第258話:論評チャンピオンによる論評ノート術ライブデモ

6月28日は大和バイリンガルクラブの役員就任式(Officer Installation Ceremony)でした。毎年、神奈川県大和市にある北京飯店という中華レストランで行います。

さて、昨日の目玉は「2007年D76日本語論評チャンピオン 小林美枝子さんによる論評ワークショップ」でした。

このワークショップの最大の見せ場は、モデルスピーカーのスピーチを聞きながら小林さんが取る論評用のメモをスクリーンにライブで投影していくところです。(写真は、掛川さん(右)のスピーチを聞きながら、メモを取っている小林さん。スクリーンには、小林さんのメモと小林さんの右手が映っています。小林さんは、二本のペンを同時に持ってメモをされていました。)
Eval_live



参加者は、チャンピオンがスピーチを聞きながらどのようにノートを取るのか、ライブで確認し学ぶことができました。さらに作成したメモをどのように論評スピーチにまとめ上げるのかのプロセスも実際に体感しながら学べました。

小林さんは、A4サイズのOHP用の透明なシート3枚いっぱいにメモをびっしりと取られ、それに基づいての論評をされたのですが、普段ベテランの論評者がどのようにメモをとるのか見る機会は滅多になく、「こんなにびっしりメモを取るのか!」と感嘆の声があがりました。

論評ワークショップは、次の構成で進行しました。
1、イントロ
2、モデルスピーチ(掛川さん、基本マニュアル プロジェクト10)&論評メモライブデモ
3、小林さんによる論評
4、出席者全員による論評(良い点を中心に)
5、事前に出席者から出された質問に小林さんが回答するセッション
6、「いいところ探し」論評ゲーム
7、クロージング

チャンピオンが惜しげもなくノウハウを公開して下さった実に豪勢なイベントでした。

小林さん、ありがとうございました!

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第237話:コメントシートのチカラ

私の所属する大和バイリンガルトーストマスターズクラブのパーキンスさんは、これまでクラブ例会やコンテストで聞き手の皆さんに書いてもらったコメントシートをすべて保管しています。彼の宝物なのだそうです。

私もベーシックマニュアルに取り組んでいるときは、プロジェクトが終わるたびにいただいたコメントシートをベーシックマニュアルに貼り付けていました。そういえば最近はやらなくなりました。初心を忘れてしまったようだと反省心が沸いてきます。

コメントシートに書かれた短いコメントに、これまで何度も助けられました。短く「Good speech!」「I was impressed!」とだけ書かれたものを見てはニンマリしたり、逆に「Your pronunciation was very bad」と書かれたものをみて正直ムカッと来たり。

でもやはりそうはっきり書かれたものは、あとからも気になって結局本屋で発音の本を買ったりそれまで以上に発音に気をつけたりと、結局役に立っています。

一般的に、論評の上手なメンバーは、コメントシートの書き方、コメントの仕方も同じように上手だと思います。論評の上手なメンバーは時間管理もうまい。決められた時間の中で何を伝え、何を言わないかの取捨選択もうまい。そのスキルがコメントシートを書く際にも反映されるのだと思います。

コンテストでコメントを書くのはスピーチとスピーチの間の一分間ですから、3つのよい点や改善点まで掘り下げて書く時間はなくエッセンスだけになってしまうのは仕方ないかもしれません。だから、ときとして本意でなくてもきつい一言になってしまうのでしょうね。

私は8年近くトーストマスターズをやっていてきついコメントに対する耐性もそれなりについています。しかしきついコメントをもらった新しいメンバーが二度とクラブに来なくなってしまったという話は、きつい論評をもらって来なくなってしまった事例とを同じようにたまに聞きます。

過去、私も心無い論評やコメントでメンバーを傷つけてしまったことが多々あります。今思い出しても心が痛みます。

その反省もあって、現在は私はどんな理由があってもきついコメントは書かないように心がけています。スピーチを聞いて心の中が泡立ったら落ち着くまで待ちます。それがトーストマスターズだと思うからです。しかし未熟さから知らないうちに人を傷つけているかもしれません。(そうならないように祈るばかりです。)

私のコメントの方針は、論評と同じです。良い点を認める。改善提案は①これならできる。②次回やってみたい と思えるようなものを書きたいと思っています。書ききれない分はなるべく本人に直接伝えるようにしています。こうすれば無用な誤解を避けることができます。

多くのメンバーのトーストマスターズの入会の動機は、スピーチができるようになりたい、英語がうまくなりたい、司会ができるようになりたい、と様々ですが、みな「○○になりたい」というスキルアップという点で一致していると思います。

それゆえ、何人たりともそのスキルアップの希望をつぶすようなことがあってはいけないと思います。

  • ベテラン(あるいはスキルの高い人)からすれば、入会したてのメンバーのスピーチは欠点だらけかもしれません。でもそのときこそベテランの腕の見せ所でしょう。コメントシートの短い一言でこの新人さんをどれだけ元気付け才能を開花させることができるのか?
  • あるいは、自分の嗜好とまったく異なるスピーチをした人がいたとしてコメントを書く場合は、自分の感情をそのままぶつけないように気をつける必要があります。
  • あるいは、パブリックスピーキングではまったくふさわしくないスピーチをした人がいた場合、その人が悪意でやっているのでなければ、その人が気づくような建設的にコメントを書くのが理想です。しかし短時間でそこまで書ききれないのが現実だと思いますので、落ち着いた環境で話ができるのがよいと思います。(悪意でやっている場合は、役員さん経由でしかるべき対応が必要でしょうね)
  • 武蔵小杉クラブの小野君と話していて気がついたのですが、自分の名前を署名するのは自分の言葉に責任をもつ意味でも大人としての最低限のしかし当然の「マナー」だと思います。

コメントシートという小さな紙には、実はその人のトーストマスターズのスキル、さらにいえば「人間力」が凝縮されているのですね。

そういうものが凝縮されているだけに、コメントシートのチカラは絶大です。

(本日の記事は、元祖公園スピーカーの小野君(武蔵小杉クラブ)の言葉にヒントをもらいました。小野君ありがとう。)

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第218話:あぁ論評、Ah Evaluation! (その2:もったいない!)

前回の「第217話:あぁ論評、Ah Evaluation!」で、過去の自分の論評の問題点を二つあげましたが、その2点目についてもう少し考えてみたいと思います。

2.スピーチの内容に踏み込みすぎて、そのスピーチに自分の意見を言っている。(こうなるとEvaluationを逸脱して、自分のスピーチを展開している。)

こんな論評の例はどうでしょうか?

論評者1:「●●さん、プロジェクト2の終了おめでとうございます。正直言いまして私はアメリカ人のネイティブスピーカーの方を論評できるほどの英語力がないため、今日どれだけ論評ができるかわかりません。実際、昨日からかなり緊張してしまいました。」 

その後、しばらく英語ができない言い訳をして、論評の本論に入りタイムオーバーしました。この論評者は経験がそれほどありません。

論評者2:「●●さん、プロジェクト5の終了おめでとうございます。今日の●●さんのスピーチはとてもよかったです。私も同じ失敗をしてしまったことがあります。実は3年ほど前にある会合で、(しばらく自分の経験談を披露。これがメインとなってしまった)。それだけに私には他人事のようには聞こえませんでした。その点が非常に良かったと思います。最後に改善点です。アイコンタクトがあればもっと良かったと思います。」 

この論評者もタイムオーバーしました。

トーストマスターの例会という「得がたい機会」

トーストマスターズ入会の動機は様々だと思います。英語が上手になりたい。スピーチができるようになりたい。私は司会ができるようになりたくてトーストマスターに入りました。

入ったからにはスキルを身につけたく思うのは当然のことです。時間を守るトーストマスターの例会には、ありがたいことに論評(Evaluation)の時間があります。この中だけで、自分のスピーチの良かった点、改善点、練習法が学べます。

こんなチャンスは世間を見渡してもあるようでなかなかありません。話し方教室はそれなりに高額らしいです。スピーチの訓練を受けている日本人は圧倒的に少なく、周りにはアドバイスしてくれる人もほとんどいません。してくれても「あそこが悪かった。ここが悪かった。」と気がめいるアドバイスだったりします。

トーストマスターの例会は、まさに「得がたい機会」です。その中の論評セッションはさらに「得がたい機会」です。

その「得がたい機会」で、スピーカーが「自分はどんな強みを持っていて、今後どこに力を入れていけばよいか」について腑に落ちて理解できれば、それは大変幸せです。

しかしその「得がたい機会」が、論評者の個人的な話に終始してしまうと、スピーカーの学びのチャンスは失われてしまいます。なんとももったいない話です。

スピーカーの話を聞いて、それに共感するような論評者の個人的な話は、例会が終わってからの二次会でたっぷりとすればよいと思います。

論評を「書いて」練習する

3分30秒しかない論評という「得がたい機会」を、英語ができない言い訳に使った論評者1、自分の失敗談を披露した論評者2はいずれも私です。トーストマスターズに入って1,2年目のことでした。

当時はまだ論評のスキルもなく、論評の意義もわからず、ただ何かをフィードバックすることだけに一生懸命でした。

前回の「第217話:あぁ論評、Ah Evaluation!」で、論評を「書いて」練習する効用を考えましたが、まさに書いてみて、自分の論評を読んで、上手な人の論評を聞いて、TOASTMASTERSのThe Effective Evaluationという小冊子を読んで、ようやく論評で何をしなければならないか、論評者が何を求められているかがわかりました。

そこからの旅が始まり、多くの発見をして、多くの失敗をして、いまもまだまだ続いています。

論評は「一期一会」

論評は「一期一会」だと思います。一期一会とは、「茶会に臨む際は、その機会を一生に一度のものと心得て、主客ともに互いに誠意を尽くせ」といった、茶会の心得です。(語源由来辞典より引用)

論評者が、スピーカーのスキルアップ、レベルアップを願ってフィードバックをできるのももしかしたら論評セッションで与えられた3分30秒が一生に一度の機会かもしれません。

  • 「例会が終わってからの二次会で詳しく話をしよう。」
  • 「帰宅してからゆっくりメールで伝えよう。」

しかし、なかなかままならないのが人生です。例会が終わっての二次会ではそれどころではないかもしれませんし、そもそもスピーカーは二次会に行かずに帰宅するかもしれない。ゆっくりメールができるとも限りません。失われた機会損失のコストは高くつきそうです。

論評は「一期一会」だと思ってこれからの論評のチャンスを大切にすることにします。

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第217話:あぁ論評、Ah Evaluation!

何年前でしょうか?当時の私はEvaluationが本当に苦手でした。(当時は厚木座間という英語クラブに在籍)

そもそも何を言えばよいのかわからない。先輩トーストマスターたちが、良い点を3つ、改善点を1つサマリーしてしかも3分30秒内に収めるのを見て「神業!」と崇め奉っておりました。

どうしてもタイムオーバーしてしまう。

あるとき、ふと思いつきました。Basic ManualのEvaluation Guideのページ(書面論評を記入するページです)にあるいろいろな単語を拾い出してストックしておいて、Evaluationに当たったときにその言葉を重点的に使うようにしよう。

ということで、せっせとBasic ManualのEvaluation Guideから関連する言葉を拾い出してはノートに書き出しました。Vocal Varietyとだけいうのではなく、RateとかPitchとか具体的な言葉を集めたのです。

これはそこそこうまくいきました。

しかし、まだタイムオーバーする。「うーん。そもそも自分のEvaluationのスピーチの組み立て方に根本的な問題があるかもしれない」と思って、あるプロジェクトに基づいて想像上のスピーチに対してそれにあうようなEvaluation Speechを書いてみました。

そこでわかったこと。

  1. 最初に、そのProjectのObjectivesをマニュアルに書いているとおりに述べている。(時間の無駄。マニュアルに書いてあることを繰り返している。述べるのならば短縮版にしたほうが良い)
  2. スピーチの内容に踏み込みすぎて、そのスピーチに自分の意見を言っている。(こうなるとEvaluationを逸脱して、自分のスピーチを展開している。)

この二つを冒頭で述べているから、3つの良い点、1つの改善点を述べ終わったらタイムオーバーするのか?よーく、わかりました。

論評やEvaluationで壁にぶち当たったら、まず「止めて見る」。つまりいちど論評を書いてみる。書いた論評を良く眺めて、上手な人の論評スピーチの構造と比較してみる。そうすると、どこを改善するのかが見えてきます。ひとつのソリューションとしてお勧めします。

(ただし、次回の例会で論評にあたっているからといって、「事前に論評を書いて準備すること」を推奨しているのではありません。事前に書面で準備した論評を例会で読みあげるというのは、自分のスキルアップにならないので私はやりません。失敗しても良いから例会で初めて聞いてその場で論評することを心がけています。)

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第216話:D76論評チャンピオンたちの手記

D76のWebサイトに掲載されている2007年12月14日発行のNewsletterの中に、昨年11月17日、18日に開催されたD76 論評コンテスト(日本語)/Evaluation Contest(英語)で優勝された二人のチャンピオン、小林美枝子さん(青山ランチ)、Marie-Josee Brassardさん(Sendai TMC)の手記が掲載されています。

Newsletter 2007 Extra Issue (2007/12/14)

チャンピオンたちの熱い言葉には情熱と経験と知恵が、そして静かな行間には深い洞察が刻まれています。

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第213話:神楽坂TMC 牧さんの論評ワークショッププレゼン資料

2007年11月のD76日本語論評コンテストで3位に輝いた神楽坂トーストマスターズクラブの牧さんから論評ワークショッププレゼンの資料をいただきました。牧さんが11月22日にクラブ内で行った論評ワークショップの資料です。

牧さんは、昨年秋のコンテスト挑戦のために、20回もの例会及びコンテストに足を運び、51名のスピーチ、80名の論評スピーチを拝聴したそうです。このワークショップ資料はその学びの集大成です。

「Maki_Ronpyou_ga_Tanoshikunaru_Seminar.pdf」をダウンロード (PDF形式、194KB、牧さんからは掲載の許可をいただいております。)

いただいた資料を見て感心したことがいくつもあります。

★ 第一印象

  • 全体的に、要点をずばり抑えながらも、コンパクトにまとまった価値の高い資料だと思いました。デザインがとてもよく、フォントもよく、リズム感もあり、参加者の集中力を最後までひきつけるよい資料だと思いました。
  • ベースのスキルがとてもしっかりしていると思いました。ここまでうまくまとまったトーストマスター手製の資料はあまり見たことがないだけにとても感心しました。

★ページ別の印象

1. あなたは論評が好き?嫌い?

この二者択一の問いかけで始まるこのページは参加者をぐいとつかみ、集中力を高める効果があると思いました。さらに、ここでこのプレゼンのゴールを明確に示しているのもよいと思いました。

2. 論評スキルの4ステップ

  • スキルを4つにまとめただけでなく、それをステップ化した点がにくいですね。人間、自分のスキルを測りたがるものですからこの段階別のまとめはうまいですね。しかもインプットとアウトプットというくくりもよいと思いました。
  • STEP2で「モノサシ」という言葉を使ったのはうまいですね。このモノサシは、スピーチの経験、論評の経験をつめばつむほど精度が増し、ごつごつした直線でないところも測ることができるようになりますね。さらに経験をつめば、メートル法にも、ヤードやフィードも対応可能になりますね。
  • STEP3の「話す順序、分量、重要度の高い順に」はタイムマネージメント上重要なポイントです。まったく同意。

3. 論評者は4つの役割をこなせ

  • このページもすごくよいです。役割という言葉で4つに表したのはうまいです。
  • 第一の役割での「共感ありき、感じたことを伝える」というのはよいメッセージです。
  • 第二の役割での「スピーカーが伝えたかったことは何かを探る」もポイントをついています。論評者としてはここが楽しいのです。
  • 第三の役割での「メインメッセージを最も的確に~~~」もよいポイントです。
  • 第四の役割もよいです。

4. 論評上達のためにあなたができること

  • よいポイントですね。とくに「余白をなくす」というのはわかりやすい目標です。

5. 人はなぜスピーチをするのか

  • 書き込み可能にしているところがよいですね。

6. 論評とは何か~牧の場合

  • 論評の魅力を共有するよい工夫だと思います。

7. 参考資料1:クラブメンバーの約束

  • 論評を通して、トーストマスターズの基本中の基本に結びつけるのはとてもよい視点だと思います。

8. 参考資料2:論評時間の使い方

  • これも価値の高い資料です。私は、その昔トーストマスター歴30年という超ベテランに、タイマーの黄色点灯(2分30秒)で改善点とアドバイスを受けなるほどと思ったことがあります。自分でストップウォッチを持っていない場合は、タイマーの色に頼るしかないですもんね。

9. おまけ~推薦図書

ここまでやってくれるのはとても親切だと思いました。

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論評コンテストに取り組んで全国大会3位になるという素晴らしい結果を出した後で、その経験をきちんと文書化して仲間に共有するというのはトーストマスターズの中のトーストマスターだと思います。

牧さん、価値ある資料を共有していただきありがとうございました。

暦の上で立春を迎えました。季節もまもなく春。春になれば花がいっせいに咲き始めるように、District76の新しい「才能」たちがあちこちで一斉に咲き始めるのを想像するのは本当に楽しいことです。

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第191話:アサーティブネスとEvaluation

「論評者はアサーティブでなければならない」

スピーチの論評を行ううえで、論評者はつぎの4点を心がける。

  • 対等(スピーカーと、そしてスピーチと対等に向き合う)
  • 誠実(スピーカーに誠実に接する)
  • 率直(スピーカーに対して率直である)
  • 責任(自分の論評には責任をもつ)

この4点こそが、最近巷でよく聞く「アサーティブ」の重要なポイントです。ちなみにこの4点は「アサーティブ」を学ぶ上での4つの柱といわれているそうです。(参考:アサーティブジャパン

12月26日の東京インターナショナルTMCで、小林美枝子さんの論評のワークショップを受ける機会がありました。小林さんは2007年度日本語D76論評コンテストのチャンピオンです。(ご所属は、英語クラブである青山ランチTMCです。)

10分間と言うとても短い時間でしたが、その中で小林さんは御自身のトーストマスター経験と今回の論評コンテストへのチャンレンジと言うストーリーを軸に「Evaluationに必要なDoとBe」ということを深く語られました。Doはどちらかというとスキル、そしてBeはEvaluatorとしてのあり方です。

そしてこのBe(Being)を小林さんはアサーティブという視点を通して語られました。これこそがこの日の小林さんのワークショップの最大の「お持ち帰りバリュー」だと思いました。

これまで私が受けたさまざまなEvaluationや論評のトレーニング、ワークショップで語られたことのないまさにEvaluationの真髄とも呼べる考え方だと思いました。

小林さんの論評者に必要な「アサーティブネス4ポイント」からの私の学びです。

対等(スピーカーと、そしてスピーチと対等に向き合う)

論評者の役割は、そのスピーチの中によい点と改善点を見つけ、それを共有し、相手をさらにやる気にさせることだと思います。そのためには、スピーカー、スピーチが高尚でも自分を卑下する態度で臨む必要もなく、逆にスピーカー、スピーチが(自分より)未熟と思っても相手を見下すこともない。相手がどうあろうと、現在の自分のもつスキル・経験の範囲で対等に向き合う。

誠実(スピーカーに誠実に接する)

対等に向き合った後、スピーカーに対し誠実に向き合うこと。つまりスピーカーが一生懸命創ったスピーチに対し改善点などを言うのは伝えにくい時もあるが、誠実に相手の成長を願いながら伝える。いいところだけ表面的に伝えるのではなく、本当に思った事を伝える。

率直(スピーカーに対して率直である)

ときには言いにくいことも伝える必要がある。Vocal Varietyがそのプロジェクトの狙いであるのに、まったく声や発声の工夫をせずに、すばらしいスピーチでそのプロジェクトを終えたとする。その場合でも、やはり率直に「あなたのスピーチはすばらしかったが」と具体的によかった点を認めた上で、しかしプロジェクトの目的に沿っていなかったという点を、率直に(そして誠実に)伝えるということが肝要である。

責任(自分の論評には責任をもつ)

論評はすべて「選択」に基づいて行われます。そしてその「選択」は自分の責任で行っています。率直に自分の考えを伝えることは大事ですが、そのことに対する責任感を持つことは大事である。

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今回の4ポイントがすばらしいのは、それがセットになって初めて最大の効果を発揮するという点だと思います。逆に気をつけなければならないのは次の点です。

  • 対等だけが強くなりすぎて、誠実さ、あるいは年長者、ベテランに対する敬意が欠落してはならないと思います。
  • 誠実だけがいびつな形で(逆方向に)強くなって、「今日のあなたのスピーチには改善点はひとつもありませんでした。」となっては、すでにトーストマスターズの論評ではありません。
  • 率直だけが強くなりすぎて相手をやり込めてしまうのは、これもトーストマスターズの論評ではありません。対等、誠実、責任の観点が欠落しています。
  • 責任だけ強くなりすぎて、逆に怖くなって何もいえなくなってしまうのもおかしな話です。

この4つをバランスよく生かしていく心の持ち方が大事だと思いました。

もうひとつ大事な点は、上の4点は「現在の自分のスキル・経験の範囲で行ってかまわない。そのレベルでベストを尽くす。」ことです。そう考えると、トーストマスターズの論評の考え方と合致します。

逆に、論評を受けるスピーカーもアサーティブな態度で聞くことが大事だと、いまこの記事を書きながら思いましたが、それはもっと深く考えてからまた別の機会に譲ることにします。

2007年の最後に「アサーティブネスとEvaluation」について小林さんに教えていただいたことは、私の中では年末ジャンボ級の学びでした。小林さん、ありがとうございました。

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第189話:YouTubeで「勝手にEvaluation」 その1:IceBreaker

2007/2008年末年始特別企画「YouTubeで見つけたスピーチに対して勝手にEvaluation」

第一回目は、Austin Toastmasters ClubのWes RueさんのIceBreaking Speechに対して行いました。

TM Wes Rueさんのスピーチを聞きながら取ったメモです。やはりネイティブスピーカーのスピーチを聞き取るのはきついです。二回聞きました。(正直)

Sany0120

頼まれてもないのにやってみたEvaluation。

せめて自己紹介くらいはしておこうと思いまして最初に5秒ほど名前とクラブ名とディストリクトを報告しその後Evaluationをはじめました。3分30秒でした。いやー、本番さながらに緊張しました。

YouTubeにアップロードされているスピーチは、音が非常に小さいものが結構ありますので探すのにそれなりの時間が必要だということがわかりました。

次回はProject 2に挑戦するか?それとも別の人のIceBreakingに再挑戦するか?どうしよう、、、

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第177話:論評の「軸」

この秋のEvaluation Contest、論評コンテストには出場しませんでしたが、論評に関するワークショップを実施する機会(10月Division A11月District 76 )など、自分なりに論評についてさんざん考えました。

その末に、論評の「軸」とは、話し手がフィードバックを聞いて「あぁ、これならできる。次回是非チャレンジしてみよう。」という前向きな気持ちがわくことにあると思うようになりました。

サンドイッチ形式、C-R-C(Commend-Recommend-Recommend)形式、PREP, あくまで個人的な意見として述べる、「良いところを3つ、改善点をひとつ」などいろいろなTips, ノウハウ、技法、スキルはありますが、結局はフィードバックを受けた話し手が「やってみよう!」という気持ちになることに尽きると思います。

トーストマスターズに入会する動機はさまざまです。おそらく「○○が上手になりたい」という動機がいちばん多いことでしょう。そういた友人に対して、その人が ちょっとした努力で改善できるようなPossible Missionを与えて、「やってみよう!」という気持ちを持たせることが論評者、Evaluatorの仕事だと思います。

The Successful Club SeriesにEvaluate to Motivateというワークショップモジュールがありますが、私は長い間Evaluate to MotivateのEvaluateという言葉に注意が行っていました。しかし今年になって初めてMotivateという言葉に注意が行きました。

ゴールはいつもスキルを超えて存在します。しかしスキルもまたゴールを達成するための道具としての価値があります。ゴールを忘れず適切にスキルを活用することが論評の「軸」なのですね。

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第174話:"Motivate, Motivate, and Motivate" My evaluation workshop at the D76 Fall Conference on Nov. 18

I had a great opportunity to conduct an evaluation workshop at the D76 Fall Conference on Sunday, November 18.  The workshop title was "Motivate, motivate and motivate".

In this session, I proposed the following points to fellow Toastmasters in the conference room.

  • Let's use Toastmasters evaluation skills in our life. Let's use the skill outside Toastmasters meeting to motivate people around you.
  • Let's keep in mind they are non-Toastmasters and we need to make extra effort before we use this. 

Here is the video for you to enjoy. (please do enjoy!!)

And here is the PowerPoint slides which I used in my presentation. Please see it in Full Screen mode, so you can enjoy the animation.

Click to download "20071116_D76_fall_conf.ppt"

Lastly, I express my sincere appreciation to DTM Inatsugi, Chairman of the D76 Fall Conference Steering Committee and District Governor Suzuki to have given me this opportunity and make my workshop happened.  Also, thank you, TM Ogawa, TM Fujisawa, TM Nagahama, TM Nakao and fall conference committee members. ALSO, I must send my special thanks to Mieko "Jane" Kobayashi, 2007 D76 Japanese Evaluation Champion, who kindly assist me on the stage and play "Jane"'s role to bring value to my workshop!

11月18日(日)のD76秋季大会ですばらしい機会をいただき、論評のワークショップ(英語)を行いました。タイトルは "Motivate, motivate and motivate"です。

このワークショップでは、次の点を会場にお集まりのトーストマスターズ諸兄諸姉に提案いたしました。

  • トーストマスターズの論評のスキルをもっと日常的に使おう。このスキルをトーストマスターズの例会の外でも使って、私達の周りの人たちを元気付け動機付けよう。
  • 私達の周りの人たちはトーストマスターズではないので、論評スキルを使うまえにいくつか段取りが必要です。 

上にビデオへのリンクを添付しました。またワークショップの中で使ったパワーポイントもダウンロードできます。ご利用の際は全画面モードでお使いになりアニメーションをお楽しみください。

最後になりましたが、この機会を与えてくださり実現にご尽力くださった秋季大会実行委員長稲継様、D76ガバナー鈴木様に深く感謝の気持ちをささげます。また小川様、藤澤様、長浜様、中尾様および秋季大会実行委員会の皆様に感謝の気持ちをささげたいと思います。

また! 2007年度日本語論評コンテストチャンピオンの小林・ジェーン・美枝子様にとくにお礼を陳べたいと思います。私のワークショップに”ジェーン”役として登場いただきバリューをあげてくださいました。ありがとうございました。

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第173話:いまさらながら「Evaluationのコツというか基本」

昨日(11月24日)の大和バイリンガルクラブ例会で、私はIceBreaking Speech(Project1、英語)を行うメンバーの論評者でした。

IceBreakingでのフィードバックは、大げさに聞こえるかもしれませんが、「その人のその後のトーストマスターとして進む方向を決める」大事なものと思っています。ですから、Basic Manualを引っ張り出して再度読み直しました。

なるほど、こんなことが書いてあるのかと新たな発見もありましたが、その中には恥ずかしい話ですが、今回トーストマスター8年目で初めて気づいたことがありました。

それはNOTE TO THE EVALUATORです。ここには7行ほどでEvaluatorが何にポイントを置いてEvaluationすればよいかが簡潔に書かれています。

たとえばIce Breakerの場合は次のようになっています。

”In this speech the new member is to introduce himself/herself to the club and beging speaking before an audience. The speech should have a clear beggining, body and ending. The speaker has been advised to use notes if necessary and not to be concered with body language. Be encouriaging and point out the speaker's strong points while gently and kindly mentioning areas that could be improved. Strive to have the speaker look forward to giving another speech. Your evaluation should help the speaker feel glad about joining Toastmasters and presenting this speech. In addition to your oral evaluation, please write answers to the questions below." (Communication and Leadership program 12ページから引用)

NOTE TO THE EVALUATORは、書面でのフィードバックを行うページにあり、すべてのマニュアル、すべてのProject(Advanced Manualも含めて)あります。

実は、Basic ManualのProject 1の3ページにわたる説明は読めば読むほど、「うーん、どうまとめようかな?」とだんだんわからなくなってきていましたが、このNOTE TO THE EVALUATORを読んで頭がすっきりとまとまりました。

本当にトーストマスターズはマニュアルに始まり、マニュアルに終わるといっても過言ではないと改めて確信しました。

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第165話:YouTubeでEvaluationの自主トレ

Speech Evaluationの練習は、実際にスピーチを聞いて考えて発表する(このプロセスを切れ目なく続けて行う)のがいちばんよいのですが、問題は「実際にスピーチを聞き」たくても次回の例会まで待つか、他のクラブを訪問するというオプションしかないということです。つまり、「いつでも気軽に」練習ということができませんでした。

ところが、YouTubeの登場がその状況を一変させました。YouTubeにアップロードされている世界中のトーストマスターたちのスピーチビデオを使えば、自宅で実際にスピーチを聞いて、考えて、発表するという練習ができるのです。(しかもYouTube自体は無料で利用できます)

さらに自分がEvaluationスピーチを発表しているところをビデオ撮影して、自分のEvaluationスピーチのEvaluationを行えば、問題点がかなりクリアでき、さらに自分の強みもわかり自信がつきます。

YouTube.comに行って、検索キーワードにToastmasterと入れると、アメリカや東南アジア、台湾の各クラブの例会でのPrepared Speechやクラブレベル、エリアレベル、ディビジョンレベル、ディストリクトレベルスピーチコンテストのビデオがたくさん出てきます。(2007年10月18日現在で、1120本のビデオがアップロードされています)

例:2007年District4コンテストの優勝スピーチ(Gopi Kallayilさん)

(残念ながら日本でYouTubeにPrepared Speechをアップロードしているクラブ、個人は皆無なので、日本語のスピーチ論評は英語ほど自宅で気軽にという状況ではありません。)

アメリカのクラブの例会でのPrepared Speechは、私たちのクラブの例会でのPrepared Speechとレベルはそんなに変わりません。格好の練習教材として使えます。

私が探したのはYouTubeだけですが、Google Videoやほかのビデオ共有サービスにもおそらくたくさんアップロードされていることでしょう。

さまざまな無料のITサービスのおかげでトーストマスターズの活動が非常にやりやすくなりました。

  • Prepared Speechの練習:自分のPrepared SpeechのビデオをYouTube, Google Videoなどにアップロードすれば遠方のトーストマスターからでもコメントがもらえる。
  • Table Topicsの練習:Skypeの電話会議機能(同時に10人まで)を使って自宅で他のトーストマスターたちとTable Topicsの問題を交代交代で出して即興スピーチの練習ができる。
  • Evaluation Speechの練習今回提案した方法。

しかし、どんなにITの技術が進歩しても、私は、例会のもつ独特の魅力、緊張感、パワー、満足感、達成感が好きです。

ITの便利さと、例会の味わいをうまくバランスをとりながら楽しみたいと思います。

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第163話:"Evaluate to Motivate" workshop @ Div A Evaluation Speech Contest in Chiba

I had an opportunity to conduct the "Evaluate to Motivate" workshop at the Division A Evaluation Speech Contest in Chiba today. 

I want to extend my sincere appreciation to Division A Governor Kawauchi, TM Kubota, President of the ICF Chiba Toastmasters Club and all the Toastmasters and guests who shared a wonderful time with me in my workshop session.

As promised, I have uploaded my presentation slides in the following format, so please feel free to download them and use it to help your friend Toastmasters. (Please use this for Toastmastering purpose only.)

If you have PowerPoint on your PC

If you don't have PowerPoint on your PC

Enjoy Toastmastering!

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本日の記事は、Division A Evaluation Speech Contestの後の私のEvaluate To Motiveワークショップ参加者向けに書いています。参加者の中には日本語を理解されない人もいらっしゃいましたので英語としました。

久しぶりの英語のWorkshopはとてもよい勉強になりました。このことについてはいずれまた発表いたします。

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第93話:Toastmaster2月号 Special Evaluation Issue

いやー、2月号はすばらしかったです。

ひとことで言うと、今号は、プロフェッショナルな人間になるために「Evaluationにどう向きあうのか」というテーマの記事が満載であったと思います。私の定義では「プロフェッショナルな人間」には、聞く力、批判を受け入れる度量、受け入れた批判を成長の原動力にかえる能力が必要と思いますが、今号はそうなるための具体的な指南書であると思います。永久保存版ですね。

私が「いいな!」と思ったのは次の記事です。

Points to keep your evaluation on target (8ページ)

  • 論評をする立場で、とても役に立つ記事です。
  • Analysis, Recommendation and Encouragement.
  • 10ページ目の一番左のパラグラフは秀逸。Toastmasterは単なる「練習」なんですよね!例会が本番ではないという筆者のコメントに激しく同意です。
  • Recommendation should not focus "what went wrong" but on "what might work together"

Do you dread receiving an evaluation? (12ページ)

  • 論評を受ける際に役に立つ記事です。
  • ToasmtasterのEvaluationについてNew Memberが知っておくとよいポイントが3つ軽くまとめてあります。
  1. No speech is perfect. 必ず提案をする。
  2. Evaluationはせいぜい個人的な意見であること
  3. Evaluationは例会でもっとも挑戦的な仕事であること

"If Only I'd Said......"  Mastering the art of Self-evaluation (20ページ)

  • 自分自身のプレゼンテーションを自己評価する際の心の持ちようについての考察です。
  • 自分自身が例会での自分のパフォーマンスがいまいちで落ち込んでいるとき、あるいはクラブのメンバーで、スピーチ終了後に落ち込んでいる人に有効なアドバイスが載っています。

Learning to (Almost) Like Criticism (24ページ)

  • 批判を成長の原動力にかえる心の持ち方についての記事です。
  • すばらしい。ちょっと残念だったのは12個のアドバイスがやってよいことと、やってはいけないことがいまひとつ整理されていなかったので、ちょっと混乱しました。しかし、最後のRepeat the processが一番大事と思いました。
  • この記事は、ビジネスの場にも充分応用が聞くすばらしいものです。

Challenging the Advanced Speaker (27ページ)

  • 自分よりも実力の上のスピーカーをどのように論評するか?についてです。
  • 自分よりも実力も経験もあるスピーカーを論評しなければならない状況はたまにありますよね。
  • 自分よりも力のあるスピーカーを論評する際に注意してよく見るとよい4つのポイントについてのまとめはなかなかよいと思いました。
  • 逆に上級スピーカーになってもこの4つのポイントははずしてはならないということです。

2月号で、知らない英単語に悩まされ「10回音読」の対象にした記事は次の2本です。

  • "If Only I'd Said......"  Mastering the art of Self-evaluation
  • Challenging the Advanced Speaker (筆者はイギリス人なのですね)

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第85話:「集団論評」

「集団論評」!なにやら恐ろしげです。「集団リンチ」みたいな。実は、その集団論評を受けました。11月3日(金)のやまのてクラブ(東京中目黒)の例会でです。私のスピーチに対して3つのグループに分かれた約12人の出席者が束になって論評をしてくるという、、、、、なにやら、、、、、、とても、、、、、、思い出すだけで。

実は、とてもすばらしい爽快な経験でした。

私のスピーチは、「第一回養老の滝映画祭最優秀賞発表」という日本語スピーチで、上級マニュアルのSpecial Occasion Speechesのプロジェクト4に基づいておりました。
目的(Obejectives)は次の二つ:
-Present an award with dignity and grace.
-Acknowledge the contributions of the recipient.
時間は3分から4分

内容は、私が「養老の滝映画祭」なる映画祭の実行委員長になって、ここ5年ほどで私をもっとも感動させた映画に賞を送るという設定で、私がその表彰式のスピーチを行うというものでした。ま、文化の日の遊びと大好きな映画とを絡めて自分自身真剣に遊んで楽しみたいというスピーチです。「養老の滝」とは、私の目が感動の涙で「養老の滝」状態になることをさす、私一人が分る言葉の遊びでした。

3つのグループが、私のスピーチを聞いたあとで、グループ討議に移り、ポストイットに書いたメモなどのツールを駆使して論評を纏め上げていきます。討議に許された時間は10分程度。その後各グループが順番に発表です。それぞれの代表者が前に出て、4分程度の論評をしていきます。
皆さんが感じる点には共通点が多く(私の強みも弱みも)後になればなるほど、前のグループに指摘されていることもあり、ネタがなくなっていますが、そこはさすがトーストマスター。きっちりとよい論評をしてくれます。

その後、私が前にでて各グループへのフィードバックの時間があります。

すばらしかったのは、次の点です。
①ほぼ完璧に、360度というかレントゲンでも取られたかのようにきれいに、内容、構成、発表の仕方など様々な角度から細かく診ていただきました。私のやりたかったこともきっちりと受け止めていただきました。そこがちゃんと伝わったのをしってうれしかったです。(東さんはリアルにこだわりたかったのですよね。==> その通り!)
②しかしトーストマスターズの論評の作法にのっとっているため、いろいろな点を指摘されていても少しも嫌な気持ちになりません。真摯な態度での皆さんの論評に対して、こちらも謙虚な気持ちで論評を受けることができました。

中でも、いちばん心に残ったのが藤山さんチームの論評でした。
「私がどのような立場に立ってこのスピーチをしたのか?なぜこの企画を立てたのかが分るともっと良かった。」
なるほどねー。「なぜスピーチをするのか?」というまさに根源的な問いですね。この論評を受けたときは、正直いって「ま、軽い遊びのつもりで作ったんだから、まぁ許してよ」という気持ちもありましたが、だんだんこの言葉のもつ意味が心にしみて来ました。

「なぜこのスピーチをするのか?」って実に大事なことなんですよね。メッセージの根源をなすものなのですね。実に深い言葉をいただいてたいへん得をした気持ちになりました。

この企画の発案者は、11月11日のディストリクト76のユーモアスピーチコンテストで見事チャンピオンに輝いた浅井さんです。浅井さんはこの日の司会進行も担当されました。

浅井さん、やまのてクラブの皆さん。

すばらしい機会を与えてくださってありがとう!

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第48話:「Evaluation」の落とし穴、「論評」の罠

Evaluationの際に、よくスピーチの内容に立ち入ってスピーカーの意見に対して、「私は賛成だ」「私はこう思う」と自分の見解を述べるEvaluationを聞くことがあります。あるいは、Evaluationの際に、スピーチの内容を繰り返す人によく出くわします。

なんて実は私もTMに入って2年くらいは、Evaluationのやり方が良くわからなくて、上であげたようなことを毎回やっておりまして、ほぼ毎回タイムオーバーを食らっておりました。

スピーチの内容を繰り返していたのは、「私はあなたのスピーチをちゃんと聞いていましたよ。あなたはこう言ったでしょう?」と、きちんと話を聞いていたからこそEvaluationができるという姿勢を見せたかったように思います。逆に、これを言わずにEvaluationをすることに自信がなかったのです。スピーカーのSpeechがわからないこともあります。でもそれを見せたくなかったのです。でも、今は話がわからなかったらなぜわからなかったかを考えて、そこから出発してEvaluationを組み立てることもあります。(こちらを参照ください)

それからもうひとつ、以前の私は「論評」という言葉に惑わされていたせいもあると思います。「論評」という言葉を、勝手に「評論」と解釈して、その内容に対して自分の意見を述べることが主だと考えていました。論評という言葉のもつ罠に引っかかっていたのです。(と思っていた)

Toastmastersに入会するとTMIからもらえる「Effective Speech Evaluation」というブックレットによると、Evaluationとは、
①話し手の発表に対しての自分自身の反応を述べるだけ、
②あくまでEvaluator自信の意見であること。
③その意見は、話し手の発表がどのように効果的であったか?話し手はどう良かったのか?どの部分が改善の余地があったのか?具体的にどうすれば改善できるのか?
を述べることだとあります。

逆に言えば、この3つを満たしていればEvaluationとしての合格ラインの最低線はクリアしているわけで、別にスピーカーの意見を再度繰り返したり、追認したりしなくても良いのです。

その昔、Evaluationについて迷いに迷っていた私が良くやっていたEvaluationですが、(あくまで例です。)

「○○さん、すばらしいスピーチをありがとうございました。私も子供のころ母にそのような話を聞いたことがあります。まだ子供だった私はそんな話を聞いてもあまりわからなかったのですが、成長するにつれて次第に理解できるようになって来ました。私も○○さんと同じような環境にいたため、おっしゃることが大変よくわかります。スピーチの途中で、「千里の道も一歩より」とのことわざを披露されましたが私もまったく同感で、私の結婚式に来てくださった学生時代の恩師がそのスピーチで教えてくださいました。」

こんな風に長々と構成感もない前口上で始めると、まず100%タイムオーバーでした。何よりも、スピーカーがすでに行った話をただ繰り返すのでは、なんら価値を生みません。上で述べた「Evaluationに必要な3つの基本項目」を網羅することもできず、結果としてスピーカーの成長に貢献できませんでした。

また、時にはスピーカーの意見に賛成できないこともあります。しかし、Evaluationは議論の場でもなく、また賛否を唱える場でもありません。たとえば、スピーカーが「首相の靖国神社参拝賛成」の話をして、Evaluatorが「政治的に靖国神社反対」であっても、その内容には決して立ち入る必要はありません。その意見に対して賛成・反対を唱える必要もありません。Evaluationは、そのようなことを議論する場ではないからです。相手と意見を異にしても、あくまでプロフェッショナルに、どうすればスピーカーがスピーカーとして上達できるかについての意見を建設的に述べるのがトーストマスターズでのEvaluationだと思います。

Evaluationについて、わからなくなってきた際には、次の二つのことをお勧めいたします。

①Toastmastersに入会するとTMIからもらえる「Effective Speech Evaluation」を再度読むこと。
②Basic ManualのProject 1から10までのEvaluation Guide全部に目を通すこと。それぞれのProjectで何を求められているかを考えること。

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第17話:Evaluationのヒント(その3 「事前に」原稿を渡すことの是非)

最近になってけっこう多くの英語クラブで、SpeakerがEvaluatorに「事前に」、つまりRegular Meetingでのスピーチ本番前に原稿を渡しておいて、Evaluatorはそれに基づいてEvaluation Speechを行う運用を行っていることを知りました。私は、この運用には個人的に賛成できません。私は、SpeakerがEvaluatorに「事前に」原稿を渡すべきではないと信じております。(ただし、Speakerが「事後」、つまりスピーチ後にEvaluatorに原稿を渡して原稿のEvaluationをお願いするのには反対しません。それも良いやり方だと思います。)

さて、今回のこのトピックをあげたのは、事前に原稿を渡すことのメリットを知りたいからです。ですから、私の文章をお読みになって私が気づいていない「事前に原稿を渡すメリット」についてご存知の方がいらっしゃいましたら、ぜひ教えてください。(論争をすることが目的なのではなく、より良いアイデアを持ちたいのです。)

本記事では、賛成できない理由と、私なりの提案のふたつをもとに私の考えを述べております。

まず、賛成できない理由について私の考えを下記にあげます。

① 事前に内容を知ってしまっては厳密な意味での”Speech”のEvaluationができない
Speechとは、Speakerの口から出たある意味をもったメッセージです。生身の人間が伝えるスピーチですから当然紙に書かれたエッセイとは異なります。Evaluationとは、生身の人間が伝えるスピーチをもっと効果的に行うためにはどうするかと言う観点で行います。ですから耳で聞き理解したものがすべてです。中心となるメッセージはわかりやすく伝えられたかどうか?Organization、Deliveryは適切だったのか?という観点に絞って行われるのです。

紙にかかれたScriptのEvaluationは、スピーチのEvaluationではありません。そこには、「耳で聞こえて目で見た」ものに対するEvaluationはありません。あくまで紙に書かれたもののEvaluationです。これ自体大事なことですが、Regular MeetingのSpeechのEvaluationとは異なります。Regular Meetingは「耳で聞き目で見て理解した」メッセージのEvaluationが必要とされているのです。なぜなら私たちはスピーチをやるためにMeetingに来ているのですから。そしてトーストマスターズクラブはエッセイを行うクラブではありませんから。

② ではどうするのか?
原稿に対するEvaluationは不要だといっているのではありません。Speakerとして成長するためには大事なことです。ただ私がいいたいのは、Evaluatorが事前に原稿を読んでしまうと一般のAudienceと同じ立場でスピーチが聞けなくなってしまう。一般のAudienceと同じ条件で建設的な提案ができにくい状況となってしまうと申し上げているのです。

私の提案は次のとおりです。
- Evaluatorは事前に原稿をもらわない。あくまで一般のAudienceと同じ条件でフレッシュにSpeechを聞きそこでEvaluationを行う。
- Regular Meeting終了後あらためて原稿をもらい、今度は原稿レベルでのEvaluationを行う。

このやりかたでいけば、本来の”Speech”に対するEvaluationもでき、原稿のEvaluationもできます。

ちなみに、Speakerの立場で言えば、原稿はRegular Meeting前にご自分のMentorに見てもらうのが良いやり方と思います。

私見ですが、事前にEvaluatorに原稿を渡すのは、Evaluatorが「英語の」スピーチを聞きとれなくてバツの悪い思いをするのを避ける意味合いがあるように思います。

これは、一見親切のようですが、Evaluatorのためになるとはどうしても思えません。

皆さんのお考えはいかがでしょうか?

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第15話:Evaluationのヒント (その2:まいった。スピーチがわからない)

ごくまれに、スピーチの内容がわからない場合があります。Evaluatorにとって本当に困りますね。いかにしてこの危機を切り抜けるか考えて見ましょう。

いろいろなケースがありますが、大事なことは落ち着いて、Speakerが何を伝えようとしているかを丹念に拾い上げる努力を放棄しないことです。「あっ、わかんない、どうしよう?」といってパニックになることだけは避けましょう。たとえ相手がNativeであってもTMである以上Evaluationを受けなければなりませんから。

ケース別に対策を考えて見ましょう。

① Speakerのレベルが高すぎる場合。(自分のレベルとミスマッチを起こしている場合)
考えられる原因:この場合は、Speakerが非常に難しい単語、あるいは難しい話題、または自分の知らない単語、知らない話題を展開した場合と考えられます。
対策:なぜわからないのか?自分が悪いのか?(そう思ったらがんばることです。)しかしこの場合100%自分が悪いとばかりは言い切れません。SpeakerがAudienceがどんな人たちなのかを分析して、その人たちに理解してもらえるスピーチを準備したのかがポイントになります。(Know your audienceは重要な事前準備項目です)。ここが改善点として指摘できると思います。 あくまでC-R-Cにこだわるのであれば、Commendしなければなりませんから、内容はわからなくても万国共通に理解できるDelivery(Facial Expression, Gesture, Vocal)の良い点を述べてあげたらよいのではないでしょうか?

② Speachがよく練られておらず、構造・メッセージともに不明確な場合
考えられる原因:Speakerが、あまり人前で一定の構造を持った話をした経験を持たず、しかも準備不足の場合に起こりえます。
対策:7分ほどの中で、まったく意味不明という場合はほとんどないでしょうから、まず何をメッセージとして伝えようとしているのかを拾い上げます。

③ Speakerの声が聞き取りにくい。発音がわかりにくいなど。
考えられる原因:Speakerが、お腹から声を出していない。あるいは室内外の騒音が大きい。また、訛りの強いSpeakerあるなど。
対策:発声法であれば、ひょっとして手元に置いた原稿を読むために顔が下に向き声帯を圧迫して声が出ていないのかもしれません。あるいは、自信がないため「喉だけ」で話していると声がでません。そのことを指摘して改善点としてVoice Trainingを進める手があります。室内外の騒音は、クラブあるいは聴衆に注意・改善を促すことでしょうか?訛りは、言い方に気をつけないと相手を傷つけるので注意が必要ですね。ケースバイケースでの対応となります。

どうしてもわからない場合は、最後の手段としてVocal Variety, Eye Contact, Body Languageを指摘するということもありますが、あくまで最後の手段です。

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第14話:Evaluationのヒント(その1:サンドイッチを楽しもう)

Evaluation Speechの組み立て方でよく言われるのがSandwitch Approachですね。まず良い点を3つほどあげ、Room for Improvementとなぜそうなのかという明確な理由とさらに具体的な改善提案とともにあげ、最後に全体としてどのような印象を受けたかをPositiveなトーンでまとめる方法です。(Commend-Recommend-Commenというサンドイッチ構造になっている)

この方法は広く知られているのですが、実際にやってみる際のヒントをいくつか考えてみたいと思います。

①Time Management
ご存知のようにEvaluation Speechに与えられた時間は、3分30秒。この中でCommend-Recommend-Commendをやるにはちょっとしたコツがあることを、TM暦25年の大ベテランATM-Bさんから教えていただきました。まずスタートしてからGreen Light On (一分経過)は安心してCommendを展開します。Yellow Lightが点灯(2分30秒)になったらRecommendです。そしてRed Light点灯(3分)でCommendしてWrap Upという具合にタイマーを利用してC-R-Cを展開するやり方です。これを使えば、Room for Improvementの指摘で終わってしまい、後味を悪くすることはないと思います。

②Tell them what you want to say,,,,,
C-R-Cに入る前に、「これから良い点を3つ、改善点を1つ申し上げます」のように今から何を伝えるかを明確にするのは、聞き手に心の準備をしてもらうためにもよいと思います。

ほかにもC-R-C実施にあたっては皆さんいろいろなノウハウをお持ちと思いますので、ぜひ情報共有していきましょう。

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