちに語ってくれることを期待しています

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第318話:コミュニケーションと「リーダーシップ」というけれど

第317話:理想的なコンテスト運営について考えるを書いていて、こんなストーリーを考えていました。ストーリーの中のエピソードのほとんどは私が直接経験した実話です。

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dogコンテストシーズンも始まるね。君はコンテスト、出るの?

catうん、一応そのつもり。君は?

dogいや、うちのクラブは今年コンテストを主催するから、そっちのほうで忙しくてでないつもり。

catま、いろいろと忙しいからね。でも、コンテストの主催って何であんなにしんどいのかね?

dogあら?別にしんどいと思ったことはないけど。なんでしんどいと思うの?

catだって、いろいろとやんないといけないじゃない。ジャッジを頼んだり。各クラブにお願いして出席者を募ったり。会場の手配。マイクの手配。パーティーの手配。それだけならいいけど、なんかいろいろとうるさく言われるし、終わったらもう二度とやりたくないって思うこともあるよ。実際に、コンテストが終わるとメンバーがごそっとやめてしまうという話もうわさで聞いたことがあるよ。

dogまぁね。でもコンテストマニュアルとルールブックのとおりにやれば問題ないんだけどね。

catでも、あれ英語で書いてあるじゃない。読むのがめんどくさい。

dogえ、君のクラブは英語クラブでしょう?何言ってんの?がんばって読めよ。

catははは。わかってるよ。でも。なんかルールとかマニュアルとか日本語でも読むのがめんどくさいのに、英語となるとちょっとね。

dogま、そうだね。言い回しも独特だからね。それより、問題は、「いろいろとうるさくいう奴」の存在だよね。たとえば、どんな風に言うんだろう?

cat昔、あるコンテストで、名札の記入を参加者自身にお願いしたことがあるんだよ。プラスチックのケースと中に入れる名刺大の紙とペンを渡して「あちらのテーブルでご記入ください。」ってね。そうしたら「参加者に書かせるなんておかしい。」って血相変えて怒鳴られたよ。どうしてトーストマスターなのに、普通に話せないんだろうって思ったよ。

dogふーん。まぁその現場にいたわけじゃないから「血相変えて」とか「怒鳴られた」ってのは主観的だからわからないけど。

catあと、アンケート用紙っていうかフィードバック用紙があるじゃない。あそこに、けっこう殴り書きでぼろくそかいてくる人もいるんだよね。

dogまぁ、そういうのはよく聞く話だな。でも、それってぜんぜんトーストマスターじゃないよね。何しにきているんだろうと思うよ。

トーストマスターなら、最低でもEvaluationのスキルを使うべきなんだろうね。つまり、よい点をほめ、改善点を具体的に提案とともに提示する。このスキルって、トーストマスターの例会を一歩出るとどこかへ行ってしまうんだろうね。まぁ、私にもそういうところはあるからあんまり人のことは言えないけどさ。

cat実際問題、新しくクラブに入った人の中には、そういうのを見てかなり心象を悪くしてすぐに退会するか、次回のSemi Annualの更新のときに辞めていく人もいるんだよね。

dogうーん、ますますトーストマスター的じゃないな。私はねー、トーストマスターの中にいろんなミスマッチがあると思っている。これは人間社会のどこにでもあるからある意味仕方ないんだけどね。

私が思うミスマッチってね。たとえば、ある人が英語教室とか英会話サークルを探していたとする。たまたま市の広報誌でトーストマスターズを見て見学に行った。

そうすると、みんな英語ですごいスピーチをしている。しかも非営利のサークルときていて会費も安い。

すごいけど、自分にやれるかわかんないけど、二回、三回と見学してトーストマスターズの教育システムがわかってきてすばらしいと思って入会する。つまりX年後に、ベテラン会員のように英語で立派なスピーチをしている自分の姿を夢見ているんだよね。

で、タイマーとかアイスブレーキングとかいろいろとやってみる。いつも暖かいEvaluationやフィードバックをいただく。失敗してもそのことを責める人は誰もいない。

「すばらしい!」

さて、秋のコンテストということで、実行委員長から「○○さん、受付をやってもらえますか?」とお願いされ、「私、そういうのやったことがないので、できるかどうか自信がありません。」とお断りするけど、実行委員長から「大丈夫ですよ。経験者の方からサポートしてもらえますよ。」といわれやってみる。なんか来場者の人からわけのわからないことで怒られたけど無事勤め上げる。

翌年4月。次期役員選挙で、推薦委員さんから「○○さん、来年6月からクラブの役員をやってみませんか?」と推薦を受ける。もちろん、「入ったばかりですし、何もわかりませんから、どなたか経験のある方にお願いします。」と辞退するけど、「大丈夫ですよ。経験者の方からサポートしてもらえますよ。」といわれやってみる。途中で、いろいろな難しい問題もあったり、会員から怒られたりし、ふと気がつく。

「自分は何しにトーストマスターズに入会したんだっけ?」とね。

ミスマッチだったかもしれないってね。

catうーん、わかるけど、逆もあるんじゃないの?超ベテランでTMのことを何でも知っている人が、クラブの経験の少ないメンバーに「愛のムチ」とばかり厳しいコメントや、さっきの受付での「血相を変えて文句」言ったり、フィードバック用紙にぼろくそ書いたり。本人はなんとも思っていないけど、周りはみんな「ミスマッチ」と思ったり。

dogうーん、根が深いな。そうすると私も自分のことはTMにマッチしていると思っているけど、実はミスマッチなのかもしれない。マッチしていると思っているのは自分だけで、周りはみんなミスマッチと思っている。寒いな。

catま、そんな風に掘り下げるのは出口がなくなるからやめとこう。

dogコンテストでの役割とかクラブ役員とかってTMでいうと、リーダーシップトラックのほうじゃない。TMに来る人はたいていコミュニケーション、その中でもスピーチに魅力を感じてくるから、リーダーシップトラック的な部分のことをやらなければならなくなると、そこに著しくミスマッチを感じることがあるのは理解できるよね。

catでもさ、こういうサークルって必ず運営する人がいるし必要だよね。で組織の運営ってお互い様なんだから、いつまでも避けて通るわけには行かないと思うんだけどな。

dogでもいろんな問題があると思うよ。

まずリーダーシップにまったく興味がない人。たしかにもうご自身も60歳を過ぎて自宅ではご主人のお父さんの介護でつかれきっていて、トーストマスターズで大好きな英語に浸っていたい。そういう人にリーダーシップのディベロップメントっていったって酷だよね。年齢が高い会員が多いクラブだとこれはよくある。私も過去、ある人に役員をお願いしたら「今年85歳になる晩年の母と一緒にいる時間を大切にしたいのでほかの人に当たってください。」と断られたことがある。若い人ならまだこれからというチャンスはたくさんあるけど、ある程度年齢がいってしまうと人生の選択肢も若い人よりも少ない、少なくとも本人が少ないと思っていると、やらないだろうね。

それから、自分のスキルディベロップメントだけにしか興味のない人。英語大好きな人だったりするね。自分のことしか見えていないし考えていないから、リーダーシップポジションをお願いすると、けっこうびっくりされる。

次に、以前別の組織で役員をやってもうやりたくないと思っている人。思いっきりやって自分のリーダーシップの力をよく知っている人の中には、「自分があまりリーダーシップの力を行使しすぎると、周りを振り回してかわいそうかもしれない。」と遠慮している人、あるいは逆に組織の役員をやってひどい目にあっている人は、もうやりたくないと思っているかもしれない。

次に、リーダーシップ未経験で、自分にはできないと信じ込んでいる人。でも、こういう人はいけるかもしれないよね。

catまぁ、いろんなパターンがあるよね。ところで、TMIはここら辺の運営ノウハウとしてなんていっているの?

dogお、いい質問だね。プレジデントマニュアルの、、、、

catお、いつもプレジデントマニュアルを持ち歩いてるの?すごいね。筋金入りだね。

dog任しといてよ。27ページ目のMembership Buildingにこうある。「We live in a mobile society in which people often change jobs, residences and lifestyles. Because of this, people may find it difficult to make a strong commitment to a Toastmasters club. Therefore, even clubs with 40 or more members need to continually bring in new members. Not only does building membership add to your club’s roster to give you a stronger base of leaders, it provides the club with a continuous flow of fresh, new ideas and personalities.」

日本語にするとこういうことでしょう?

「私たちは、頻繁に職を変え、住む場所を変え、ライフスタイルを変える移動社会で暮らしています。これにより、私たちは、ひとつのトーストマスターズクラブだけに自分の時間を割いていくことは難しくなっているといえます。それゆえ、クラブが40人以上の会員がいたとしても常に新しい会員を入れていくことが求められます。会員を増やすと言うことは将来のリーダー候補を確保することのみならず、クラブに常に新しい考えや個性をもたらします。」

つまり、新会員を常に入れていくことで将来のリーダー候補をその中から見つけ育てていこう、といっている。この考えは正しいと思うよ。クラブに今リーダー候補がいなければ、新入会員を勧誘してそこから育てていくしかないからね。

catそうだね。リーダーシップにまったく興味がない人に無理強いすることはできないからね。

dogでもね、いつも思うんだけどトーストマスターズにいると、いつの間にかリーダーシップをある程度実践しているんだよね。これに気づくと、「あ、今自分がやっているのがリーダーシップか」って腑に落ちるんだと思うよ。

たとえば、TMODね。司会者。あ、君のクラブはTMOEなんだよね。夜の例会だからね。

これってある意味リーダーだと思わない? 次回例会を仕切るってゴールがあって、それに向けて役割を持った人を集めて確認して、その役をやってもらう。当日はみんなの前で司会をやる。つまり、その例会の準備でリーダーシップを発揮して、例会の中でみんなの前でリーダーシップを発揮している。

別にクラブの会長でなくても実はリーダーシップを実践しているんだよね。

総合論評だってそうだよね。General Evaluator。これだって、例会前に各Evaluatorたちと連絡を取り合って、何?君のクラブはやってない?ま、いいや。で当日の論評セッションをみんなの前で仕切る。そして役割を持った人が無事勤めを終えたら、拍手で感謝の意を伝える。ね?これってリーダーシップそのものなんだよね。

catそうだね。

dog今はコミュニケーションマニュアルとリーダーシップマニュアルが分かれてしまったけど、以前はBasic Manualはコミュニケーションとリーダーシップだったからね。

私がトーストマスターズに入ってしばらくして、実はリーダーシップを実践していることに気がついたときに、「コミュニケーションとリーダーシップ」って切り離せないんだなって気がついたんだよ。

たとえばスピーチコンテストを運営するときに、トーストマスターズで学んだスキルとフルに活用すれば、そんなに特別なことをしなくてもできるんだよね。

そもそも我々は例会を月に2回やっていて、ま、月1回のクラブもあるけど、年間例会を20回やっている。例会のプログラムもよく見ると、スピーチコンテストと基本的な構成は同じだね。ま、コンテストは勝負だからエネルギーのレベルが違うけど、基本は同じだよね。

だから、逆に言うと、我々はコンテストの予行演習を年間20回もやっているようなものなんだよね。だからコンテストの運営がいやっていうのは、トーストマスターズから学んでいないんじゃないのって言いたくなるんだよ。

cat熱いね。

dog熱いよ。でも、そう思わない?

catわかるよ。で、もういちど「いろいろとうるさくいう奴」のことを思い出してみて。まぁ、もうすこし前向きな言い方をしよう。

正直我々は感謝の心が足りないのかもしれない。自分のことを振り返ってもそうなんだけど、トーストマスターズに入会する前って、こういう行事があると、けちをつけるとか厳しいことをいうのが貢献だと思っていたんだよね。だからコメントシートを書くとき、感謝の心ではなく、なぜか怒りがこみ上げてきて批判を書いていたことがあったな。

でも、トーストマスターズって、ちょっと宗教っぽいって思うことも正直あるけど、リコグニションっていって感謝の気持ちをきちんと表すでしょう?あれってやっぱり大事なことなんだよね。

コンテストって正直我々のエクストラな時間を使ってやるじゃない?だからしんどくて当たり前なんだよね。しかも、我々は仕事や家庭のほかにトーストマスターズをやっている素人集団なんだよ。だからプロみたいにはできないよね。失敗しないほうがいいけど、失敗するんだよ。

そこをあげつらってコメントシートに殴り書きするって、スピーチの論評だったら乱暴なフィードバックをするのと同じなんだよね。乱暴なEvaluationで即退会したって例をたまに聞くからね。コメントシートにそんなコメントを書く人ってやっぱりトーストマスターズから学んでいないと思うな。

コンテストを主催したクラブにもっと感謝の意を表さないとね。初めてコンテストの中で何か役割を引き受ける人もいるかもしれない。そういう人に感謝の心を伝えるって大事だし、リーダーを育てる、人を育てる上で大事なんだよ。

それができていないと、もうコンテストなんて二度といやだ、もうトーストマスターズなんてこりごりってやめていくし、来期のコンテスト主催クラブを募集してもだれも手を挙げないってことになるよね。

コミュニケーションとリーダーシップを標榜するトーストマスターズクラブなんだから、組織をあげて育てないとね。たった一言の乱暴な言葉がリーダーシップを学ぶ機会を奪うことになるって肝に銘じないとね。

dogなるほど。

catさっきミスマッチの話をしたけどさ、ある人がね、トーストマスターズに入って一年くらいしてから、「どうも、トーストマスターズって自分がやりたかったことと違う。ミスマッチだったな。」って思ったんだって。

dogで、やめたの?

catいや、この人は、それまでのトーストマスターズでの学びを振り返って「自分が最初やりたいこととは違うけど、トーストマスターズに入って自分が思っていた以上のことを学んだ。」から、続けようと思ったらしいよ。

dogふーん、いい話だな。

catだろ?ふー、今日はいろんなこと話たな。何話たっけ?

dog勘弁してよ。もうそろそろ終電がなくなるから帰らないとやばいよ。でも一言で言うと、やっぱりこういうボランティアのただ働きの組織って、貢献という労働に対しては、感謝という通貨が対価なんだよね。労働に対して対価が支払われるから回っていくんだよね。いっそのこと思いっきり感謝してボーナスにするのもいいよね。

catうまくまとめたな。コミュニケーションと「リーダーシップ」というけれど、別に特別なことじゃないんだよ。我々はいつの間にかリーダーシップを実践していて、案外気がついていないのは本人だけかもしれない。さすが80年の歴史のあるトーストマスターズプログラム。巧妙だな。

dogはは、ま、がんばろうよ。

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第285話:映画 School of Rock

何年か前に見た映画School of Rockのことをことあるごとに思い出します。

あらすじ

あるバンドをクビになった主人公が、音楽教師の肩書きを語って名門の私立小学校に雇われます。経歴詐称ですね。授業なんかやる気がないのですが、ひょんなことから子供たちのロックの話をしたら子供たちもノッてしまいます。話は盛り上がり学校や親には内緒でこのクラスでバンドを結成。その街のロックバンドコンテストに出場することに。ところが、主人公の正体がばれてしまい、、、

詳しい話は

なぜ思い出すか?

  • 「知っている」ってかっこいい。オタクってかっこいい。マニアってかっこいい。
  • 主人公のロックに関する知識はハンパではありません。とくに子供たちにロックの歴史を教えるシーンでは、黒板いっぱいにロックの系譜を所狭しとぎっしりと書きます。ロックの話をしているときの主人公の神がかった目はものすごくかっこいいといつも思い出します。
  • トーストマスターズにもマニアがいっぱいいます。世界大会でそういう人に出会いましたが素直にあこがれます。香港のEddie Lee(昨年のInter-District B3位)もそんな一人でした。たった20分間で過去のチャンピオンたちのWinning Elementsについて学びました。

  • 子供の教え方がうまい
  • 最初は、「このおじさん、アブナイ。」と思いっきり警戒する子供たちの心を、いつしとらえ一流のバンドとして育てます。子供たちを一人前として敬意を払って扱い、よいところを心からほめ、子供たちをノセていくところは見事です。
  • 10歳くらいの女の子に、「お前の才能は、、、、、タダモノではないぞ。」というところのアイコンタクト、声の調子はとても勉強になります。こういわれたら誰もがうれしくなりますよね。
  • 人を育てるとはこういうことか、ととても勉強になります。

ストーリー自体は、予定調和的でB級映画といえばB級なのですが、それでも主人公のもつミュージシャンとしてコーチとしての「ホンモノ」の雰囲気はすばらしく魅力的です。

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第251話:やってみませんか?チームビルディングゲーム

今日(5月23日)から中国昆山市におります。昆山市は上海から西へ車で約90分のところにあります。上海蟹の産地である陽澄湖があるところでもあります。
そこで、私の勤務先の中国の現地法人のITマネージャーさんたちが参加するチームビルディングトレーニングに参加していました。

トレーニングを行うのは外部の専門のトレーナーさんたちです。昨日、4つの課題が終わりましたが、その中でとても面白いトレーニングを経験しましたのでその話をします。なんという名前のトレーニングなのかはわかりませんが、「めくら蛇の宝探し」とでもしておきましょうか。(この記事の最後にビデオをつけておきましたのでご覧ください。百聞は一見にしかず)

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ここで紹介する理由は①楽しく②チーム内のよりよいリーダーシップとコミュニケーションが学べる。からです。単純な遊びのように見えて実はとても奥が深いゲームです。

★概略
チームごとに分かれ、前の人の肩に両手を置いて「蛇」をつくり、制限時間内にその場所にあるボールをたくさん集める。(ボールは軟式のテニスボール)Sany0286

  • ★ルール
    「蛇」を作る人は全員目隠しをして見えないようにする。ただし最後尾の人は目隠しをしない。
    ゲームが開始したら、しゃべってはいけない。コミュニケーションはすべて体を使います。
    全部で2ゲーム行う。一ゲームが終わったところで反省時間が設けられ、どうすればさらにうまく探せるかの話し合いができる。

★ボールの捜し方
最後尾の人は、そのチームで決めたシグナルを使って「蛇」の先頭の人に右、左、進め、止まれなどの合図を送る。「蛇」の中の人は後ろから来たシグナルを正確に自分の前の人に伝令する。

★ゲームを開始する前に
15分ほどの作戦タイムがあります。ここで各チームごとの合図を決めます。作戦タイム内で、実際に練習してみながら合図の精度を上げていくことができます。

たとえば、「右へ曲がれ」はどうやって先頭に知らせるのか?右肩をたたくのか?それとも自動車のハンドルのようにグイっと前の人の肩をよじるのか?チームごとに決めてよいのです。

★勝負の分かれ目
なんといって作戦タイムと1戦目の後の反省会での時間の使い方です。

  • ここで、わかりやすい合図を決めること、あるいは合図を改善すること。
  • 各自が自分の役割をきちんと理解すること。

リーダーが限られた作戦タイムを効率よく使えるか、チーム内のコミュニケーションをうまく交通整理し、メンバーにわからせることができるか?にかかっています。

★私たちのチーム
残念ながら相手チームに大差をつけられて2敗しました。
以下、相手チームが勝った理由、私たちのチームが負けた理由です。

  • 相手チームのリーダーが優秀だったのと、メンバーがリーダーの言うことを尊重した。(私たちのチームは、リーダーがしゃべっているときにも自分の意見をめいめい言う人が多かった。)
  • 相手チームには、気の効いた人がいた。どこかから集めたボールを入れるスーパーのポリ袋を見つけてきて、蛇の先頭の人はそれを腰につけていた。たくさん集めた際にもそれで対応できる。(私たちのチームは1戦目のときに、先頭は集めたボールをズボンのポケットに入れていました。ズボンのポケットのキャパはせいぜい4つでしょう。)
  • 相手チームは、右、左、止まれ、進め以外に、ボールがある場所についてから、ボールをどのように捜すかのシグナルまで用意していた。

★トーストマスターズへの応用

  • 単純に、クラブの「遠足」やバーベキューのときの余興として行うのもよいでしょう。ルールが簡単なので子供でも参加できます。(日差しの強い野外で行う場合は、アイマスクをはずす際にゆっくりはずし、ゆっくり目を開けるようにご指導ください。強い日差しに目を慣らす意味です。)
  • Club Officer Trainingの際に、講義が始まるまでのアイスブレーキング、かつチーム意識の醸成のためにこのゲームを行って、それから講義に入るのもよいなと思いました。(ある程度広い部屋でやったほうがよいです。できれば屋外がよいですね。)

★用意するもの

  • 人数分のアイマスク。(こちらではアイマスクの下にティッシュを重ねて、さらに厳重に見えなくすると同時に他人が使ったアイマスクからの眼病の感染を防止していました。)
  • 柔らかなゴムボール(テニスの軟球など)。ただし、ボールでなくてもよい。

★補足
私以外は全員中国人、香港人、台湾人という中華世界でのトレーニングです。中国人たちが母国語でディスカッションをするのを見たのは初めてです。これまで見たのは中国人による英語のディスカッションでしたので、英語ができる人が主導権をとっていました。母国語でのディスカッションはとても活発で、英語による会議よりもはるかに盛り上がりました。実は今回参加したのは、中国人がどのように会議を行うかを見たかったという理由もありました。

★ビデオでわかるもの

  • 蛇の最後尾の人はアイマスクをしていません。この人がボールを見つけて、シグナルを送ります。
  • このビデオでは、最後尾の人がボールを見つけて合図を送り、蛇のそれぞれの参加者が前にシグナルを送って、先頭の人がしゃがみこんでボールを見つける様が映っています。

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第240話:クラブ役員選挙の例

大和バイリンガルクラブを立ち上げた翌年When You Are The President(通称President Manual)を見ていて、トーストマスターズクラブの役員選挙の進め方を見てびっくりしました。それまでは推薦委員会(Nomination Committee)から候補者名簿の発表があって、会員がそれに投票して選んでいましたが、このマニュアルにある方法はやり方がまったく異なりました。

実際にPresident Manualのとおりにやると、40分から1時間くらいかかってしまい、途中で退屈にもなり文句も出るのですが、やはりこれが標準としてある以上やってみる価値はあります。実際に世界大会のInternational Directorの選挙でもこの手順です。

もっと手際よくやる方法、楽しくやる方法も考えられそうです。

というわけでちょっと見てみましょう。英文は2004-2005年版President Manualからの抜粋で日本語の会話分はそれに基づいて実際の進行を想定してみました。

STEP 1 : Accept nominations for the office of President. A member of the nominating committee should nominate the committee’s candidate(s) for the office.

  • 橋本会長:それでは来期会長候補の受付を行います。推薦委員長の渡辺さん、会長候補を発表してください。
  • 推薦委員長:来期会長候補は、豊臣さんです。

STEP 2 : Ask for the seconding speeches. Any member may stand and second the nomination and give a short speech (usually two minutes) on the qualifications of the nominee. Seconding speeches should be given in alphabetical order by candidates’ last names.

  • 橋本会長:ありがとうございます。豊臣さんへの応援演説のある方、お願いいたします。
  • 田中さん:(挙手して)はい、会長。
  • 橋本会長:田中さん。2分以内でお願いいたします。
  • 田中さん:会長、ご指名ありがとうございます。豊臣さんは私たちの来期会長としてふさわしい方だと思います。現在豊臣さんは教育担当副会長ですが、就任されてから今日まで例会のプログラムのアレンジや、数々のワークショップを企画され、トーストマスターズの教育プログラムに対する深い理解だけでなく、しっかりとしたリーダーシップも発揮されました。来期会長としてふさわしいと思い応援いたします。

STEP 3: Ask the nominee if he/she will accept the position if elected. Allow the nominee two minutes to speak on his/her behalf.

  • 橋本会長:それでは、会長候補の豊臣さん、この推薦を正式にお受けになりますね?
  • 豊臣来期会長候補:はい。お受けいたします。
  • 橋本会長:ありがとうございます。それでは豊臣さん、受諾演説を二分程度でお願いいたします。
  • 豊臣来期会長候補:会長、ありがとうございます。皆さん、こんにちは。このたび推薦委員の皆様から来期の会長候補として推薦をいただいたときは「この私に勤まるかな?」と不安を覚えました。しかし現在の会長の橋本さんからPresident Manualを見せていただき、会長というのはやりようによってはクラブをとても楽しくすることができることに気がつき、ぜひ挑戦してみたくなりました。謹んでこの推薦をお受けしたく思います。

STEP 4: Ask for additional nominations for the office of President. If others are nominated, repeat steps 2, 3, and 4 for each nominee.

  • 橋本会長:豊臣さん、ありがとうございました。それでは、ほかに本日会場からの立候補はありますか?
  • 橋本会長:ありませんか?

STEP 5 : Entertain a motion to close the nominations for the office of President. This requires a second and a vote.

  • 橋本会長:無いようですので、立候補受付締め切りの動議を受け付けます。
  • 会員A:立候補受付締め切りを提案します。
  • 会員B:提案を支持します。
  • 橋本会長:立候補受け付け締め切りの動議が提出され支持を得ました。
  • 橋本会長:賛成の方は「賛成」とおっしゃってください。
  • 出席者:賛成
  • 橋本会長:反対の方は「反対」とおっしゃってください。
  • 出席者:....
  • 橋本会長:賛成多数と認め、立候補受付を締め切ります。

STEP 6 : Instruct everyone to cast their ballots. If there is only one nominee, entertain a motion that the Secretary be instructed to cast a single ballot on behalf of the candidate. This must be seconded and voted upon. If more than one candidate is nominated, hold a secret ballot.

  • 橋本会長:さて、会長候補はお一人ですので、「書記が候補者の代わりにクラブを代表して一票を投じる」動議の提出をお願いします。
  • 会員C:書記が候補者の代わりにクラブを代表して一票を投じてはいかがでしょうか?
  • 会員D:提案を支持します。
  • 橋本会長:「書記が候補者の代わりにクラブを代表して一票を投じる」動議が提出され、支持されました。
  • 橋本会長:賛成の方は「賛成」とおっしゃってください。
  • 出席者:賛成
  • 橋本会長:反対の方は「反対」とおっしゃってください。
  • 出席者:....
  • 橋本会長:賛成多数と認め、書記に代表して投票していただきます。
  • (書記が投票)

STEP 7 : Ask two people to tally the votes.

  • 橋本会長:それでは村田さんと佐藤さん、開票してください。
  • 村田さん:豊臣さんです。

STEP 8 : Announce the winner.

  • 橋本会長:豊臣さんが、来期会長として選出されました。

以上の手順を、教育担当副会長(VPE)、会員担当副会長(VPM), 広報担当副会長(VPPR)、書記(Secretary), 会計(Treasurer)、会場・管財係(SAA)まで繰り返す。

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この前提としてやることがいくつかありますが、ここでは割愛します。(候補者は前回の例会ですでに発表されていること、、など)

Step 5と6でParliamentary Procedureが使われているのがお分かりになると思います。

またここでの投票は、挙手ではなく声による投票(Voice Vote)にしました。その理由は時間短縮のためです。大和バイリンガルクラブでは過去2回この方式でやりましたが、決議をとる際に挙手による投票を行いまして、ここで非常に時間がとられました。書記(Secretary)が形式上とはいえいちいち数えたからです。

候補者が複数いる場合は、それなりの手順になりますが、ここでは割愛します。

個人的には、Step5でいきなり信認投票に持っていってさっさと決めてしまいたいです。

大和バイリンガルの選挙は5月10日。楽しい選挙になればとよいと思っております。

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第164話:クラブプレジデントの"報酬"(給料とボーナス)

クラブのプレジデントの仕事に対する見返りの考え方はいろいろとありますが、能力開発の観点からみると4つの"報酬"があると思います。もちろんこれは「まじめに」(自分の尺度で)勤め上げたときに限ります。

その4つとは次のものです。すべて比ゆ的に言っていますので、何のことか想像してみてください。

  • ① 給料(毎回の例会が終わってからの支払い)
  • ② ボーナス1(7月から始まって翌年の5月ころに支払われます)
  • ③ ボーナス2(6月末で任期を全うして支払われます)
  • ④ ボーナス3(3月あたりに支払われることがあります)

それぞれについて説明します。

① 給料(毎回の例会が終わってからの支払い)==> スピーチの力

クラブプレジデントは、そのクラブでいちばん話をする機会が多いとおもいます。この機会を前向きにとらえ、あたかもPrepared Speechを準備する要領で、原稿を書き、練習し、Vocal Variety, Body MovementなどのDeliveryや、もっとも大事なTime Managementに注意を払って磨きこんで本番をこなせば、間違いなく人前で話をすることに対する抵抗感が薄まり、スピーチがうまくなります。

正確に言うと毎回の例会の直後に実際に給料みたいにきちんきちんと目に見える形で「支払われる」わけではありませんが、間違いなく血となり肉となっていっています。

② ボーナス1(7月から始まって翌年の5月ころに支払われます)==> 人脈

毎回の例会をまじめに回し、また秋・春の役員研修やコンテストに地道に足を運んでいると、顔見知りも増えます。お互いのクラブの情報交換をしているうちに同じ苦労をしていることに気づき親近感が沸き、合同例会をしよう!につながって個人的な信頼関係がどんどんまして行きます。これはかけがえのない宝だと思います。私も多くのトーストマスターと知り合いになり、同じ釜の飯、酒を通じて、いまでも親しくお付き合いさせていただいています。この人脈は年月を経て熟成し芳醇なものとなりトーストマスターズで得た最高の財産だといつも感謝しております。

③ ボーナス2(6月末で任期を全うして支払われます)==> 経験

一年間クラブを運営するとプレジデントとしての仕事が実地で体験できますので、学んだ知識を整理整頓し、またOfficer Manual(When You are the Club President)を読み直しながら考えてみると、リーダーシップとマネージメントというものについて自分なりに合点で行くようになります。いつか機会があればもう一回やってみるとさらに理解が深まります。私自身の学びを振り返ると、リーダーシップというものはコミュニケーションそのものだということの気付きが一番大きかったです。リーダーとして組織を回すにはよいコミュニケーションが欠かせない。リーダーシップのスキルを向上するにはコミュニケーションのスキルもあげないといけない。トーストマスターズがCommunication and Leadershipといっているのはここにあるのか!という気づきが大きかったです。

④ ボーナス3(3月あたりに支払われることがあります)==>次のステップ

例年3月ころから次期ディストリクト役員の選出の準備が始まります。指名委員会が「○○さん、来期の◎◎◎をお引き受けいただけないでしょうか?」とコンタクトしてくることがあります。これもまた次のステップへのチャンスです。

エリアガバナー、ディビジョンガバナー、ディストリクト5役はDistrictを全体的に俯瞰できるまたとないポジションだと思います。ECミーティング(Executive Committee)が年に5回ほどあり、遠方で行われることも多く経済的な負担は確かにありますが、トーストマスターズのサービスリーダーシップについて考えを深めるまたとない機会です。

御自身のスキル目標を勘案してこの機会を前向きに利用するのもよいと思います。

私は過去にエリア32(厚木座間、鎌倉、湘南、田園都市、三笠、横浜の各英語クラブのエリア)のガバナーを勤めさせていただき、大変充実した一年を送ることができました。

それだけでなく、Districtの運営、予算の流れ、TMIがDistrictをどのように見ているか、TMIがToastmastersをどのように大きく発展させようとしているかなどさまざまな仕掛けを見ることができたのは大収穫でした。

では、この”報酬”の額はどのように決まるのでしょうか?

それは自分自身が決めるものだと思います。より大きな見返りがほしければ自分でそれなりの段取り、勉強と活動をすることだと思います。

クラブプレジデントは間違いなく「やったもの勝ち」です。

蛇足ながら、今年の国際大会でInternational Directorたちに出会ってしまった私としては、彼らの"報酬額"の巨大さに圧倒されてしまいました。ものすごい(すばらしい)仕事です。

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第127話:「リーダーシップ」のプロセス

昨日の大和バイリンガル例会へは、初めて手ぶらに近い状態で出席しました。今年6月末で役員の任期が終了し、7月から「ヒラ会員」になりました。「ヒラ会員」は例会に持っていくものがとても少ないのです。逆に言うと役員はさまざまな資料を準備し例会に臨みますので、荷物が多い。役員と一般会員の背負っているものの重さの違いを体感いたしました。

昨日の大和バイリンガルの例会中、私は初めて「口を挟みませんでした」。新しい役員さんたちですので、それほどスムーズに進むわけではありませんが、それでも黙って見守っていました。いちばんの理由は「私が助け舟をださなくてもほかの会員の方々が、フォローされていたのを見て安心したこと。」にあります。(もちろん、「ヒラ会員」になったら私は新役員さんを信頼してお任せします。と宣言をしたこともあります。)

昨日の大和バイリンガルの例会での体験を振り返って、リーダーシップについてまたひとつ学んだ気がしました。つまりリーダーというのは「まず教える。やってみせる。やってもらう。任せる。」というプロセスであること。このプロセスがうまく回るとクラブは組織として成長するということです。

2004年7月にデモ例会をしてから新人さんがたくさん入会されました。クラブを立ち上げたのは初めてだったので、トーストマスターズの「常識」をまったく知らない大量の新人さんを前に、正直うろたえ例会中も「助け舟」を称して口を挟みました。

例会中、二次会、トーストマスターズのイベント、メールでトーストマスターズの「常識」をマニュアルから逸脱しないように、皆さんにお伝えしました。ほかのクラブのメンバーにもクラブに来てもらい、例会や二次会に参加してもらったり、ワークショップをやってもらったりもしました。

そのうちにトーストマスターズの面白さに気がついた会員さんたちが今度は自分たちでどんどん新しい「学び」を求めてほかのクラブに出張することも増えてきました。

例会を重ねるうちに新しい会員の皆さんも、プログラムを体で覚えていきました。たとえばタイマーの方が時間の報告を忘れたらすぐに「タイマーズレポート!」と助け舟を出したり、TMODが壇上で立ち往生してもすぐに助け舟を出したり、まさに自然に体が反応するようになって来ました。

2004年7月11日にデモミーティングをやって3年がたちましたが、大和バイリンガルクラブは体力もつき今期初めて創立者が独りもいない執行部が誕生しました。

「まず教える。やってみせる。やってもらう。任せる。」

このプロセスを頭の中で反復しながら、トーストマスターズの「Learn by doing, Recognition, Delegation」を思い出しました。そして山本五十六元帥の『やってみて、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ』 という有名な言葉を思い出しました。

私の次のチャレンジは、「ヒラ会員」の立場からいかにクラブを応援していくか(誉めてやらねば人は動かじ)だな、と思いました。

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第77話:Stay Focused - John LauからいきなりSkype

先日(9月24日)の朝10時ころ、迫り来るコンテストの準備にいそしんでいたら、パソコンに向かっていた家内が「John Lauがコンタクトを求めています、ってSkypeが言ってるで。」(注:大阪弁)といいます。
「何? John Lau? たしかToastmasterのInternational Directorにそんな人がいたような?」。でSkypeに向かうとたしかにExecutive Toastmasterの雰囲気を漂わす写真つきのコンタクトリクエストが画面に出ています。
「これは、面白いことになった」と、早速JohnにSkypeで電話をかけてみました。2回やって、2回失敗。JohnのSkype上の状態を見るとまだ「オンライン」です。「まだ、彼はパソコンの前にいる。急げ!」と、今度はSkypeのテキストチャットに切り替え、しばしチャットで簡単な自己紹介をしあいました。やっぱりInternational DirectorのJohnでした。(The Toastmaster magazineの表紙を開けるとInternational Officerのリストがありますが、その中の一人です。)

そのうち、Johnから「Skypeでの音声通話ができるようになったからかけてくれる?」といわれ、早速かけてみました。

ここからは、一言一句は再現しませんが、20分の彼との会話で非常にたくさんの重要なことを学びましたので、お知らせいたします。

Skypeについて
Johnは、Skypeを使って世界中のToastmasterたちとコンタクトを取り合っている。私を見つけたのは、Skypeの検索機能でToastmasterをキーに検索していたら、Toastmaster Azumaというのを見つけたので、かけてみた。
Johnの、Skypeのコンタクトリストには世界各国200人以上のToastmasterが登録されている。
Johnは、ToastmastersのInternational Directorという職責上、世界中のToastmasterからメールをもらうがそのメールの最後(Signature)にSkype名を入れている人が多い。

John自身について
Johnは、マレーシア領のボルネオ島に住んでいる。(東の注:ボルネオはマレーシア領の部分とインドネシア領の部分に分かれています)
Johnは、これまでの5年間で24のクラブを立ち上げてきた。(26だったかもしれない)

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さて、私はここで「2年前にクラブを立ち上げたが、安定飛行に持っていくのがなかなか大変と感じている。アドバイスをいただけないでしょうか?」とお願いしたところ、非常にシンプルで当たり前のことですが、私が忘れていたことを教えてくれました。

つねに「Stay Focused」を忘れないこと
つねにメンバーにFocusすること。メンバーが何を求めているかを知ること。メンバーの教育的な欲求が満たされればメンバーの満足感は高まる。
ClubにFocusするのではない、つねにメンバーにFocusすべきだ。
そのためには、つねにメンバーとメールや電話で連絡を取り合って、気軽にどんなことを求めているかを常に聞くようにすると良い。
John自身も、自分が立ち上げた24のクラブのPresidentにいつも連絡をとり、クラブが何を求めているかを知るように心がけている。

たった20分ほどの会話でしたが、International Directorになる人のエネルギーの強さ(5年で24クラブ。私は3年で1クラブ)、そして本当に基本(Stay Focused)に忠実にやっていることについて学び、いろいろとややこしいことで進路が見えにくくなっていた私の視界が晴れて来ました。

昨年、マレーシアクアラルンプールのD'Utama Advanced Toastmastersクラブで出あった最高のToastmasterたちに引き続き、また偉大なToastmaster's Spiritsに触れることができました。赤道に近いところにいるToastmasterたちは、とても熱くすばらしいです。

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第60話:「主婦」と付き合う

2004年、2005年と子供の小学校のPTAの副会長、会長をやりまして、そこでどっぷりとお母さんたちつまり主婦の皆様と御一緒させていただきました。この経験はサラリーマンである私にとって非常に貴重で、トーストマスターズクラブ運営にも役に立つと思い一筆取ることにいたしました。私のクラブにもたくさん御家庭で主婦をされている方がメンバーとしておりますが、こういうメンバーの方々とお付き合いしていくには、やはりそれなりのノウハウが必要だということに気づいたのです。私の知りえたノウハウをここに共有し、とくにサラリーマンの皆様がクラブ運営していく際にはずしてはならないポイントを見て行きたいと思います。

「主婦」の属性
古来「彼ヲ知リ己レヲ知レバ。百戦シテ危ウカラズ」(孫子の兵法)というように、まず主婦なる人々はどのような人なのかをよく知ることが大切です。

- 主婦とは、結婚されて家事、育児、親の世話、地域の付き合いのいずれかあるいは全部を担当されている女性をさす。
- そのライフサイクルにおいては、出産して育児に入って子供の高校を卒業するまで、老境に入った親の介護の時期は、超多忙で時間管理が成否を決める。
- 育てている子供、面倒を見ている親は往々にして「待ってくれない」ため最優先となる。そのしわ寄せはたいてい夫へのサービスレベルの低下という形で来る。
- 夫や家族の理解が必ずしもあるわけではない。
- さらに、PTAの役員、子ども会の役員、自治会の仕事など住んでいる地域に対する貢献も暗黙のうちに要求されている。
- 場合によっては、家計を支えるためにパートに出かける。
- そういう多忙な中でも自分を高める努力は惜しまない。惜しみたくない人が多い。
- 起床は、朝5:30から6:30(推定)。就寝は23:00から01:00(推定)
- 孤立すると、非常にストレスがたまる「職場」での仕事である。
- 有給休暇は、基本的にない。24時間、365日体制の仕事である。

ある意味有休があり福利厚生のあるサラリーマンよりも過酷な労働条件といえるかもしれません。

PTAで学んだこと
PTAを2年やっていてわかったことです。

- 役員をお願いしても、なかなか引き受けてくれない。(推測:未知の業務への不安と家族の理解が得られるかという不安と思われます)
- しかし引き受けたからには絶対にやる。PTAで役員をされる主婦の人たちは、非常に責任感が強いです。ですから、そうでない人には厳しい見方をされます。
- 一度決めた計画を簡単に変えてはいけない。PTAの役員を引き受けた時点で御自身の年間予定にPTAの活動計画を入れてしまい、そこから他の都合(パートを休む、子供会、自治会との調整、家族の行事の調整など)を決めてしまいます。したがって、予定を変えると、しかも直前に変えると再度スケジューリングをやり直すことになるので、大変困った顔をされます。
- やって欲しいことは、明確に伝える。しかし、恐怖を武器に指示・管理をしてはいけない。ある学校ではっきりものをいう女性がPTA会長をやっていたときに、彼女と役員さんたち、運営委員さんたちとであちこちで衝突が発生し、「PTAやると大変だよ。」といううわさが流れ、翌年PTA役員の候補者探しで苦労したそうです。

トーストマスターズへの応用
さまざまな属性を背負ったメンバーがいる中で、主婦だけにフォーカスしたクラブ運営はバランスを崩す可能性があります。
ここで提案したいのは、クラブ運営の際には、「時間的に融通がきくメンバー」と「そうでないメンバー」がおり、主婦は、時間的に融通のきかないメンバーと位置づけ、彼女たちが活動しやすい配慮をしていくということです。

そのためには、やはり一年間の活動計画をしっかりと立てて、立てたらあまり変えないということが「主婦と付き合う」際の肝要のように思っております。

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第49話:がんばれPresident (夏バテからの脱出)

新しいTM Yearとなり、皆さんがPresidentとなって2ヶ月が経ちましたね。いかがですか?期待通りだってでしょうか?期待以上だったでしょうか?

何人かのPresidentから、「こんなにめんどくさいとは思わなかった。」という声を聞くようにもなりました。昨年もちょうど9月くらいに何人かのPresidentからそんな話を聞きました。一昨年もそうでした。

そのとおり、Presidentとは面倒くさい仕事なのです。私も、初めてTMでPresidentをやったときに、ちょうど9月くらいになって「面倒くさいなー」と思いながらやっておりましたから。

いろいろな相談が、すべてPresidentに持ち込まれてきます。細かなもの、大きなもの。ひとつが解決しないうちに次の問題が来ます。こちらからは小さな問題に見えても、相談する人にとっては結構大変な問題だったりしますので、邪険に扱うことはできません。かといってあまりかかりきりになると、他が止まってしまいます。どの問題にどれだけ時間をかけるかの見立てが最初のうちはうまくできません。で、いろいろ抱え込んで飽和状態になると「あー面倒くさい!」になってしまうのです。Presidentのマニュアルのとおりにもいきませんね。

でも、もう一度言います。こんなものなのです。Presidentの仕事は。 Preisdentだけでなく組織の長の仕事は大体そうですね。組織の長の仕事は、たくさんの人を扱う仕事ですから、そこを避けて通ることはできません。

ですから、運命だと思って覚悟を決めて、そして何よりもスキルアップだと思ってやってみましょう。これまで組織の長の経験のない人にとって、トーストマスターズの環境というのは、非常にリスクの少ない環境です。最悪クラブ運営を失敗しても、クラブが倒産して多額の負債を抱えるわけでもありませんから。うまくいかなくても6月30日が来れば交代です。もしその経験を「失敗」だと思えば、何が失敗だったのか、どうすればうまくいったのか、そこから学べばよいのですから。うまくいけば儲けものです。

それよりも、ここでの経験は今後PTA、自治会などの長になったとき、会社で管理職になったとき、自分でビジネスを始めるときに必ず生きて来ます。

さて、いろいろ抱え込んで飽和状態になってきたように感じたら、次のことを考えて見ましょう。

★問題をすべて頭の中から出して優先順位を付ける
さまざまな案件は、重要度、優先度もまたさまざまです。平等ということはありません。締め切りがある案件は、他の締め切りがある案件と「締切日」で比較して優先順位を決めます。その案件がクラブ全体にかかわるものかある個人だけに関係するものなのかでも優先度は決まります。ある個人だけに関係する問題でも、その個人の名誉に関係する問題は優先順位は高いです。
複数の案件の優先度を決めるのは、頭の中ではなかなか難しいです。ですから紙に書く。頭の中から出して客観化して決めると楽です。私はエクセルを使って「重要度」「締切日」「クラブ全体かどうか」「解決しなかった場合のリスク」を各案件ごとに点数を付けて、点数の合計がもっとも高い問題から優先的に解決していくようにしています。もし優先順位を自分で付けることができなければOfficerと協力して決める。Officerで優先順位を決められなかったらクラブで決める。クラブで決められなかったら、、、コイン・トスで神様に決めてもらいますか?

★他のOfficerにどんどん任せる
本来VPEがやる仕事、VPMがやる仕事、Secretaryがやる仕事までやっていませんか?「まずPresidentが率先して」という考えも悪くないのですが、TMでPresidentをやる中で学べることはDelegation(権限委譲)です。いろいろと抱え込んできたら、本来誰の仕事なのかを考えてその人に積極的に仕事を渡していきましょう。
「Presidentばかり忙しくてVPE, VPM, VPPRが暇」というのはやはりよい姿ではありません。なによりもそんな形に自分を持っていってしまって「だれも助けてくれない」と不信感を持ってしまうのは最悪です。Officerは仕事を待っていると思ってください。どんどん任せて行ってください。それが本来の姿です。

この二つをやって、早く身軽になってください。Presidentが問題を抱え込んで動かなくなるとクラブが動かなくなりますから。

この感覚に慣れてきて、少しづつ組織を回せるようになってきたら、少しづつ達成感を味わえるようになります。これこそがPresidentの醍醐味。苦しさの向こうには、こんな喜びもあるのです。

がんばれPresident!

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